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麻雀上級者は全員できる!!中級者の必修科目 <自分の手牌に対する考え方> を身につけよう

こんにちはMahjong Academy Channelの新谷です。早いものであっという間に桜が散りコートも不要な季節になってまいりましたね。

「麻雀は人生の縮図」なんて昔はよく耳にしましたが、こちらの思惑通りにツモがきたり、アガれたりなんてなかなかしませんよね。配牌が良い時も悪い時もありますし、ツモ次第で悪い配牌が大逆転することも、良い配牌が最後までテンパイすらしないなんてこともあります。

麻雀では次に何を持ってくるのかはわかりませんが、今の自分の手牌に何が必要なのかを知ることはできます。また必要な牌がきた際に何を捨てるのか想定しておくことも大切です。

手牌に対する考え方を理解することで自分の手牌がどの程度の価値がある手なのかかを知ることができ、今後学習する「押し引き」の場面で役立てることができるようになります。今日は手牌に対する考え方を見ていきましょう。


まずはイーシャンテンで考えてみる

あと1つでテンパイする形をイーシャンテンと言いますが、この時の受け入れ枚数や種類はそこまで多くはありません。例えば下のようなイーシャンテン。


(例題1)

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リャンメン2つのイーシャンテンですぐにでもテンパイしそうに見えますが、テンパイする受け入れは58と四七の4種類しかありません。麻雀牌は34種類ありますのでこのリャンメンがなかなか埋まらずテンパイしないこともよくある話です。


テンパイはしないがテンパイする可能性が広がる牌も存在します。

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この7種類がその牌でこの中のいずれかをツモり、西を捨てればテンパイする牌の種類が4種類から6種類以上に増加します。(持ってきた牌による)


先々の可能性を考える力が自分にどこまであるのか知ることで雀力を測ること(理解すること)ができます。イーシャンテンの時は答えが明確なのででまずはイーシャンテンの手牌で考えてみましょう。


考え方その① <テンパイする種類> 


先程のリャンメンが2つのイーシャンテン(例題1)は受け入れが少なく考える箇所が少なくてすみました。これは手牌の形によって受け入れの広い形と少ない形が分かれているからです。例えば、先程の形を少しだけ変えて↓(例題2)

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こちらはリャンメン2つの形ですが雀頭がありません。このような手牌を「ヘッドレス」と言ったりします。この形は④⑤⑥⑦5678の8種類でテンパイすることができます。例題1と比べて受け入れ枚数は正確に2倍にはなっていませんが種類は2倍に、枚数もかなり多くなっています。


考え方その② <テンパイする枚数> 

考え方その① テンパイする種類に枚数という考えをプラスします。

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こちらの手牌(例題1)はテンパイする種類が4種類でした。(58と四七)麻雀牌は4枚ずつありますのでテンパイする牌の種類✖️4をし、その後に自分で使っている枚数を引きましょう。(実際の麻雀対戦では場に捨ててある数やチーなどに組み込まれている数も引く)

4種類✖️4枚=16枚 そこから自分の手牌にある「四」の1枚を引くと
今回の受け入れ枚数が4種15枚だということがわかる


では例題2の手牌で受け入れ枚数を考えてみてください。

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まずはテンパイする牌の種類を数えます



数えた種類✖️4を出します



自分の手牌に使っている枚数をそこから引いて


↓答え合わせ↓


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例題2でテンパイするのは④⑤⑥⑦5678の8種類。(考え方①を参照)
そこに4をかけて 8✖️4=32枚
そして自分で使っている⑤⑥67の4枚を引いて32ー4=28枚

つまり例題2の受け入れは8種28枚でした。


この考え方が「受け入れ枚数」という考え方になります。慣れるまでは時間もかかりますしめんどくさいと思いますが1人でも練習できますので何度もトライしてください。

また別の機会にイーシャンテンの受け入れをパターン化したものを紹介します。まずは自分で数える習慣をつけましょう。僕も毎回何枚あるのか数えながら打っているわけではありません。パターン化することによってどっちを捨てる方が得なのか体で反応できるようになります。


考え方その③  <何を捨てるか>

考え方②までで、何がくるとテンパイするかわかりました。次はテンパイした際に何を捨てるか考えましょう。答えが一つの場合もありますし複数から選ぶ場合もあります。大切なのはテンパイする全種類のパターンを考えることです。

例題1の場合

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これはテンパイした際に捨てるものが明確です。どちらのリャンメンが完成しても捨てる牌は「西」の一択です。

例題2の場合

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こちらはテンパイする牌の種類も多いので文字にするのは大変ですが、考え方は単純です。

雀頭が先にできた場合は雀頭にならなかった方を捨てます。
例、⑤ツモの場合は雀頭にならなかった⑥を捨てる。
これが⑤⑥67で同じことが言えます。
リャンメンが先に完成した場合は完成しなかった方のどちらかを捨てます。
例、④ツモの場合6か7を捨てる。
これが④⑦58で同じことが言えます。


例題2は8種類テンパイする牌がありますが考え方は2パターンしかありませんので簡単な方です。しかしあらかじめツモってくる牌を想定して考えることは慣れるまで難しいことですので出来なくても焦らないでください。じっくり少しずつ慣れていきましょう。


考え方その④  <何待ちになるか>

何をツモればテンパイするか、テンパイした時は何を捨てるかまで考えました。次は何待ちになるのかを考えます。

例題1

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分かりやすさに定評のある、お馴染み例題1はテンパイした時にとてもわかりやすい待ちになりますね。

58をツモると四七待ち(リャンメン)
四七をツモると58待ち(リャンメン)

