僕と彼女のnote
下北沢駅で、小田急線に乗るか、京王井の頭線に乗るか迷っているなか、
喧嘩別れした彼女とすれ違った僕。
僕の名前は、内緒。
喧嘩は、たわいもない喧嘩だったから書くことはよそう。
ただ、俺も悪かったのかもしれないけど、
とにかく会いたくなかった、しかも、なんで東京で?
名古屋県で育ち、地元を離れ上京した僕。
昔から、勉強は人一倍頑張った。無理をして勉強をして目指しているのは薬剤師。
地元でも別にインキャではないし、
部活は帰宅部だがたまにバスケやサッカー部に遊びにいった。学校生活は順風満帆だった。
家は裕福だ。
ただただ、嫌われることもなければ、特別好かれることもない、顔だけの男だ‥と彼女に言われ、僕は激怒し、LINEで謝られても無視した。そんな僕に彼女は未練たらたらだと噂で聞いていた。
しらねーよ。
いちばん言われたくないひとに、
いちばん言われたくないことを言われた。
誰も言わなかったことを。
いま、彼女はいない。
どうしていないんだろう?
それは僕が特別好かれることのない、平凡で、高得点で、つまらない男だから、、、、だなんて絶対認めない。
もしかしたら、
僕って呼ぶのもいやだったのかな?
すれ違った彼女は変わっていた、
以前より、綺麗になっていた。
正直、タイプだった。
『まさき?』
聞こえて振り向いた。
呼ばれた気がした。
違った。
僕ではないまさきを呼ぶ声だった。
紛らわしい、、、、
『ちっ』
『僕』は舌打ちをした。
井の頭線の電車に乗り込み、
真っ先にスマホでnoteを開いた。
彼女がニックネームで投稿していたnoteの最近の投稿を見たかった。
いつも適当な投稿をしていた彼女の投稿だが、
ひさしぶりに昨日、有料記事をあげていた。
『タイトル、まさきへ‥1万円‥?』
有料記事はよくみると1万円で、まさきに当てた内容ならしかった。
なんだろう。
しかもなんで一万円なんだ?
大事なこと?
ふられた恨み辛みか、
それとも、お金だけ払わせて、内容はただの適当な文章だったら、、
薬学部に入れてくれた裕福な家だし、仕送りもバイトの必要がないぐらいにはもらっている僕だが、
元カノの記事に一万円は、、、、気が引けるよ。
僕は迷った。
手汗をかいてきた。
読める期限があるわけでもないのに、
いますぐ決めないといけないような気がして、
駅で座りながら、貧乏揺すりをはじめたタイミングで、
間違えた。
あ、、、
『まさきへ』
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