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狂気と才能と、身体性。

「Sunny」をこのnoteでアツく評したら、それを読んでくれたコピーライターの先輩が、どさっと「竹光侍」を貸してくれた。松本大洋好きで、元剣道部だというのなら、読むべし、と。

すごかった。”バガボンド”を最高峰と思っていましたが、また角度の違う、侍の物語。これは、狂気の話。己の内なる狂気をいかに向き合い、それと決別し、「人」としてのまっとうな日々を得るまでのお話。

僕は単純に、狂えるほどの何かを、天賦の才とともにもって生まれているだけでうらやましいと感じるので、たぶんそちら側の人間ではないのだろうと思うのだけど、見方を変えれば、才能とは狂気であり、狂気もまたもしかしたら世のため人のために置き換えられる才能なのかもしれないと思うわけです。

努力は夢中に勝てない、とはよく言ったもので。
「ピンポン」は、松本大洋作品の中でも才能の残酷さの物語だと僕は読んでいて、それの裏表の関係のような、狂気のお話でした。

まあ、あとは、何よりも、身体性。松本大洋ここにあり、な、写実を超えた、身体の描写。ピンポンもすごかったけど、竹光侍もすごかった。1巻冒頭の、瀬尾と自然の対話が、なんとも壮大で底知れなくて、スキ。

マンガ、もっと読もう。おすすめ、おしえてくださいっていうメモ。

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