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「ブルータス男」にへこまされる心理

同僚に大変凝り性で、全身全霊で趣味に打ち込む男がいる。山スキーが好きな彼は金曜の夜中2~3時出発でクルマを走らせ、土曜から日曜の15時頃まで滑り続け、そこから都内に帰ってきて着くころには渋滞にハマった日には深夜1時。もう出社まで数時間しかないやんという、会社スキースキー会社みたいなエクストリーム週末を平気でやったり、ある時はコーヒーに凝り自宅でキャンプ用の直火バーナーみたいなのでお湯を湧かすと柔らかいとかなんとかでやってみたりしちゃうような、そんな人なんです。

僕はそういう、全力で趣味に打ち込める人を脳内で勝手に「ブルータス男」と呼んでいるんですが。あ、これ敬意を込めまくってますよちなみに。

僕もね、ブルータスたまに買うんだけど、そんで読んで、ああこういう生活いいなあとかいっちょ前に思うんだけど、まあほとんどやらないわけです。お金の問題もさることながら、「めんどくさい!」の壁に大体はじき返される。そんで、いいやってなる。だから僕にとってのブルータス購入は、幻想を買って気持ちよくなるに過ぎない。

なのに、だからこそ、幻想をやっちゃう彼を見てると、何かへこむわけです。へこむよね!ほんと!自分の行動力や完遂力のなさとか、生活が理想に近づいていかないで同じところで何年もグルグルしている感じとかを、勝手に自戒して。で、言われているわけでもないのに勝手に、「君にはそれくらい打ち込める好きなものはないの?」と、好きなことによってアイデンティファイされている彼から翻ってわが身を見て、あれ、自分のアイデンティティとかなに?とかね。そんで完全に筋違いに「でも付き合う人とか結婚相手は、あれは大変だよねーきっと!」とか言ってみて溜飲を下げるつもりが、お前はどの口で言っているんだバーカと、アナザーミーが自分に言ってるよおマッタクショウガナイナ。いいんだ、自分は仕事がんばるんだ、うん、そうしよう。

偏愛を向ける対象はどこに言ったら見つかるんだろうか。ブルータスに書いてあるかなあ。なんて。



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