THEMATCH2022メイン以外の感想
あまりにも武尊天心に感動したので、他の試合の感想も少々。
(前回)
https://note.com/mahjonjollyroger/n/n2f74917f22a3
第2試合:志 朗 vs 玖村将史
値千金のダウンで、玖村の勝ち。ダウン以外、志朗はいつものように実にうまく立ち回っていたので、実に値千金のダウンだった。根性見せたなあ玖村。
第4試合:風 音 vs 黒田斗真
俺は黒田が好きだ。彼の大砲のような、それでいて大変に美しい左ストレートも、そのストレートを繰り出すために完成された、彼の左腕が世界の中心であるかのような錯覚すら抱かせる構えも大好きだ。
この日、明確に上回ったのは風音だったが、それでもなお、黒田の今後に期待したい。彼の左腕にはロマンがあるロマンが。
第8試合:“ブラックパンサー”ベイノア vs 和島大海
ベイノアの入場は素晴らしかった。面白いだけでなく、本当に良く作り込まれていて最高だった。構成だけでいえば、武尊天心すら押し退けて、ダントツで今大会のベスト。あれ構成とか自分で考えてるのかな?
内容は、ワジーこと和島大海が圧倒した。ワジーはもともとやる男だ。なにせあの木村ミノルがチャンピオンのままK-1を去ろうとした際、ラストマッチで彼をKOする大金星を挙げた男なのだ。ミノルはK-1の大功労者だが、それでも、チャンピオンのまま移籍してK-1の栄光を他所に持ち逃げされちゃあかなわんわけで、これを阻止したワジーへのk-1ファンからの支持は厚い。
あと、この勝利でワジーのインスタフォロワーが万単位で増えたらしい。良かったね、ワジー。
第9試合:YA-MAN vs 芦澤竜誠
会見の舌戦などから盛り上げようと頑張っていた二人。あまりにも舞台がでかすぎて、舌戦のときお互い緊張しまくっていたのはご愛敬。
内容的には、アッシーの完敗。だいぶ階級が違う(アッシーがずっと軽い)のは事実なのだが、それにしてもアッシーは空回りしてしまった。それを救ったのはYA-MANのマイク。俺は基本的に、始まる前は舌戦、終わった後はリスペクトの安易な物語は大嫌いだ。その安易な物語を繰り返せば、やがては舌戦自体が盛り上がらなくなってしまうからだ。ただこの日だけは、YA-MANのマイクはアッシーを救った。ナイスYA-MAN。あとアッシーやっぱ好きだわ。ちょっとダメージも心配になってくるけど、また見たい。
第11試合:白鳥大珠 vs ゴンナパー・ウィラサクレック
ゴンナパーお見事!で終わらせてしまってもよいが、白鳥の蓄積ダメージが気になる。キックの王子様・白鳥もこれで10敗目の26歳。彼ほど華があれば、今後の巻き返しで十分再起は可能だろうが、それも勝利あってのこと。ここのところの敗戦の蓄積ダメージが深刻なものでないことを祈る。
第12試合:山田洸誓 vs 安保瑠輝也
なにかと話題の安保君VS怪人・山田。
安保君の入場曲は本当にセンスがいいよな。あの曲でファンが二割ぐらい増えてるんじゃないか。
それにしても、安保瑠輝也は不思議な選手だ。フィジカル、反射神経、距離感、動作の精密性、どれをとっても一流の才能を持っているので、いわゆる「当て感の良い」選手のはずなのだが、試合となると、現状、必ずしも万人がそのように評価しているわけではない。彼は、その有り余る才能の使い道を間違えているのかもしれない。多彩な技や打撃の軌道の変化も良いのだが、それらはあくまで過程で、最終目標は、適切な位置に手や足を運び、相手の適切な箇所にヒットさせることだ。まあもちろん、そんなこと百も承知だろうが。十二分に能力があるだけに、少し考え方が変わるだけでもっともっと化ける。楽しみな選手だ。
第13試合:原口健飛 vs 山崎秀晃
黄金はけして錆びない。ゴールデンフィスト・山崎秀晃も、格闘家としてはもはや晩年を迎えつつあるが、それでもなお、彼の拳はけして錆びることなく金色の輝きを帯びている。だが、戦前の下馬評通り、RISEの西の雄・原口は強かった。彼は山崎と同じく才能に満ち溢れており、そして、山崎より遥かに若かった。この日、山崎の眩い拳は原口の黒鉄の拳に打ち砕かれたが、それでも俺たちは、山崎の拳に、甘い黄金郷の夢を見る。
第14試合:海人 vs 野杁正明
この日の裏メイン。
両者ともに、現在、両団体内で、天心武尊を除き最も強い選手であるとの共通認識がある選手である。すなわち、近々に離脱が予想され、また、あまりにもビッグネームになりすぎて、もはや団体の象徴ではなく個としての価値が全面に押し出されている両雄に代わり、両雄なき後、団体の象徴・屋台骨となることを期待されている選手である。当然のことながら、両団体のファンからの支持は絶大で、おそらく、RISEのファンは海人の勝利を、K-1のファンは野杁の勝利を微塵も疑っていなかったはずだ。
試合内容は、微差だった。微差だったが、判定をつけるならばやはり海人だろう。そう、我らがk-1の新たなる柱・野杁正明は、RISEの新たなる柱・海人に敗北したのである。この負けは、k-1にとって実に重い。全試合結果のトータルでも負け越したことと併せ、k-1が物語を取り戻すには、多大なる努力と長い時間を要するだろう。
だが、それでも、武尊がけして諦めずにこの日に辿り着いたように、k-1にはここからまた這い上がってほしいし、必ず這い上がれるはずだ。がんばろう、k-1。
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