1.17

忘れない日。
わたしは今日も生きている。

震災の日の夜、あの時一緒に公園にいってくれた、あのひとは元気でやっているだろうか。
同じワンルームマンションの住人。
真っ暗な部屋で、ひとりで余震に耐え切れず、部屋を出て途方に暮れてたときに、ひとがいた。
思わず声をかけた。
「一緒に避難所を探してくれませんか」

どこに避難所があるかも知らない県外者のふたり。
とにかく人がいる場所に行きたかった。
見つけたのは近くの小さな公園。
知らないひとたちとみんなで火を囲んだ。
知らないひとの無事がうれしかったし、聞こえてくる知らないひとの訃報が悲しかった。
そこでおにぎりをひとついただいた。
ありがたかった。
でも本当に寒くてずっと凍えてた。
私はそれでも人がいる方がよかったけれど、その人を無理に連れ出したのが気になって、いったんそれぞれの真っ暗な部屋に戻った。

そして明け方、
「ガス爆発の恐れあり2号線より上に避難してください」のアナウンス。

またその人と逃げた。
どこへいけばいいのか。
とりあえず山手へ。
そして今度は広いグランドにたどり着く。
ひとり暮らしの私たちは、無事を喜び合う家族も近所の友達もいない。
そこにも居場所はなく
することもない
太陽の明るさで安堵感もあり、部屋の片づけをしなきゃなと思う。

そして、「ありがとう」と別れた。

その人とはそれきっきり。
毎年思い出す。
26年たった今でも。

元気でやってますか?

私は元気です。

#阪神淡路大震災

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