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同期の絆

2018年ドラフト同期

以前、Twitterでこんなクイズを出したことがある。

2018年のドラフトでファイターズは甲子園のスターたちを次々に獲得した。吉田輝星、野村佑希、万波中正、柿木蓮。甲子園には出ていないが、田宮裕涼も同い年の同期になる。
その彼らを並べて、出身地はどこでしょう?としたわけだが、これはもちろん、見た目は日本人なのに出身地はアメリカ(親御さんの仕事の関係でアメリカ生まれ)の野村佑希と、この見た目で選択肢にアメリカがあったらアメリカ出身かと思うじゃん!という万波がいたからこそできた問題。

大卒で入団した福田は北海道出身であるから、北海道から九州、そして海外まで、生まれも育ちも異なるメンバーが集まった代である。彼らはプロ野球の世界に飛び込み、右も左もわからない中で、助け合い支え合い励まし合い笑い合って、同期の絆を育んできた。
高卒の同世代が仲良くなるのはもちろんのこと、年上の同期(福田俊)にも「こいつら、僕のことを年上だと思ってないんです」とボヤかれるくらいに仲がいい。

ブレイク候補

先日、北海道のローカル番組「FFFFF(エフファイブ)」で選手たちへのアンケート結果が放送されていた。お題は「ことしのブレイク候補は?」というもの。
万波は「ジェームス(野村)じゃないですか」と答えた。
「もちろん、僕であってほしいという願いはありますけど」「一番現実的なのはジェームスだと思います」と。
その中で「2年間焦り過ぎていた」と自分のことを振り返っていた。焦り過ぎていた、ということに気づいたのであれば、もう焦らずに自分のできることを精一杯やろうと思ったのではないだろうか。
ファームでのスタートとなった万波は、イースタンリーグが開幕しておよそ3週間でホームラン5本を打ち、一軍に招集された。

その時のファイターズは開幕以来11戦1勝8敗2分けという暗澹たる状況で、残塁の山を築いていた。
ファイターズの希望の星である野村も、各球団でデータも揃って対策を打たれているのだろう、このところなかなか思うように結果が出せていなかった。
そんな中での同期・万波の昇格は、野村にとっても嬉しかったに違いない。

昇格したおとといは出番のなかった万波だったが、昨日の試合には同期の野村と共にスタメンに名を連ねた。
5回の万波の2打席目、プロ初ヒットがツーベースとなり、その後の清水のヒットで逆転のホームを踏んだ。
同期のヒットがいい刺激になったのか、同点で迎えた9回表にチャンスで回ってきた打席で、野村は逆転タイムリーを放った。必死に走ってセカンドベースにヘッドスライディング。さらにチャンスを広げた。
これはもう、同期の相乗効果だろう。同期って素晴らしい。同期尊い。

正直言って、万波の昇格はまだ早いと思っていた。今じゃない、と。連敗で重圧のかかる今でなく、もう少し余裕がある時に上げて、のびのび打たせてやってくれ、と。
しかし万波の笑顔、野村の笑顔を見ていると、このタイミングで昇格して良かったのかもしれないと思った。
おととい勝って連敗をストップしていたのも良かったのかもしれないが、2人とも楽しそうにプレーできていたように思う。

しかし野村と違って万波はいつまで一軍にいられるかわからない。外野の層は厚く、西川、大田、近藤に加えて淺間が活躍してスタメンに食い込んできている。よほど打ちまくらなければ一軍に残ることすら厳しい。ただ一軍にいる間にしっかりと爪痕を残すことが、今後につながっていく。

同期ではないが、この男も虎視眈々と一軍入りを狙っている。
一軍でも二軍でも切磋琢磨の日々は続く。

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