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京都合宿7日目・2022年7月17日(日)

 おはようございます。びっくりです。

 今日は予定が詰め詰めなので、昨日2時頃に寝たにもかかわらず6時半起床です。親の生活習慣を受け継ぎつつあるの、よくない(睡眠時間はちゃんと取りましょう)。

1.予定

 今日は8時24分京都駅発の新幹線・のぞみに乗って、東京まで戻ります。
 東中野にある梅若能楽学院会館で「梅若会定式能」を見た後、家族とアフタヌーンティーをし、歌舞伎座で七月大歌舞伎「風の谷のナウシカ」を見る予定です(わあ贅沢 わあ)。
 元々「風の谷のナウシカ」だけ見る予定だったのですが、大変尊敬している先輩に能のチケットをお譲りいただく機会が発生(あえて言えば「譲られが発生」)。そのためとってもとっても贅沢な舞台のハシゴデーになりました。

2.のぞみに乗車

 上野発の夜行列車降りた時から、と歌いたくなったものの、今日は31度予報の夏です。出発駅は京都です。
 さすがに指定席を買う余裕はないので、自由席に。日曜の朝早くという事もあり、それほど混んではいませんでした。通路側の席に座ってうつらうつらしていると、新横浜で窓際の方が下車。「ラッキー!」と思い窓際に移動し、車窓からの景色をしばし楽しんだものの、気づいたら名古屋にいました(要するに爆睡した)。
 ちゃんと意識してのぞみに乗るのはこれが初めてだったのに!!すべてを見逃してしまったショックから、結局また爆睡してしまうびっくりさん。無事東京に到着しました(ちなみに今回は夜行バスの教訓を生かして後ろの方に声をかけ、無事背もたれを倒すことに成功)。

3.梅若会定式能

 東京駅から丸の内線で中野坂上まで出たのち、10分ほど歩いて「梅若能楽学院会館」へ。

駅の地図。頬を刺すやつ(椎名林檎)
歩道が広いです

 建物につきましたが、入口が暗く、入るのに若干勇気を要しました。
 能は少し気になっていたのですが、いかんせん自分には少し敷居が高かったのでなかなか行けずにいたので、大変いいきっかけになりました。

 入口からまっすぐ前に進むとある物販スペースで、台本を買いました。

衣装の詳細や題意の解説、「俊寛」の台本など。2500円

 席は正面の前から三列目、舞台に向かって右側ブロックの中心寄り。檜なんでしょうか、会場全体に木のいい匂いが広がっています。

博物館で模型などはよく見かけていた能の舞台、実物は初めて見ました。

(画像:プログラム)
 今日の主題は「俊寛(しゅんかん)」。ものすごーくざっくりとしたあらすじを書いておきます。

 平家打倒を企てた、という罪で流刑にされた僧・俊寛(この人がシテ)。彼は、志を同じくした藤原成経平康頼と共に、薩摩潟の鬼界島という場所に流されていました。時が経ち、都に住む中宮徳子が出産するに伴って、恩赦が行われます。しかし、恩赦が認められたのは俊寛を含めた3人のうち、藤原成経、平康頼の2人だけ。俊寛に恩赦はありませんでした
 嘆き悲しむ俊寛。恩赦の認められた2人は船に乗り込み、「都でお前の恩赦を働きかけよう」と励ましの言葉をかけます。しかし、船はどんどんと離れてゆき、船影は見えなくなってしまうのでした。
参考:the  .com, 「演目事典:俊寛」, アクセス日:2022年7月18日

 シテは川口晃平さん。漫画家・かわぐちかいじさん(著作:『太陽の黙示録』『沈黙の艦隊』『空母いぶき』など)のご子息だそう。
 公演前のアナウンスで、「虫干し有観客中止のお知らせ」が流れていました。8月8日から8月10日にかけて「虫干し」が有観客で行われるそうだったのですが、昨今の感染再拡大により安全性を重視して中止したとのことでした。

