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【百人一首】77. 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に あはむとぞ思ふ

崇徳院:所載歌集『詞花集』恋上(229)

川瀬の流れがはやいので、岩にせきとめられる急流が、二つに分かれてもまた一つになるように、恋しいあの人と今は別れても、いつかはきっと逢おうと思う。

原色 小倉百人一首/鈴木日出男・山口慎一・依田泰/2014

Like water rushing down the river rapids, we may be parted by a rock, but in the end we will be one again.

英語で読む百人一首/ピーター・J・マクミラン/2017



これは私が1番好きな歌。
ちはやふるの影響はもちろん大きい。けれど、好きな人と必ずまた逢おうという気持ちを川に例えたのがロマンチックすぎて一目惚れ。

確かに川は岩によって2つに分かれて更にまた2つに…どんどん分かれていく。でも最終的に辿り着くのは同じ海。どんなに分かれても必ず再会する。
……川をそんな風に見れるのすごすぎる😇(脱帽)




不動の1位だけど、最近更に好きになった。

好きな人に言われた
「今は離れることになるけど、いつか必ずまた逢える。運命ってそういうものでしょ?」
という言葉が“瀬をはやみ”そのものだった。

好きな人に言われたからますますこの歌が好きになったのか、この歌が好きだったから好きな人の台詞が響いたのか。。。

冷静で論理的で科学的根拠のないことは一切信じなさそうな彼が“運命”を信じていた。そういう感性を持った彼に惹かれた。

この歌に出会えてなかったら彼の台詞にときめくことはなかったのかもしれない。そもそも私は運命なんて信じていなかった側の人間だし。

この歌との出会いも、俗に言う“運命”なんだろうか。




遠距離になるからという理由で付き合わなかった彼とは疎遠になってしまった。けれど、心のどこかでいつかまた出逢うのではないかと思っている。

海でまた。




彼が私にくれた瀬をはやみ

彼に関する写真は全て消したつもりだったけれど、これだけはずっと消せないまま。

2023/12/6

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