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喀痰吸引

【はじめに】


このブログでは、症状に対するアセスメントの具体例を提供します。
私自身、看護学生や新人看護師だった時に、看護過程の記録をどのように行うべきかを理解するのに苦労した経験があります。そのような状況で、私が大いに助けられたのが、先生や先輩のアセスメント例を見て学ぶことでした。例を見ることで、「これが正しい書き方だったのか!」と気づき、アセスメントの書き方がすぐに頭の中で整理されました。
具体例を見て学ぶことは、理解を深め、知識を広げるのに非常に役立ちます。さらに、日本語の表現方法やフレーズについても学べるため、文章力向上にもつながると思います。
ぜひこのブログを参考にして、ご自身のアセスメント力の幅を広げる糧にして頂ければ幸いです。
当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです。ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用するようにしてください。
症状別アセスメントは、様々なケースで応用できると思います。看護計画もついているので、参考にしてくださいね!!
当ブログの内容を無断で複製・転用することは、許可していません。
著作権侵害に当たるので、他の方に見せたり、コピーして配布することは禁じます。
注意点を守って活用していただければ幸いです。
内容は適宜、最新の内容に更新します。
看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なりますので、確認する方によっては、一部不十分な部分がある場合があるかもしれません。

【サービス紹介】
事例の見本を作ってほしい!
アセスメントの書き方がどうしても分からない!
といったお悩みの方は、こちらのサービスを利用もございますので、
興味がある方は、気軽にご相談ください。
※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。


【今回の情報】


患者氏名:Y氏
性別:男性
年齢:68歳
Y氏は現在、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪により入院中である。頻繁な喀痰の産生が見られ、日常的な喀痰の吸引が必要とされている。
<バイタルサイン>
体温:37.8℃
心拍数:98回/分
血圧:140/85 mmHg
呼吸数:24回/分
酸素飽和度(SpO2):90% (酸素5L/min経鼻)

<採血検査データ>
白血球数:9000 /μL
C反応性蛋白:8.3 mg/dL
血糖値:155 mg/dL
血液ガス分析:pH 7.38、pCO2 50 mmHg、pO2 58 mmHg、HCO3- 27 mEq/L

<患者の言動>
Y氏「息苦しさがあり、日常生活が困難だ。」
家族「朝方になると喀痰が特に多くなる。」「最近、食事の量が減っているようだ。」


【アセスメント】

【S】
Y氏「息苦しさがあり、日常生活が困難だ。」
家族「朝方になると喀痰が特に多くなる。」「最近、食事の量が減っているようだ。」

【O】
患者氏名:Y氏
性別:男性
年齢:68歳
現在の状況:慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪による入院。頻繁な喀痰の産生あり。
<バイタルサイン>
体温:37.8℃
心拍数:98回/分
血圧:140/85 mmHg
呼吸数:24回/分
酸素飽和度(SpO2):90% (酸素5L/min経鼻)
<採血検査データ>
白血球数:9000 /μL
C反応性蛋白:8.3 mg/dL
血糖値:155 mg/dL
血液ガス分析:pH 7.38、pCO2 50 mmHg、pO2 58 mmHg、HCO3- 27 mEq/L

【A】
 Y氏は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪状態であり、これは長期の喫煙などによる肺の慢性的な炎症と空気流の障害を特徴とする疾患である。この病態は肺胞の壁の破壊(肺気腫)や気道壁の肥厚(慢性気管支炎)を引き起こし、それにより肺の弾性が失われ、閉塞性症状をもたらす。その結果、呼吸困難や喀痰の産生が常習的に発生し、生活の質(QOL)が著しく低下する。疾患の進行と共に呼吸機能は徐々に低下し、最終的には低酸素血症や二酸化炭素の体内蓄積(高炭酸血症)を引き起こす。これらの状態は体内の酸素供給が十分でなくなり、心臓や脳などの重要な器官へのダメージを引き起こす可能性がある。
 Y氏の場合、増悪状態であるため喀痰の産生が増加し、それに伴い呼吸が困難となっている。また、酸素飽和度の低下や血液ガス分析の結果から、体内の酸素供給が十分でなくなっていることが伺える。これらの症状はCOPDの増悪の典型的な症状であり、適切な治療とケアが必要である。

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