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#6 音羽三山を面白いルートで巡る

2024/4/28

 この日は十津川村、村境探索予定をしていたのですが、前々日夜に愛犬が急性腰痛を起こし急に歩けなくなってしまいました。

 夜間の動物病院へ連れて行くなど大慌てで、27日の現地入り断念。幸い愛犬は元気になり、現在は普通に歩いています。

 ここ3週間は毎週山に入っていて、少しずつ体重を落とそうと目論んでいたので、まだ1度も行っていなかった談山神社に行こうと計画しました。ついでに、YTT33kのコースでもある音羽山をトレーニングがてら登ってみようと出発しました。

 この日は気温がかなり高くなると予想され、少し多めに水を担ぎ、熱中症を予防するために塩分を忘れずザックに詰め込みました。補給は多武峰にあるヤマザキショップで買うこととしました。

 飛鳥村役場をスタートし、飛鳥万葉展望台まで既に滝のような汗が流れました。天気は快晴で、展望台からの眺望は良いものでした。その後、先に音羽山を登ろうと思っていたのですが、予定が狂いました。

万葉展望台

 万葉展望台から遠峰に向かう途中、左に増賀上人の墓があります。存在は以前から知っていたのですが、この人がどのようなことをしたのか全く知りませんでした。今回は時間もあるので、立ち寄ってみようと思いました。

増賀上人について

 まず、上人と言うのは、お坊さんの中でも位の高い方のことを指します。この方は天台宗へ10歳で出家しました。優秀であり、仏門を極め行くものの、名誉などを嫌い本山を脱出したかった上人は、弟子の勧めで多武峰に籠ったそうです。時代は平安中期、1000年ちょっと前に実在した人です。

 増賀上人には様々な奇行があったとされています。特に、自分の師匠がどんどん出世し、比叡山の最高峰まで登り詰めた時、お礼参りに中宮へ参内する際、牛に乗ってその行列前に現れたと言います。腰には干した鮭を刀の様に差して歩き回り、見物人がその奇異な姿に動揺したそうです。

 彼はただ狂っていた訳でなく、これは師匠に対する反抗であって、名聞を嫌う純粋な行動と言われますが、単純にそれだけでは無さそうです。昇進し、上り詰めて行く師匠に欲が見えて嫌気がさしたのでしょうか?

 増賀上人は比叡山を離れ、仏門に更に没頭したかったのでしょう、数々の奇行にて自分の行き着く所へ行きたかったと思われます。

 多武峰に籠った増賀上人は生粋の仏門者として崇められ中興の祖として語り継がれています。

墓に登る階段
脇道には無数の石塔が並ぶ
最上段にお墓
慈恵大師は天台宗の18代トップの僧
増賀上人は位の高い弟子であると刻されている
平成21年7月に比叡山の発願にて修復されたそうです


増賀上人墓地から続く道

増賀上人のネズキ(墓地)は最上段にあるのですが、そこに至るまで多くの石塔が並んでいます。どれも古いものが多く、高野山の奥之院を彷彿させます。

 少し外れた墓地用の敷地から、尾根伝いに踏み跡が見えました。GPSで確認すると御破裂山に通じるルートです。御破裂山も行った事が無いので俄然面白くなってきました。

 倒木と高い笹藪を抜ければ御破裂山に続く広い道に出ます。増賀上人の墓からはさほど離れていません。途中の開けた場所からは大和平野の北側が綺麗に見えました。

墓地から御破裂山に続く道
御破裂山手前で開けた場所より耳成山が見える
御破裂山
裏にあった展望台は現在展望無しです


御破裂山から談山神社

 以前から面白い名前だと思っていました。この山は藤原鎌足(中臣鎌足)が祀られていて、国に何か良からぬ事が起こりそうな時、鳴動する山と言われ、その名が付いた等、諸説あるそうです。大和平野から見上げると、鶏冠の様な形で一際目立つ山です。

 御破裂山に至るまで、談山神社境内に下る案内板があり、帰りに立ち寄ろうとしていた神社へ先に寄る事としました。下りの道は綺麗に整備されていて、休日と言うこともあり数人の人にすれ違いました。

 途中の談山(かたらいやま)は日本の歴史が動いた密談がされた場所と言われ、中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を打ちのめして新しい国を作る画策がされた場所だという事です。

 そのまま談山神社の境内に入り、各所通って入り口に至りました。境内は有料。御破裂山から入った場合は料金を支払う様にしましょう。

談山神社本殿の入り口
紅葉の新緑が綺麗でした
灯篭亭では串蒟蒻が美味です。100円は安い


音羽三山への知らなかったアプローチ

 音羽三山への入り口は、尼寺精進料理で有名な観音寺を通り過ぎて登って行きますが、麓の百市(もものいち)集落の対岸を通っていた国道が綺麗に整備され、大変見晴らし良くなっていました。

 そこから音羽山観音寺方面へ伸びる道とは別に細い道が目に入りました。地図を確認すると尾根がまっすぐ音羽山に伸びていたので、最近の探索癖で探ってみる事にしました。

 急坂のコンクリート道の終点から少し登ると小さな神社があります。ここ一帯は植林地帯で、所々に目印のテープもあり、地図で確認しながら目的の尾根を登ります。

地域の神社が維持されている



 殆ど踏み跡が無く、柔らかい斜面は体力を奪います。音羽山まで相当遠く感じましたが、脚を強くする斜面です。

 音羽三山を越え、熊ヶ岳の次にある『小熊ヶ岳』の山名板ピークから、せっかくなので下りルートの新しい尾根道を試してみたくなりました。本来なら大峠で下る予定でしたが、少し手前の尾根になります。

 先程は登り堪えのある斜面でしたが、今度は下り堪えがあります。ここも杉林で、下るに従い目印が多くあります。大峠からの下り道と合流し、そのまま来た道で戻りました。

 脚に負荷をかけるトレーニングがご希望であれば、このルートは有りです。

登り口
途中ひと休み出来る大岩
丁度半分当たり
大峠と熊ヶ岳の間にある小熊ヶ岳
植林山を下る



 帰り道、灯篭亭で飲んだビールは美味いの一言。奥さんと色々お話が出来て良かったです。9月イベントの際はお世話になります。その前に試走会ですね

ルート
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6708557.html

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