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おまじない

青いボトルに純粋な湧き水をたっぷり入れて、陽のあたるところへ置いておいたその水を、水晶でできたスプレー容器に入れて、キラキラ虹を作りながら、このあたたかい、寂しい、貯金箱へかけてやる。

それでも足りないから、4つの言葉を言いながら、真っ白な石でできた棚の上に置いてやる。

銀杏の木を探して(あの耶馬渓の大きな大きな)その下に置いてやる。

その木の緑の葉を集めて、埋めてやる。

銀杏だけでは寂しいかと、たくさんの色々な種類の、緑色の葉を集めて、かけてやる。

きれいな木の、茶道具を納めるような木の箱をこしらえて、入れてやる。

どんなにかして、救ってやる。

きざんで、煮込んで、腹のなかに、おさめてやる。

小さく削り、金の指輪に埋め込んで、絹の袋へ入れてやる。

月の夜に持ち出して、草の上に置いてやる。

その隣に座ってやる。

ごめんね貯金箱。許してね貯金箱。愛しているよ貯金箱。ありがとう貯金箱。

できることなら巻き戻して、深い暗いところから、拾い上げたい。私が離した手を、つなぎたい。白い布でくるんで、抱いていたい。ずっと、撫でていたい。大きな音から、永遠に守ってやりたい。

小さく焼いて、銀のフレームへ入れて、隣に並べてあげる。

ポケットへ入れて一緒に逃げてあげる。安心して座っていてよ。

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