日常に問いを立てる〜ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦〜

今年のテーマは問いを立てる。
日常の一コマに問いを立てて、自由気ままに語ってみる。

今回の(次回があるかは知らないけど)一コマは『ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦』
映画館で観ていたら、開始10分で泣いてしまった…。
ということで問い「ハイキューの何が好きなのか?」

小学生からずっとジャンプを読んでるけど、スポーツ漫画は飛ばしていた。そんな中たまたま読み始じめ、初めてハマったスポーツ漫画がハイキュー。
当時、私が心を惹かれていたのは、烏野だけだけでなく、敵チームも丁寧に描かれること。敗者の描写があること。純粋無垢な日向をはじめ、一人ひとりが個性豊かに描かれること。

今回久しぶりにハイキューを観て、ハイキューの何が好きなのかを改めて考えてみた。

ハイキューを観て高揚した気持ちで出てきたキーワードは3つ。
感情・関係性・夢中。

1つ目は「感情」の変遷の描写。

無関心、好奇心、不安、高揚、恐れ、熱中、悔しさ。ストーリーが進むごとに変わる感情をまざまざと感じられる。

個性があり、感情がある。忘れていた感情を思い出させてくれる。

そして、この感情の変遷が常に他者との「関係性」の中で巻き起こっていくことが2つ目の好きなポイント。

黒尾におだてられて嬉しくなりバレーを始め、信頼されてバレーを続ける研磨。
研磨の手のひらで踊らされ、影山に見てもらえず、閉塞感を感じる日向。
予想を超え続ける日向に苦戦を強いられ、思わず「たのしい…」が溢れる研磨。
目立つキャラだけあげてしまったけれど、他のキャラも含めて、他者の関わりを受けて感情が動く描写が随所に描かれている。

人が他者との関係性の中で生きている、ということを強く感じられる。

そして、最後に、結果ではなくプロセスにおける「夢中」に重きが置かれていること。
ハイキューにおいて勝ち負けの結果はさほど重要ではない。
「負けるからやらないなんて事は無い」「勝てるからやるわけじゃない」
この言葉がよく物語っていると思う。

じゃあ、何が重要なのだろう。
私は他者と交差し、感情を動かし、目の前の瞬間に夢中になることこそがハイキューにおいて大事にされているように思う。

くるしい、しんどい。もっとやりたい。

最後、試合が終わったことに気づかない日向。
汗で滑った失点により負けたけれど、悔しがる素振りを見せない研磨。
極論、勝ち負けなんてどうでもいい。今しかないこの瞬間を、一秒一秒を、どれだけ夢中に過ごせるか。夢中に過ごせたかが、意味があり価値があるものなのだと考えさせられる。

魔法とか超能力とか現実ではおそらく起こらないことを題材にしたストーリーにワクワクしてきた私。私の日常は平凡だなぁ、何か特別なことが起きないかなぁと心のどこかでずっと思っていた。

でも、今は思う。日常の瞬間は、自分にとって特別なものに変えられる。
魔法の指輪や杖があるかどうかが「特別」であるための必要条件ではない。
他者と関わり、感情を動かし、その瞬間に夢中になる。
日常はもっと特別にできるんだ。

日常の中でついつい忘れがちな、感情・関係性・夢中の描写が本当に素晴らしい作品だ。

しっかりエナジーチャージされたところで、私も日々をもっと夢中になって過ごしていこうと思います。

以上、「ハイキューの何が好きなのか?」でした。


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