公演メモ
1連吟 蝉丸
 鈴木さん→キャスト変更で別の方に。
 女性2人、向かって左の方、異様に声が響いて少し怖いくらいだった。お2人とも喉の筋肉の動きがよく見えて面白い。
2仕舞 白楽天
 赤い扇を持って舞っている。予習不足で何を言っているのかはよくわからない。何となくNHKの「にほんごであそぼ」を想起した。
3.仕舞 芭蕉キリ
 聞いたことのある歌から始まった。青地に金の扇。
 ここで舞っている方だけ、衣装の色が違う。薄黄土の着物に萌黄?の袴。
4.仕舞 女郎花(おみなえし)
 赤い扇。前のお2人よりもかなり若い方が舞っている。めっちゃ動く、すごい動く、飛んだ飛んだ
 本当に体がぶれなくてすごい(語彙力どこ行った?元からないよ)
5菊慈童
 これもストーリーよくわかってない。でも楽器とか他の人もいっぱい出てきた。
 大鼓「スコーン!」←すごい。ずっと1番デカい音出せる、疲れないのかな。たぶんこの大鼓の方どこかでお見かけしたことあるんだよな、NHK?
 何が起きてるかはよくわかってないけど、後半に行くにつれてどんどん盛り上がっていることはわかる。鼓の人達がマジですごい(さよなら語彙)。
 日本文化になじみのない人たちがこれを見たら、私たちがハカとかを見て「すげえ…」ってなるのと同じような感覚になるんだろうな……
6狂言 萩大名
 ストーリー知らなくても何となく概略はつかめると思う。あと全員お顔立ちが似ていて面白くなってしまった。いやストーリーめっちゃおもろいな
 テンポ感が見慣れているお笑いとはちょっと違うから若干違和感を覚えるところはあるけど、ポンポン進んでいって小気味よい感じ。すゑひろがりずのあの雰囲気ってもしかしてここからきてる?
 登場人物はアホ大名と賢い付き人(結局愛想つかす)、訪問先の家主。個人的にちょっと面白かったのは、付き人の太郎冠者がいる間は家主が大名に直接喋りかけなかったこと。教科書か何かで見た記憶がないでもない(あんまり覚えてない)。ほぼ必ず太郎冠者を通して大名と家主が会話しているのが少し意外だったかも。オチまで含めてお笑いとして”完成”されてるじゃんこれ すんご。
 何となく落語みを感じた。
7能 俊寛
 最初に出てきたあらすじ説明の人、顔ちっちゃ!背たっか!え!?1人だけ頭身が90年代アニメの人来ちゃった どうしよう
 あとさっきパンフレットで見た人間国宝の方いる わあびっくり
 でもあらすじしっかり頭に入れてきたおかげで俊寛はわりとわかるかも……?あと台本も結構役に立つ、わかりやすい
 この独特の能の節回し、これ刀ミュで見た。こういうことか~~~(アハ体験)刀剣乱舞の日本文化への間口の広げ方、強すぎる……アウトリーチってこういうことか……
私のメモ帳

 フライヤーコーナーでいろいろと資料を頂いて(結構子供向けの体験プログラムのフライヤーが多くて驚き)、歌舞伎座へ向けて出発します。

4.アフタヌーンティー


アフタヌーンティーってなんだろう(確かに午後のお茶ではある)

 歌舞伎座に到着し、歌舞伎座タワーの「花籠」というお店でお茶をしながら家族と歓談。両親が「カルピスって夏の味だよねー」と盛り上がっているのについていけず、頭にクエスチョンマークを浮かべながらお茶を啜っていました。

ビル内にあった「楽屋弁当ガチャ」欲しい。

5.歌舞伎・風の谷のナウシカ(ネタバレあり)

 膨れたお腹を撫でつつ、劇場へ向かいます。
 感染症対策の観点からか、チケットは自分でもぎる方式でした。
 入り口近くでは「筋書(パンフレット)」と、野球年鑑のような「かぶき手帳」などを販売していたため、2つとも購入。うきうきしながら劇場の中に入ります。
 中に入ると、「お食事はお控えください」と書かれたプラカードを持ったスタッフさんが数人回っていらっしゃいました。他の劇場だと飲食全般が禁止になっている印象があったので、少し驚き。(幕の内弁当があるくらいだから確かに頷けるかも)
 3扉からまっすぐ前に進み、舞台に向かって右手側の席に座りました。

 開演まで、筋書やかぶき手帳を読みながらそわそわ。1ベルが鳴って開演のアナウンスが流れたのち、幕の中から1人、裃(たぶん)を着た役者さんが出てきました。朗々とした前説が始まり、幕をプロジェクターのようにして頻出単語の解説が行われました(初見にやさしい)。※この時点で私はなぜか泣きながら見ている

 今までの歌舞伎衣装をベースとしつつ、原作のキャラのイメージを反映させた衣装に感動しました。どこかで展示してほしい、衣装さんのこだわりを一から十まで聞きたい……あったら絶対に図録買う自信がある。

 ナウシカ自体も見たことがなく、歌舞伎のこともほとんど知らなかったのですが、衣装の早替えやバトルシーン、飛行シーンなど随所に楽しみポイントを見つけられて楽しかったです。
 (刀ミュ(刀剣乱舞ミュージカル)って歌舞伎なのかも……と思ったり)
 涙腺ガッバガバなので、黄金の野に立つナウシカのシーンでボロボロ泣きながら前半が終了。

 後半はクシャナの物語が進行していきます。クシャナとその母のシーンで”歌舞伎らしい歌舞伎”を摂取しつつ(桜の遠近感の作り方が印象的だった)、最後の最後、飛んだナウシカ(「宙乗り」という演出技法だそう)に号泣しながら閉幕しました。

 🐹「とんだ……ナウシカ飛んだ…………(涙ボロボロ)」

 今までいた界隈が繰り返しカーテンコールする界隈だったので、カーテンコールがないことに驚き。

 あとで歌舞伎座が運営している「歌舞伎美人(かぶきびと)」というサイトを見てみたんですが、初めて歌舞伎を見たいという人、歌舞伎に興味を持ち始めた人を救い上げるのが非常にうまいサイトの構成になっていました。

 この1週間の怒涛の移動でHPが赤表示になってしまい、この後2日間ひたすら食べて寝るだけを繰り返したのでした。次は3日後にお目見えするかと思います。半端でもいいから出す(D is better than F

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