3.北海道に住むということ

 冬がやってきた。

 実は、北海道の多くの企業では「燃料手当」というものが給料とは別に支給される。ご存じの通り、北海道の冬は寒い。冷え込む日にはストーブをガンガン焚かないととても耐えられない。なので、冬は暖房費がかさむのだ。ストーブをまったく点けない夏場と、毎日焚く(えっ?「ストーブ焚く」って方言なのか?燃やす、で通じる?)冬場とじゃ、出て行くお金が全然違う。例えば、ストーブの燃料がプロパンガスだったとしたら、冬のガス料金は、夏よりも、ひどい場合は月額数万高い。その負担を軽減するために「燃料手当」は存在する。支給される会社に入れればラッキー。なにしろ北海道の冬はおよそ半年も続く。

 ただね、その「燃料手当」が、ほんとうに燃料のために使われているかと言ったら微妙。名の通り、燃料代をまかなうための手当なのだから、大事に使って冬を乗り切りましょうと無駄な暖房はしないようにして、半年で使い切るか余すかくらいの意識なら「正しい」と思えるんだけど、おそらく、この手当は燃料代と思って使ってる人はいないんじゃないかと。燃料節約するために何枚も厚着して過ごすような「耐え忍ぶイメージ」は全くない。道産子でなくとも、こんな噂を聞いたことはないだろうか。

 「道産子は冬になると、汗ばむほどにストーブをガンガン焚いて、薄着になってアイス食べるという風習がある」

 あれはホントで、わたしも昔実家にいた頃はよくやっていた。美味しいんだ。あっついところで食べるアイス。こういうときの道産子は「エコ」とか「倹約」とかいう言葉はまったくあてはまらない。よく「おおらか」と言われる道産子だけれども、もしかしたら、経済感覚も「おおらか」いや「おおざっぱ」なのかもしれないな。春から秋は倹約するけど、冬はどうしたってお金かかるんだし、そんなギチギチにしなくてもいいべさって。いや良くないんだけれども。なんかスミマセン。

 だから、燃料手当ももしかしたら旅行代とか家電購入費とかに消えている可能性は否めないわけで、燃料に使うものという意識は薄いように思う。

 そんな北海道だが、移住先として人気があるようだ。都会過ぎず田舎過ぎず、景色が良くて食べ物が美味しいというところがウケているのかな。ウィンタースポーツ好きな人なら冬も楽しいだろうしね。

 実際暮らしていて思うのは、賃金安い・冬寒い・食い物はうまい、という3点。賃金については、まあ家賃が安いから決して暮らしにくいということはないけれど、例えば東京でガンガン稼いでた人がここで働き始めたら愕然としてしまうかも。金だけのために働いてるわけじゃない人で、寒さに強く、食べることが大好きならぜひオススメしたい。それで・・・。

燃料手当が出たら、ごはん行きましょうよ。パーッと。

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