見出し画像

娘を失った日

9月2日。娘を失った日。
贅沢できなくてもいいから当たり前の幸せをあげたかった。
まだ出会って2ヶ月。
最近笑うようになったのに。ミルクも少しずつ多く飲めるようになってどんどん大きくなって、これからどんな風に話すのかな。どんなわがままを言い出すんだろう。ママと喧嘩したりする日が来るのかな。いろんなことを想像しながら不安もあったけど、楽しみで仕方なかった。
娘をまるで自分たちのペットのように扱う義両親。
「これやってあげる」と頼んでもないのに介入してくる義母。
断ると怒り出し「早く連れ戻せ」「うちに来させないなら里帰りをさせなければいい、不平等だ」とヤクザのような台詞を平気で放ち平和な日々を壊してくる義父。
それを肯定し、私に彼らの気持ちを代弁してくる夫。

耐えられなかった。
何度も何度も訴えた。
「私は3人で幸せになりたい。何にも怯えず自由にやりたい」
夫は口では味方してくれたけど、結局最後まで両親の味方だった。

彼らは私には攻撃をするけど、彼女にはしないだろう。経済力も申し分ないから私が育てるより遥かにいろんな選択肢をあげられるだろう。そう思い、もう二度と会わない覚悟で娘を手放した。
どうしても、彼らの苦しみに耐えている姿を娘に見せたくなかった。それが当たり前になってしまったら、この先彼女が同じように扱われても疑問を持たなくなってしまうから。
「心から愛され、愛する子になりますように」とそんな願いを込めて名前をつけた。
そのお手本を見せてあげられない。一人でも育てられない。
私は、何もできない。
もう、母も名乗れない。

今頃彼らは母親がいない辛い未来を迎えるあの子を目の前に、悲しむどころか可愛い可愛いと喜んでいるでしょう。
孫に会いたい気持ちは理解できるけど、その子の母を奪ってまでしたいと思う気持ちは絶対に理解できない。理解したくもない。
絶対に許さない。
私みたいな思いをする人が一人でもいなくなるように、絶対に弁護士になる。
何年かかっても絶対に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?