『スタンド・バイ・ミー』|毎日映画 Day2

二日目は昨日に引き続き洋画。

用事があって疲れていたので、ほぼ尺の短さ(1時間半くらい)で決めた。


『スタンド・バイ・ミー』(原題: Stand by Me)

監督:ロブ・ライナー、脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン。アメリカ映画。1986年公開。

1959年オレゴンの小さな町。文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。死体を発見すれば一躍ヒーローになれる!4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した………。

Amazonページより引用)


「そういえば全然観てない」と気付いたのが、小説とかによく引用されるような名作映画。元ネタを知らないのに概要だけ知っちゃって改めて観たことはないもの、めちゃくちゃある。『タイタニック』とか。

『スタンド・バイ・ミー』は小説『ピンクとグレー』(加藤シゲアキ)に「当然知ってるよね?」なノリで出てきて、これはもしや必修科目か…といつか観る決意をしていた。数年越しにようやく履修。


●クールであることがすべて

「クールでタフであることが何より重要」みたいな価値観が清々しい。
少年らしさというか、10代っぽさというか。

スタンド・バイ・ミーは、少年たちそれぞれの価値観における「クール」と「タフ」を実現しようとしていて、そのずれ具合と一致具合の絶妙さがいいなあと思う。違っていてもわかりあえるし、馬鹿にしていても信頼しあえる。自分とは全然違う生き物としての憧れを感じる。。

あとクリスは恰好よすぎませんか。あれはずるすぎる。


●残るフレーズ

“初めて死んだ人間を見たのは12歳の時だった”
という残りまくるフレーズから映画が始まるの、めちゃ美しい。書き出しとして完璧。

小説家としてのゴーディの語り口が、英語でも字幕邦訳でもものすごく綺麗で上質。“僕らは自分たちが何者で、どこに向かっているのかはっきり分かっていた”とかもめちゃくちゃ秀逸。

少年時代に語る小話に才能が溢れ返ってるのも楽しい。いい伏線。


●『夏の庭』との比較

観ていてだんだん小説『夏の庭―The Friends 』を思い出した。
ストーリーは全然違うけど、要素は似てる。少年たちだけで行動するところとか、「死んだ(死ぬ)人間を見たい」っていう動機とか。

調べてみたら、やはり『スタンド・バイ・ミー』を踏襲して書かれた話なんですね。「和製スタンド・バイ・ミー」って言われているとかいないとか。わかる人はすぐわかるんだろうな。

個人的に、心地いいのは『夏の庭』、全体的な好みは『スタンド・バイ・ミー』かなという印象。
懐かしさとか汗とかせつなさがぎゅーっと詰まってる『夏の庭』のほうが、味わう気持ちよさは大きい。『スタンド・バイ・ミー』はどっちかというとすかすかしていて、その空虚さの中に滲むほのかな愛おしさみたいなものが魅力になってる。

関係ないけど、映画中の危なっかしい場面とか嫌な描写とか、が結構ふつうに嫌だった。列車の場面とか。臆病なもので。
自分があの世界観にいても、クリスたちと一緒に死体探しには行けないだろうな、という確信があるのが、ちょっと寂しかったりはする。


「少年時代」への憧れ度 ★★★★★


ようやく元ネタがわかるようになったので、『ピンクとグレー』を読み返そうと思います。
絶対知ってから読んだほうが面白かったな。。今からでも取り返そう。



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