『あなたに触らせて』|毎日映画 Day5

また毛色変わって、ちょっとディープめな作品。
配信サービスのマイリストに気になった作品をどんどん登録しているのだけど、なんというか、雰囲気暗めな作品ばかり集まってくる……

ふつうに明るいものが観たい時もあるんだけど。性格(潜在意識?)がよく出てる。(感想書いてないけど合間にインクレディブルファミリーとかトイストーリー4とか観てます)


『スキン~あなたに触らせて~』

監督・脚本:エドゥアルド・カサノバ。スペイン映画。2017年公開。

身体の欠損など、健常者と異なる容姿を持つ人々にとって、この世で生きることは決して楽じゃない。冷たい現実や世の中との距離を描くダークな社会派コメディ。

Netflix作品概要より引用)


Netflixで映画を探していたら、何度も検索に引っかかってきて気になった作品。
もしかして怖いやつかなと思ったものの、概要を読んでどうしても観なきゃいけない気持ちになり、短さ(70分ちょい)にもつられて鑑賞。


●目が離せなくなる

自分の中の差別的感情を再確認してしまう、という意味でも、最初観ている時はどうしても抵抗を感じてしまった。(ルッキズム、ていうのか。あってる?)

でも、観ているうちに自分の中の価値観が変化していくというか、だんだん抵抗なく画面に見入っていくのがわかった。最初のショックを超えてから、見た目とかでなく、それぞれがひとりの人間として(弱さ強さも含めて)魅力的に思えてくる。映画の力…。

ショッキングなまでの生々しさ、生身の人間が演じている温度感も含めて、映画にしかできない表現だと思えた。


●泣くとは思わず

ショッキングな映像とかはあまり得意ではないのだけど、この作品は観るのを途中で止めてはいけない気がした。結果的に、最後まで観てほんとうに良かった。

実際、泣けるシーンはあまりない作品なのに何度か涙が出てしまった。「ダークコメディ」なのに。というか、ダークコメディなのか。映画のジャンルってわからん。Netflixのジャンル「議論を呼ぶ」はまさにそうだと思ったけど。

観終わったあとの印象としては、純なラブストーリーを観たような気持ちが残った。そんな話じゃなかったはずなのに。不思議。


●曖昧な色表現

映画内で、強い色彩がほとんど出てこない。映像を占める主な色は肌の色と、ピンクやパープルのパステルカラー。

それもあって、可愛らしいリボンやきらきらしたダイヤに生々しさを感じたり、人の肌に装飾品のような艶っぽさを感じたり、感覚がどんどん曖昧になっていくような印象があった。不思議。

監督のインタビューでのコメントがとても良かった。納得感。


一人で観てじっくり考えたくなる度 ★★★★☆


すぐにまとまった感想や意見が出るような作品じゃないので、知り合いと観るにはあまり向いていないかも。

自分としてはベストなタイミングで観られた気がする。出会えて良かった作品。



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