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中国ドラマを楽しむための小ネタ (5)

Derailment - 脱線 編

今日は知ってて見ればもっと楽しい!雑学のお時間です
もう、いい加減読むのもつらい文字数ですよね。でもきっと私のように何でも気になっちゃう人も世間に何人か入るはず!多分!


医療用語編

アレルギー

身体に異物(または異物と認識したもの)を見つけたときに、免疫機能はそれに対抗するべきかスルーするか判断しますが、その反応が過剰だったり、不利益な反応だった場合、アレルギーとして問題視されます。
主にⅠ~Ⅳに分類されます。

Ⅰ型(体外物質)
一般的にアレルギーとしてほとんどの方が理解しているものです。
異物(アレルゲン) が体に取り込まれたときに、体内で増殖することを防ぐためにIgE抗体を生成します。それぞれのアレルゲンに対し、固有のIgE抗体が作られます。出来上がったIgE抗体は全身の血管や皮膚、肺や消化管、肝臓に散らばるマスト細胞に付着し、アレルゲンが入って来たら、アレルギー反応を起こして駆除するために準備を整えます。
再びIgE抗体と一致するアレルゲンが入ってきて結合すると、マスト細胞からヒスタミン,セロトニンなどのたんぱく質を溶解する物質が放出されます。
本来、病原菌など、身体に悪影響を与える異物が入ってきたときに、一度目は感染を許しても、次に同じ病原体が入って来たときには、それに対抗する機序である免疫があるため、増殖できず発症しないという正規のメカニズムですが、その反応が強く極端だったり (アナフィラキシー) 、本来無害なものが治療を要するものとなります。

Ⅱ型(体内物質)
通常であれば免疫系は自分自身の細胞に対しては働かず、異物に反応するはずですが、本来アレルゲンに対して作られたはずの抗体が赤血球や白血球、血小板など自分自身の細胞を破壊してしまう場合があります。
これにはIgGやIgM抗体が関わると言われています。
Ⅴ型(体内物質)
Ⅱ型とほぼ似ていますが、ホルモン受容体などに結びつきます。

Ⅲ型(体内物質)
Ⅱ型は主に血液を破壊するものですが、こちらは組織を破壊するもので、免疫複合体が炎症、紅斑、浮腫などを起こすのが特徴です。糸球体腎炎、過敏性肺炎、リウマチ、全身性エリテマトーデスなど慢性の病気につながる場合があります。

Ⅳ型(体外物質)
細胞性免疫、ツベルクリン型とも呼ばれる皮膚反応です。紅斑や硬結を特徴とする炎症反を示します。はしかの発疹や金属アレルギーなどがこれに含まれます。抗体としては感作T 細胞が関わります。

ドラマの中では霍柏宇 (フォ・ブォユウ) がアルコールにアレルギーがあると説明されたり、サロンに来た客がピーナツアレルギーで、誤ってピーナツバターを使ったケーキを知らずに食べていたらアナフラキシーショックを起こしたかもしれないと騒ぎになりました。
因みにアルコールアレルギーと称する場合、アルデヒド脱水素酵素が少なかったり活性が起きにくい体質の人と、本当にアレルギー反応により発疹や呼吸困難を起こす人がいるので、後者の場合は命にもかかわるため、無理に飲ませることは犯罪に当たります。

EP1/EP7

低血糖

血液内にある糖(血糖値)が正常範囲以下にまで下がった状態のことをいいます。
血糖値が非常に低いと特定の器官系の機能が妨げられますが、特に脳はブドウ糖を主なエネルギー源とするため、影響を受けやすいです。
低血糖に対し身体は副腎からアドレナリンが放出しますが、その際に空腹、冷や汗、動悸、発汗、ふるえ、疲労、脱力感、など不安発作に似た症状があらわれます。重篤な場合には脳への糖の供給が不足して、めまい、錯乱や昏睡なども起こします。長時間にわたる重度の低血糖は脳に恒久的な障害を与える場合があります。

江暁媛 (ジャン・シャオユェン) は後頭部に埋め込んだチップの影響か、脳の記憶削除の後遺症かわかりませんが、度々低血糖に悩まされます。
便宜上一緒に暮らすようになったときに、祁連 (チー・リェン) が毎朝お皿一杯のオレオと思われるクッキーを暁媛の前に差し出していたのは、朝の空腹時の低血糖を心配しての配慮だったかもしれませんね

EP2他

ICU

集中治療室のことです。呼吸器や循環器などの疾患により、機能不全に陥った重篤な患者を治療するための病院内の特殊病棟で、24時間体制で集中治療が必要な救急度の高い患者が入室します。手術後などの経過観察や、有事の緊急対応が必要そうな患者もここに入ります。また、免疫力が低下して感染しやすい患者の隔離にも使われます。

