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アチチュードとしてのパンク

パンクロックは自分にとっては単なるファッションや音楽のカテゴライズではなく、自分の社会的態度を位置付ける、一種のイデオロギーのような
概念、価値観である。
 十代前半、自分の生き辛さから湧き出す対外的な憎悪感情は、切実なカウンター精神へと自然に繋がった。自己の外へ放たれる反骨精神は自分のコアであり、生き方そのものへの問題提起であり、人生の主題である。
 パーソナルな問題意識の根源的要因は、実は社会に起因する場合が往々にして多いと感じる。社会に対する「自分事」を発端にした訴えは、切実且つ純粋な心の叫びで、訴えそのものにも明確な動機があるが、一方で「他人事」に便乗した紛糾は、その多くが抽象的な「正義感」に突き動かされてのものなので、蓋を開けるとコアとなる部分が弱く、前者よりも説得力に欠けてしまう。第一、「人としての正しさ」ばかり追い求めているような類の人間には懐疑的である。正しさなんて一つでは無いし、というかそもそも私は「正しさ」に興味が無い。
 パンクが教えてくれたことは、いかなる社会情勢の中においても毅然としてラディカルで居続けることだ。同調圧力に屈せず、深刻化する管理社会化に抗うこと。社会構造に搾取されることをきちんと恐れること。あらゆる選択の場面で周囲の顔色を伺って、保身と安定を取らないこと。くれぐれも「正義感に駆られて」行動しないこと。社会情勢に感化されて浅はかな知識のままにミーハーなテンプレート反戦ソングを歌うのではなく、黙々とインプットに勤しみ、淡々と自分の言葉で歌うこと。そして本質的なマイノリティを黙殺するような、ヒステリックなポリティカル・コレクトと闘い続けること。

(Mai-kou as "SHIROKUMA"solo exhibitionで販売のStatement bookより一部抜粋)
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Mai-kou as "SHIROKUMA"
solo exhibition
<<<BUTTERFLY EFFECT>>>

🔸会期
2023.11.22(水)-12.17(日)
12:00-20:00(最終日16:00迄/月火休)

🔸会場
VALLOON STUDIO SHIBUYA
東京都渋谷区神南1-14-1

🔸トークイベント
2023.12.2(土)18:00-19:00
登壇 : Mai-kou/茂木響平 @mogi_kyohei
詳細&予約▶︎ http://butterflyeffect2023.com/contact(特設サイト内予約フォームより申込可)

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