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家を買う(ヨリミチ1) 「日当たり良好」は正義か

※本編に書ききれなかったことをここからはヨリミチとして小出ししていきます。

 リノベーションしたオープンルームをいろいろ見学していて、あるとき日当たりがすっごい悪い物件を見たことがあった。

 中はもちろんリノベーションされているからお洒落で、間接照明が効いて大人っぽいムードのある部屋だったんだけど、窓が大きくないせいか、もともとの日当たりが悪かった。しかもその窓から入る日光を遮るような位置に平行に仕切り壁を作っているので、隣のベッドルームは灯りを点けなければ真っ暗だ。

 案内してくれた古路さんの前ではさすがに言えなかったけど「ここまで暗い部屋によく住めるなー」と思ってしまった。

 リノベーションを施す物件を選ぶ際、大事なのは自分の予算に合った物件を選ぶこと。あれもこれもと条件をつり上げて背伸びしたものを選んでしまえば、リノベーションの方に使うお金を削るか、高額なローンの返済に長く苦しむことになるかのどっちか。

 だけど、これはリノベーションに限ったことじゃなくて、普通に住む場所を決めるときはどの場合も言えること。購入であろうと賃貸であろうとお金には限りがあるのだし。

 日当たり良好・築浅・駅チカ・バルコニー・風呂トイレ別・高層階・スーパー近し。そんな条件をすべて満たす物件は、買うにしろ借りるにしろ当然高価い。どっかで妥協しなきゃいけない。

 わたしは中古マンションを購入する際、築浅・高層階・駅チカを捨てた。正確に言うと、高層階はもともと嫌だった(災害があったときすぐ逃げられない)し、駅に近いことは歩くのが苦にならないので重視していなかった。築浅に関しては中古なのでそもそも妥協しなきゃいけない点なんだけど、古いと言ってもいろいろランクがあり、築20年くらいまでなら給付金や減税の恩恵を受けやすいし、新耐震基準を満たすため安心なんだけど、そういった物件はなかなかない。あっても自分の予算に合わないくらい高価い。結局旧耐震基準の物件を購入することになった。

 日当たりは、良いにこしたことはないけど、でもさ、よくよく考えてみると日中家にいないんだよなあ。さすがにあのオープンルームみたいな暗い部屋はゴメンだけど、日当たりが良好でもあまり意味がないのかも。休みの日も結局出かけてることが多いし。家にいるメインの時間帯って朝と夜だわ。

 結果、東向きの部屋を買って、実際に今住んでいる。朝日は入るけど、午後は薄暗くなるのが極端に早い。でも別にストレスにはなっていない。これまでの賃貸生活でだって日当たりのいい部屋にばかり住んでいたわけじゃないってことは、わたしはたぶん日当たり良好じゃなくとも気にならない質なのだろう。

 引っ越したのは夏だったこともあって、日当たりが良いと部屋がものすごく暑くなるという可能性を考えると、決して日当たり良好は正義じゃないなと思えた。まあ、逆に冬は日当たりが悪ければそれだけ寒くなるのだろうけど、こっちは建物の造りがしっかりしていれば軽減できる。

 一般的に言われる「いい条件」の物件って、自分にはどうかってことを今回は考えさせられた。家を買うってなったら、外野が好きにあーだこーだ「こういうのを選べ」とか「こんなんダメ」とか言ってくるんだけど、そういうのはテキトーに聞き流して、あくまで予算に見合う範囲で、自分自身が妥協できる事・できない事をとことん考えたほうがいい。買うのは自分だし、他人の意見に振り回されすぎるのは良くない。

 だからわたしは、マンションを購入して実際住み始めるまで、家族以外の誰にもこのことを明かさなかった。と言うか、話す人もいなかったんだけどね。トモダチ極端に少ないしさ。むしろトモダチ少ないからこそ、高収入でもないのに家を買えたんだって今は思う。この点は掘り下げると長くなりそうなので、またいずれ。

 本編はようやっと購入するマンションが決まったところ。次回からは怒濤の手続き地獄。できる限り丁寧に書きます。

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