この考えは、テンパイする牌を把握すると分かりやすくなります。ソーズをツモるとマンズが待ちになり、マンズをツモるとソーズが待ちになります。


例題2はやはり少しだけ複雑になります。

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先に雀頭の完成する⑤⑥67のいずれかをツモるとリャンメン待ちになり、先にリャンメン待ちが完成する④⑦58をツモると単騎待ちになります。

これを例題1のようにピンズとソーズに当てはめると最終的にこう考えられます。

ピンズで雀頭ができる(⑤か⑥ツモ)とソーズのリャンメン待ち(58待ち)
ソーズで雀頭ができる(6か7ツモ)とピンズのリャンメン待ち(④⑦待ち)
ピンズのリャンメンが完成する(④か⑦ツモ)とソーズの単騎まち(6か7)
ソーズのリャンメンが完成する(5か8ツモ)とピンズの単騎まち(⑤か⑥)


ここまで考えられると「○○をツモって□□を捨てると☆☆待ちでテンパイする」ところまで想定することができました。もうここまで書いて既にお腹いっぱいな気分ですがまだ続きます。


考え方その⑤ <役は何か?>


例題の1・2共にテンパイした際は必ず役のある形です。

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例題1はタンヤオ・ピンフが確定しています(メンゼンなら)


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例題2はタンヤオが確定していますが、単騎待ちでテンパイした場合はピンフになりません。つまり、④⑦58ツモの場合役はタンヤオのみ。雀頭が先に出来れば両方。

テンパイした時に役が無い場合も沢山ありますし、役があるテンパイと無いテンパイのどちらにもなる場合や片あがりになるケースだってあります。

例題3

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リャンメンが完成すれば(ツモ④⑦58)一を捨ててピンフになるが先に雀頭の出来る⑤⑥67ツモでは役なしのテンパイ(リーチすれば良い)


テンパイする前に役を考えておくことによって鳴いて進めていけるか、役と効率のどちらをより優先するかなどを考えながら進行していけるようになります。

<考え方その⑤>までで考えられたことは「○○をツモって□□を捨てると☆☆待ちでテンパイし、役は△△、ドラはX個で合計Y翻になる」というところまでです。

ここまで来ればあと残すは


考え方その⑥  <あがった際の点数は何点か?>


自分の手牌に対する考え方も残すところ「点数計算」のみになりました。ではここまでお馴染みの例題1・2と先程登場した例題3で考えてみましょう。全て表ドラは無いものとします。

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例題1は先にどこから完成しても、タンヤオ・ピンフ・赤1は確定しています。ピンフの場合、符はロン30符・ツモ20符と決まっていますから、ロンあがりの点数は3翻30符で子3900・親5800です。ツモの場合はメンゼンツモの1翻が付きますので4翻20符で子1300/2600・親2600オールとなります。

これをリーチした場合、ロン・ツモ共にマンガンが確定し、ツモあがりで一発か裏ドラが1つ乗ればハネマンになります。

リーチした場合を考える際は、プラス1翻(一発か裏ドラ)まで考えておくと今後「相手との条件を考えてリーチするか決める」を学習する際に役立ちます。


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例題2はテンパイした際の形と待ちが2種類のパターンに分かれます。先に雀頭が出来てリャンメンが残った場合は例題1と同じくタンヤオ・ピンフ・赤ドラになります。(点数は例題1と同じなので割愛)

問題はシュンツが先に完成し単騎待ちのテンパイになった時です。(④⑦58を先にツモった場合)

役はタンヤオのみで赤ドラが1枚の2翻。単騎待ちの2符が付くのでロンの場合は40符、ツモは30符です。点数はロン2翻40符で子2600・親3900です。ツモの場合は3翻30符で子1000/2000・親2000オールになります。

リーチした場合ツモはマンガン。ロンの場合は一発か裏があればマンガンですが無い場合は3翻40で子5200・親7700となります。


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例題3の場合リャンメンが完成して暗刻の一を一つ捨てるとピンフになりますのでロンで子2000・親2900、ツモで子700/1300・親1300オールのになります。

リーチした場合、ロンで子3900・親5800、ツモで子1300/2600・親2600オールになり、一発か裏でどちらもマンガンになります。

雀頭が出来る⑤⑥67をツモった場合役がありませんので、リーチをしない場合ロンできません。よってロンは0点、ツモで子500/1000、親1000オールとなります。

リーチしないとツモらないといけないので大抵のケースはリーチするでしょう。リーチした場合はロンで子2600・親3900、ツモ1000/2000、親2000オール。一発か裏があった時はロンで子5200、親7700、ツモはマンガンになります。

ここまでが点数の計算です。


麻雀レベル中級者以上の方の考え方

麻雀上級者はここまでの6段階を数秒で考えます。考えた上でリーチした方が良いか(点数効率)場況はどうか(何枚捨てられているか、相手の手牌はどうなっていそうか、巡目等)点差は何点か?など様々な情報を精査して打牌しています。

当然そこまでのレベルになるためには努力と経験が必要ですが、遊ぶときに必須なものでは無いので「勝ちたい」「早く打てるようになりたい」「プロがテレビ対局で何を考えているのか知りたい」方はぜひ考え方⑥まで勉強してみてください。この6段階のステップができるようになったら「押し引き」の勉強をして勝ち組の麻雀を知りましょう。既に6段階目まで数秒で考えられる方は中級者以上ということになりますのでもっと上のレベルを目指してみてください。麻雀の学習に終わりは無いですからね。


麻雀の勉強を始めた方の目標

考え方その⑤「役は何か?」までを当面の目標としていただければ良いと思います。中級レベルの勉強になりますと点数計算が必須になります。点数計算が出来なくて強い人はいません。点数ができないと確実に超えられないレベルの壁が出てきます。自分の手牌の考え方と一緒に点数計算の練習もしていきましょう。


ながーい記事になってしまい申し訳ありません。最後までお読みいただいてありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

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