日本麻雀百年史 その9


【第三章】 麻雀ブームとその影

賭博行為の横行


  日本麻雀連盟が創設された昭和4年(1929)頃というのは、全国的に賭博行為が横行した時代でもあった。初代総裁の菊池寛が『東京行進曲』を出版したのがこの年で、ラジオからは主題歌『東京行進曲』の軽快なメロディーが流れていた。菊池は麻雀賭博の弊害をいち早く見抜いて、賭けない家庭遊戯としての「スポーツ麻雀」を推奨した。
 
  日本麻雀連盟は麻雀の競技性を高めることで、賭け麻雀の呪縛から逃れようと懸命な努力を重ねていた。東京や大阪、名古屋など大都市では麻雀倶楽部が林立していたが、むろんまともな店では賭け麻雀をしているわけではなかった。

  それでも賭け麻雀による検挙者は後を絶たなかった。

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