見出し画像

【日本のロックを熱く語る】布袋寅泰

すみません、兄貴。なんか、順番間違えてました。
ブルーハーツの次は布袋の兄貴に決まってるやん!
わたしのギタリストの原点オブ原点、布袋寅泰氏。

出会いはBOOWYだったけど、布袋さんのギターに心底惚れたのは、伝説のソロアルバムGUITERYTHMⅡを聴いたときだった。
テーマソングからのBEAT EMOTHION。雷に打たれたような衝撃が走ったのを今でもよく覚えている。

BEAT EMOTHIONのカッコよさは、半端なかった。
それは、"Welcome to GUTERYTHMⅡ"という電子声音の直後に始まった。ビートを刻むギターの音は、間違いなく布袋寅泰のギターそのものだった。
これを待ってた。このギターが聴きたかったんだ。
心の底からそう思って震えた。

わたしはBEAT EMOTHIONのある歌詞を、アルバムの付属でついてきた貴重な便箋に書き写した。

まずまずの人生をこのまま送るか?
二度とない人生を求め続けるか?

当時わたしは中学校二年生で、人生のことなどまだ深く考えたことがなかった。
だから、この歌詞こそがその第一歩となったのだ。

そうか、二択なんだ。

わたしはシンプルにそう捉え、当然後者を選んだ。
そして、わたしは二度とない人生を求めて歩き始めた。これは結果的に厳しい選択ではあったが、今でも、少しも後悔はしていない。自分らしく生きるためには、まずまずの人生なんかあり得ないからだ。

しょっぱなから熱く語りすぎたかな?
でも、布袋の兄貴の話はこれだからいいんだ。

アルバムGUTERYTHMⅡは二枚組の超大作だった。
ベルベットのカバーに入った2枚のCDと、付属の便箋にあと一つ、何かついていたけど忘れちゃった。

このアルバムの世界観を一体どう表現すれば良いのか、わたしはリリース当時からずっと考えてきた。
様々な世界観の曲が収録されているけれどなんだか絶対的にその全てがGUTERYTHMⅡの世界なのだ。

わたしが特にこの曲はなんだか次元が違うと感じたのは、Slow mothionとSPINXの二曲。とても不思議な曲のように感じた。未だにほぼ全曲を語れるけれどあともう一曲だけこれはぜひ書いておきたい。

Fly into your dream

わたしはこの後、ライブで何度もこの曲を聴くことになる。この曲は、短い歌詞と壮大なギターソロで構成されている曲で、布袋寅泰のギターソロならこの曲だと思って間違いない、そんな曲だった。このギターソロを聴いているときの自分は、いつも無になっていた。後から考えると、布袋寅泰の魂のギターを、自分も魂で感じている、そんな感じだった。
ステージの前でただそこに立ちすくむ自分がいた。

こんな音を響かせるギタリストは、他にはいない。
布袋寅泰はわたしの中で、唯一無二であり続けた。

兄貴がいなければわたしはギターを愛さなかった。
兄貴は偉大なロッカーにして偉大なギタリストだ。

ライブのMCは真面目そのもので、いつも曲への想いを語り、最後は「それではどうぞ、聴いてください」で終わり、演奏が始まる。非常に謙虚な人だ。
人間性については褒めたらキリがない人だと思うからやめておくけれど大変な人格者だと思っている。

わたしがライブに参戦し始めた頃は、矢沢永ちゃんばりに男のファンしか会場に来ていなかった。これは、当時にしてもかなり珍しいことだったと思う。
みんなが髪を立てて革ジャンの黒尽くめで、ホールの外は常にモクモクとタバコの煙が充満していた。

中学生の女子であるわたしは当然浮きまくっていたが、会場では「キャー!!布袋さーん!!」と、一人黄色い声を張り上げていた。ちなみに、わたし以外のほとんどが「ウォー!!ホテイー!!」という、地響きのような叫び声をあげていた。そのくらいに、初期の頃は野郎どもだらけのライブだった。
やがて自然と女性も増えていくことになるのだが、わたしにはその頃のライブが今も心に残っている。

まだGUTERYTHMⅡの話だ。
これはもう、果てがない話だ。

では最後に、とびっきりの話をしよう。

それは布袋寅泰最後の日本公演、武道館でのこと。
布袋さんは新しい挑戦のため活動の場所を日本からイギリスに変える予定で、日本ではその日が最後の公演だった。

曲はやはり Fly into your dream.だった。
布袋さんはMCで、初めてこう打ち明けたのだ。

「僕は今までずっと自分のためにギターを演奏してきた。でも今夜だけはオマエたちのために弾くよ」

わたしは正直驚いた。今まで散々観てきたあのライブのあの演奏が、全て我々ファンではなく自分のためだったということに。でも、きっとギタリストとはそうであらねばならないんだろうな。と思い、一夜限りの特別なFly into your dreamに聴き惚れた。

布袋寅泰はわたしの兄貴にして最高のギタリスト。
そして、もちろん永遠のロックンローラーである。
わたしがフェルナンデスのギターを迷わず選んで買ったのも、布袋さんがフェルナンデスの人だから。

布袋の兄貴、わたしもずいぶんと歳をとりました。
相変わらず、二度とない人生を求め続けて悪戦苦闘しています。全く、ロックンロールな人生ですね!

仁義なき戦いのテーマのギターが最高に好きです。
あれを聴くと目が座るんですがそこが最高ですね。
布袋さんに出逢えて本当に幸せだと思っています。
ありがとうございます!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?