2018年の世界に暁媛がたどり着いてすぐの頃、父親がICUに入っているという詐欺電話を受けます。10万元すぐに振り込めと言うのを聞いて、実際に父であればそんな端金を要求するはずもなく、詐欺だと気づき腹を立てます。
また、北辰電子の鍾 (ジョン) 主任は、GPSロケーターの販売先を調べようと資料室に行き、頭を殴られてICUに入りました。意識をなかなか取り戻さなかったということは、死んでもおかしくないくらい強打されたんですね。怖い。

EP2/11

丹田

古来より生命の源が宿ると言われ、武道などで重要視されてきた経絡の中心地の経穴(ツボ)です。お臍の指3本から4本下の位置にあります。
普通の腹式呼吸ではお腹全体を膨らますことを意識しますが、丹田を意識した呼吸の場合、より一層胸郭が開き酸素をたくさん吸入できると言われます。丹田に力を入れると腹斜筋など普段使いにくい筋肉にも力が入るため筋力トレーニングにもつながりますし、集中力が増してストレス解消効果もあるらしいです。

陳方舟 (チェン・ファンジョウ) はシャンプーの際に、お客様に声をかけるときは、丹田に力を入れて腹式呼吸して声をよく響かせてお湯の温度は適切か、力の入れ具合はどうか尋ねるように指導しました。京劇調の話方になっていたのは丹田に力を入れたせい??ロバの鳴き声のような変な声で笑うスタッフがいたので笑うなと叱っていましたが、その場にいたら誰だって笑ってしまいますよね

EP4

風池

首の後ろで髪の生え際辺りに位置し、風邪(ふうじゃ)がたまる池、つまり風邪などの万病のもとが集まってくる場所と言われます。頭痛、肩こり、めまい、眼精疲労、難聴、のぼせ、風邪などに効くと言われヘッドマッサージのキモ的なツボです。うなじの筋肉を辿って後頭部へ進むときに切れ目のようなくぼみ部分で押すと少し痛みを感じる場所にあります。

太陽穴

眼精疲労など目の疲労やかすみ目に効くツボです。頭痛にも効くと言われますので、こめかみから太陽穴を優しく揉むと頭がすっきりします。目尻のしわ予防やクマの軽減にも良いそうなので美容にも用いられます。
こめかみの近くで、眉毛の外側と目尻を結んで指2本分外側辺りにあるくぼみの部分です。

百会

百のツボが出会う場所という意味の名を持つこともあり、首から上の色々な症状、不快感を軽減したり、自律神経を整えて不眠やストレス解消に効く万能ツボの一つです。
鼻からまっすぐに上に上がった線と両耳を結んだ線の交わる位置、頭頂部のぼぼ中央で少し凹んだ場所にあります。

暁媛はシャンプーの試験に合格するために、祁連に頭部マッサージを教わりに行きます。いずれもストレスや目の疲れ、肩こり、頭痛など忙しいサラリーマンには効果の高いツボばかりで、マッサージしてもらえたら気持ちよさそうですよね。

EP5

軟部組織

臓器や骨組織を除く筋肉や皮膚及び皮下組織、血管、末梢神経などの総称で、筋肉、 腱、脂肪、血管、リンパ管、関節、神経などを指します。軟部組織の創(開放性損傷)傷(非開放性損傷)は皮膚損傷の有無に基いています。切り傷や擦過創、裂創は開放性となり、打撲や皮下出血は非開放性損傷となります。

倉庫の屋上から飛び降りた暁媛は、幸い打撲などの外傷しかありませんでした。落下した衝撃で筋肉や皮下組織に非開放性の鈍的外傷を受けただけで済みました。

EP17

ドーパミン

神経伝達物質の一つです。脳内で精神現象のコントロールをすることで知られます。雑に言うと攻撃性、衝動性、好奇心、想像性、意欲、情熱など覚醒状態を司ります。足りないと無気力、バランス感覚の乱れ、動作の緩慢など運動の調整が難しくなります。睡眠によって一番多く分泌されるため、睡眠不足になると分泌の調節機能が乱れる場合があります。

蘆 (ルー) 教授は祁連に国内の医療専門家がある種のブレイン・マシン・インタフェースによって電気的にドーパミンを産生しうつ病やその他の精神疾患を治療する技術を開発しているらしいと伝えます。実際に、パーキンソン病やうつ病の治療には薬物でドーパミンを補う治療が行われているので、電気的な生成も理論上は現実に研究されている可能性が高いです。

