ドラマー映画

ドラマーが元気な洋画の昨今

最近、映画館に行かなきゃって思える映画が多くて楽しい。基準は何かって説明できないんだけど、一つはやっぱり音響を大事にしたいかどうかなんだと思う。自分の場合はね。

「バードマン」。何しろアントニオ・サンチェスでした。実際に撮り終えた作品を流しながら演技とセッションする形でトラックした、ほぼ全編のバックサウンドがドラムソロという潔のよさ。パット・メセニーとかチック・コリアとか、フュージョンサークル出身の僕からすれば、”あの人”って感じでなんだか「知り合いが映画に急に出てきた」くらいの馴れ馴れしさで見てしまったのだけどw、一番輝いてました。ドラムの可能性を音楽とそんなに馴染みのない人でも感じてもらえる作品だと思うので、是非是非。

「セッション」。ブラックスワンですねこれは、この読後感は。芸事がいかに人を狂わせるか。正解や勝ち負けが明白にならないと一般的にはされがちだからこそ、ブラックボックスになりがちなその修練のあり方やそこに渦巻く執着と狂気を、エンタテインメントとしてかなり高次元に昇華してます。展開もまったく読めない。ああ、そうするかというオチにも満足。ただ、一方で音楽をまかりなりにもそれなりにやっていた人間からすると、音楽を愛し上を目指して習熟する上で、あれは、なんというか、一般的な考え方ではないということははっきりしておきたいなあ。確かにまあ、ジャズ研は怖い雰囲気あったしw、ある種の「マジで怖くて身動きが取れないくらいの緊張」は必要なのかもしれないけど、やはり、厳しさは自分の中から自ずと湧き上がるものでないと、外的要因によるそれはやがてその人を蝕むのであると。これもブラックスワンの主題と一緒かな。それに、あんなに力んじゃ400のスウィングは、スウィングしないよねw

なんて、ちょっと普通の人と違う目で見てしまった2作でした。やっぱりドラムはかっこいい。

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