日本麻雀百年史 その11

【第五章】 大衆麻雀の勃興

インフレルールの興隆


  麻雀はこうして復活したのであるが、さまざまな問題点を内包しながら、さらなる飛躍を遂げていくことになる。

  問題点を要約すれば、ギャンブル性とそれを支えるインフレルールということになろう。
  ①リーチ(途中立直)
  ②ドラ
  ③一翻縛り
  ④リャンゾロ場

  ルールに関して言えば、この4つくらいが初期のインフレルールというべきものであった。

  いずれも戦後生まれのルールでこれまでと著しく違う点は、点棒が大きく動く仕組みになっていることだ。

  リーチ、ドラでいえば、偶然性の作用でアガリ点が造作なく倍増、3倍増してしまう。

  一翻縛り、リャンゾロ場でいえば、最初からアガリ点の枠決めを高めたものである。

  この時期を第1次インフレルールと命名しておきたい。その後さらにインフレルールは肥大していくのであるが、やや間を置く。

  点棒のやり取りを多くする仕組みは、実を言うとその裏で「賭け麻雀」と密接に結びついていた。

ここから先は

2,332字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?