EP19

侵襲的

生体を傷つけることを意味しています。 手術による切除や、点滴なども含む、皮膚・身体の開口部に器具を挿入するなど、身体に負担を与える行為全般のことです。投薬治療や酸素療法など傷をつけずに行う治療は非侵襲的治療と言われます。MRIなどの検査も同様に非侵襲的検査です。
低侵襲治療とは、小さな穴をあけて医療器具を挿入するもので、内視鏡や腹腔鏡手術などがそれにあたります。

やはり蘆教授の会話の中で出てくる用語ですが、ここでは電極により、脳の一部をわざと損傷させて記憶を置き換えるため、侵襲的と言っているようです。もしくは電極を当てるだけでなく、埋め込んだりしていたのかもしれません。実態は不明です。

EP19

うつ病

脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが減ってしまう病気だと考えられています。 (モノアミン仮説)
これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。統合失調症の幻聴や被害妄想はドーパミンの働きが強くなりすぎることと関係するため、これらのバランスの乱れを整えるために、薬剤で補ったり、代謝を阻害したりして治療する方法が一般に用いられます。
ですが現在でも色々な仮説があり、一概には治療法が確立されているわけではありません。生涯有病率は7%、再発率も1年以内に30%とも言われ早期の予防や適切な治療、精神的な健康のケアが重要です。

明光 (ミンゴン) 実験室や諾亜 (ノア)の究極の目標はこのうつ状態の改善でした。薬物による神経伝達物質の調整ではなく、記憶の置換という方法で治療できないかというスタディでした。

EP19/EP30

蘇生措置

心肺停止した状態の患者に対して、心臓マッサージ、気管挿管、人工呼吸器、昇圧剤の投与などを行って積極的に生命を維持しようとする活動のことです。

祁連を庇って2階から転落した陳天陽 (チェン・ティエンヤン) は、病院に運ばれ、ICUで一晩中蘇生措置を試みましたが、結局還らぬ人となりました。
後ろ手に縛られた状態で転落したので、脳挫傷か頸椎の損傷か?悲劇的な事故でした。

EP22

中枢神経

大脳、間脳、中脳、小脳、橋、延髄、脊髄の7つの器官のことで、全身から集まってくる情報を処理し、指令を発信する仕組みです。特に間脳にある視床下部は交感神経の中枢と副交感神経の中枢がある重要な基幹です。
末梢神経は中枢神経から指令を受け取り伝達したり、指令に従って発熱や発汗などの体温調整や血圧の上昇、内臓の機能をコントロールします。運動神経などの遠心性線維と、末梢の情報を中枢に伝える感覚神経などの求心性線維に分かれます。

暁媛に埋め込まれたチップはそれ自体は情報を記録するメモリの役割しか持っていませんが、中枢神経にまでつながっていたため、安易に取り外したり、落下させてしまうと、絡み合った神経を損傷してしまう恐れがありました。中枢神経は一般的に再生能力が低いと言われているため、不可逆的な悪影響を与える可能性があり、摘出は困難だと見られました。また、神経と絡み合っているため放置していると、中枢神経を圧迫して悪影響を与える可能性もありました。

EP26

PTSD

Post Traumatic Stress Disorder(過去のトラウマを生じるようなストレスが引き起こす障害)は、衝撃的な出来事によって負った心的外傷が、慢性化した状態を指します。
通常心的外傷は時間が経つにつれて自然回復するはずが、衝撃の大きさ、受けた人の感受性など様々な要因で、数か月経っても続き、うつ状態やパニック障害、不安、不眠、集中力の低下、情緒不安定、過敏、対人関係の悪化など、日常生活に支障が出てしまう状況を指します。

蒋博 (ジャン・ボ) は養父による度重なる家庭内暴力の影響で、重度のPTSDがあったことから、警察は彼が養父を刺したことは錯乱と正当防衛を認め、禁固刑ではなく、精神科での治療が選択されました。実際は…でしたね。人生滅茶苦茶にされて可哀そうです。

EP26

CT

コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)のことです。 人体に多数の方向からX線を照射し、体から通り抜けてきたX線を検出器で読み取り、 得られたデータをコンピュータで計算して輪切り画像にします。リアルタイムに画像を描画できるため、造影剤を注入して流れる様子を観察することが出来たり、短時間で体の中の様子を立体的に把握できます。MRIのデメリットである騒音がなく、ボルトやペースメーカーが埋め込まれた人にも対応可能です。

霍柏宇の後頭部にチップが埋められていたことを知った警察は、祁連に暁媛もCT撮影で有無を確認した方がいいと助言します。案の定、暁媛の後頭部にもチップが埋め込まれていました。

EP26

脱線 の視聴方法

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中国のドラマって見たことないなーという方も、是非お試しください。多分ジャンルが多くて選び放題です!(ぇ

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楽しいご視聴を!

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