魔女のほうきのある家
しめ縄を作っていたら、
娘が「これもらってもいい?」と
床に残っていた藁をかき集めだし
家にあった棒に巻きつけて
魔女のほうきをつくり始めた。
冬休みに角野栄子魔法の文学館へ行くので
毎晩、一緒に魔女の宅急便を読んでいた影響だ。
「好きに遊んでて」くらいに思っていたら
完成したほうきの出来を見てびっくり。
ほんとに魔女のほうきみたい。
言ってくれたら、もっと取っておいたのに。
でも、これくらいがキキが作るほうきには
ちょうどいいのかも。
油絵を描く時のイーゼルだった木の棒は
測ったかのように彼女の身長にぴったり。
なにもかも魔法みたい。
「飛んでみてもいい?」とほうきにまたがって
何度もジャンプする姿を見て
自転車の乗り始めみたいに、今はこれだけど
いつか本当に飛べるんじゃないかと思うほど。
それからうちの玄関には
魔女のほうきがずっと立っている。
私は出かけるたびにそれを見ながら
幸せな気持ちになる。
私、魔女のお母さんになったみたい。
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