新春初イライラ

 スープをよそい、焼けたソーセージを皿にのせて、ビン詰めのザワークラウトに手をのばす。これを付け合わせにしてソーセージを食べるのだ。

 ビンはすぐには開かないだろうけど、まあ頑張ればなんとかなるでしょ。

 まず、普通に手で開けてみる。開かない。まあこれは想定内。ならばとゴム手をひっぱってきて再度挑戦。意外と滑ってうまく行かない。困ったな。

 もう一度素手で力一杯捻ってみる。開かない。その横で、どんどんスープが冷めていく。

 Google先生に聞いてみる。いくつかの方法がわかって一個ずつやっていく。

①ビンを逆さまにして、本体の方を回す。
少し回った気がしたが、それ以降ビクともしない。

②蓋のふちをたたく
なんのこっちゃ。開かない。

③蓋をあたためる
効果なし。ソーセージは完全に冷めたと思う。

④蓋に穴を開ける
本当は、ビンは無傷で再利用したかったけど仕方ない。こうすると内部に空気が入るので間違いなく開くだろうと思いきや、ウンともスンとも言わない。

⑤ビンの蓋を缶切りで開ける(思い付き)
無理。缶切りがかまないのでどうやっても切れない。

 もうダメだ。これだけやって開かないなんて、もう見込みがない。あとはビンを割るしか…いや、このビンは簡単に割れるほどやわじゃないし、中身も無事では済まないよな…。

 他にも方法は載ってるけど、いまいち開くとは思えないし、終いには専用のオープナーを買ってこいだの、腕力のある男子に開けてもらえだの、まったく役に立たないアドバイスばっかりなのだ。わたしは独りで、わざわざ買い物に行く気もなく、だけど、今すぐにこのビンを開けたいというのに。

 なんだこの絶望感。もう死にたい。

 無惨に穴の開いたビンの蓋は、もはや蓋としての機能を果たしていない。だのに中身は取り出せないのだ。こんな気持ちで、冷めたスープとソーセージを食すのか。さっきまで、ほんの20分前まではウキウキした気分だったのに。

 もうこれまでか…どうやって処分すればいいんだろコレ。と思いながらダメ元でもうひとつやってみる。

⑥蓋と本体の間にキッチンばさみなりドライバーなり少々ストロング目の金属を突っ込んで、力任せに蓋を変型させ、本体との間に隙間を作る
どうせダメでしょって思ってたのにあっさり開いた。

 なんだったんだこの時間。

 新年からしょーもないことでイライラしてしまった。というわけで、開かないビンに対しては、⑥が一番有効です。今晩はこのへんで。

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