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子どもを主役にするということ

先月からグリーンジャーニーの畑部に参加してくれているカナダ人のアンから「マイカ、畑すごく良かったよ!それでね、ちょっと提案があるんだけど」とお誘いを受けて早速話を聞きに行ってきた。アンはインターナショナルスクールで幼稚園と小学校の先生をしている。その提案は「少し工夫するだけであの畑部はもっと子どもたちを主体にしたプログラムに生まれ変わるよ」というものだった。

例えばその日の作業の中で「ここは子どもの役割」と責任のあるパートを子どもたちにも渡してあげることで、子どもたちに使命感が生まれる。

そして今YouTubeを大人が全部撮っているのも、子どもにビデオを渡して見つけたことをレポートしてもらうのもいい。などなど、なるほどと思うことのオンパレード。

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「ジョーさんの話をみんなで聞く時間をとった方が良いかな?発表する機会とかも作った方がいい?」と聞く私に対し、アンは「マイカ、それはすごく日本人的なやり方ね!」と笑った。アンからの提案はこうだった。「フォーマルな場所だと子どもは萎縮しちゃって話せない。もっとカジュアルな場所で聞き出してあげたり、みんなの前でというのではなく、一人ひとりがその場で言った一言を逃さず、記録したりそれに対して深めていける声かけをさっとしてあげるのがいいんじゃないかな。きっと同じものを見たとしても今年と来年は反応が違う。そんな変化を比べてみるのもいい」

そのためには全員が畑作業にフォーカスしちゃうんじゃなくて、子どもにフォーカスする人も一人置いておいた方が良いかなということで、その担当はプロであるアンにお願いすることにした。

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実はこの話をした時、私たちは川へ遊びに行っていた。「魚がたくさんいるよ」と私が連れて行ったのに川の魚は全部死んでしまっていて、なんなら鳥の死骸まで浮かんでいて申し訳なく思っていたらアンは言った。「マイカ、自然体験は必ずしもファンシーでなくていい。魚が死ぬのも、鳥が死ぬのも自然の一部よ。魚はなんで死んだんだろう?水が干上がったのかな。水温が暑すぎたのかな。そんなことを考えることができる今日は絶好の機会よ。」

「畑だってそう。絶対に成功しなくてもいい。穫れなかったらなぜ穫れなかったのかみんなで考えればいい」忘れていた。自然から学ぼうと思っていたのに。私はいつの間にか、勝手にイベントのシナリオを頭の中で作って、自然をそれに合わせようとしていたのかもしれない。

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これまで自然農のやり方を中心に撮ってきた動画はこれから子どもたちの発言や今年の畑の様子、虫や野菜の様子、それに暑さなどの気候を中心に記録していくことにした。そしてそれをここから10年撮り続けたいと思っている。5年後はもっと暑いかもしれない。虫の大きさも違うかもしれない。採れる野菜も違うかもしれない。子どもたちが考えることも変わっていくかもしれない。そんな変化を残していけるように。

そう思うと、先月の暑すぎた畑作業が報われた気がした。2020年の夏はどれくらい暑い中で作業をしたのか。私たちの体がちゃんと覚えている。

来月からさらに魅力的に生まれ変わるグリーンジャーニー 畑部。メンバーそれぞれの得意分野がグリジャをどんどん磨き上げている。


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