「新しさ」とは覚悟なのかもしれない
5年前くらいに遠山正道さんの講演を聞く機会があって、いまだに覚えている好きな話があって。彼がスープストックで季節の新メニュー開発の会議をやったとき、ある社員が「黒ゴマをつかったスープ」のアイデアをもってきたんだと。でその人に遠山さん、「なんでこれ、やりたいの?」と聞いたところ、『みのもんたさんの番組で、黒ゴマがブームの兆しってやってたんで』と答えたのを聞いて、
「じゃあ君はこのスープが売れなかったら、みのもんたさんのせいにする?」
と聞き返して、そのアイデアを却下したんだと。
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新しいことは、怖いことで、だって、自分はもとよりほかのだれもがそれがうまくいくかどうか、わからないわけです。なぜなら、「新しいんだから」、それはそうだ。とても怖い。しかも反対してくる人もいて、それを説得したり、共感してもらったりして、一人からスタートして、仲間をちょっとずつ増やしていって、大きなうねりにして、実現しないといけない。新しいことを生み出すのに大事なのは、だから、アイデアなんかよりも、覚悟なんだろうなと思う。
遠山さんはおそらく、黒ゴマスープ案に、覚悟を感じなかったんだと思う。その人はひとりではじめる新しさの物語のパーティに最初から、「みのもんた」というチートな武器を組み込もうとした。自分がその物語に情熱があるからやりたいのではなく、このチートな武器があればラクに進めそうだからやりませんか?という口説き方みたいなイメージ。それを遠山さんはきっと、「あたらしいことを実現する覚悟」と認めなかった。んだと思う。
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新しい、って大変なことなんだけど、
「自分」をむき出しにするしかない、っていうのは
まあある意味、みんなにチャンスがある話なのかもしれないですね。
勇気と覚悟、大切に。
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