ネットがない時代が良かった

さんざっぱらネットを使ってきて言うのも何だけど。ネットのない社会が良かった。

どうやってネットから離れようかと今ぼんやり考えている。
でも外に出るとお金がかかる。
結果手っ取り早く何となく時間を潰せるネットを見てしまう。

先日うっかりゲームをダウンロードしてしまった。単純なモノなのだがついついそれに時間を費やしてしまう。
自己嫌悪から一週間でアンインストールしたわけだがすぐにこんなのどうですか？とお知らせが来る。
折角我慢が出来ている依存症の人にこれはどう？と誘惑が手元に来る感じだ。

スマホは情報がたくさんあるようで自分の興味のあるものしか見ない。
しかも薄っぺらいものか素人の作文レベルのものが多くて実は何にも知識は増えていない。
垂れ流される情報をただただ見てしまっていることが多い。

昔なら情報は新聞や雑誌、そして本やテレビ。
そこにはそれなりの知識のある人が知らないことや知っておいたほうが良いことを教えてくれた。ある程度厳選されていた。
今だってネットの中には情報はあるのだろう。
でもyahooニュースをチラ見するくらいではそんな素敵な情報は入ってこない。
他の人は何を見て情報を得ているのだろう？

雑誌ならば手が届かないようなお値段の素敵なアクセサリーとか服とかをびっくりするような美しいモデルさんが着こなす。
そんなのを眺めるだけで目の保養だったが。
ネットだとそのへんにいる方がいつでも着られる服を着たスナップ写真のようなものがズラズラ出てくる。

今度どこそこ美術館で何とかを開催します。見所はコレですよ。そんな情報はどうやって知るんだろう？以前は雑誌や新聞から得ていた訳だが美容院に行っても雑誌がない（コロナの辺りから）本屋がそもそもないから雑誌を立ち読みなんてことも出来ない。

ちょっと美味しいお店に行ってみたいと思っても情報があり過ぎてわからない。
結果口コミを長いこと見て挙げ句口コミなんて当てにならないことを知る。

そうか、そういう情報は友達だったかもしれない。この間ここに行ったよ、あれを見てきたよ。そんな風に友達と会うこともなくなった。
だってみんながネット社会になり会う必要性を感じなくなっているから。
友達と話したり美味しいものを食べたりそんな時間よりは帰ってネットでも見ながら家にあるものをつまむ方が安上がりだし友達に気を使わないで済む。
そう思ってしまう自分がいる。

年賀状もお歳暮やお中元の習慣も無くなりつつあり…そうすると関係は希薄になっていく。
ラインはまるでそこに人が集まっているような錯覚を与えるけれどただの連絡網。
深い話をしてはいけない。

先日ある申請の為に市役所に電話をしてみた。
人に繋がること自体最近は稀だが（自動音声ガイダンスだ）たまたま繋がった。
申請だって、みんながみんなネットを見ているのだろうか？
自分で役所の文章を全て見て自分で手続きをする？
全員が内容も理解し書き方もわかり電子申請出来る人ばかりなのだろうか？
私がわからなくて…自分がその対象なのかすらわからず戸惑ってしまうので。
浦島太郎のような感覚になってしまう。
これ、私だけなんだろうか？
みんな何でもネットで出来ているんだろうか？

昔、外に出ると知り合いばかりだった。
顔を見れば挨拶をする。
話し込むことだってあった。
今は、名前すら知らない。
外に出たって誰も知らないのだ。

こんな世の中嫌だ。
楽しくない！
そう打ち明ける相手もネットなのだ。