小説「真昼野ゆず希」

真昼野ゆず希かあ・・・・

安西静香は小さく、ため息交じりにつぶやいた。



地方に住みながら、小さくYou tubeから始めた発信が、

少しずつ広がりを見せ、いまは時々雑誌のコーナーに登場することもある。

自らの生活を発信したり自分の特技を公開して生活しているという真昼野ゆず希。


安西静香はゆず希にジェラシーを燃やしていた。


静香は、カタルというリフォーム会社で営業をしていた。


家族の支援は受けられない、友達とも上っ面の関係で、


信頼できるのは自分だけだった。



自分は、浮気もしないし、夢も追いかけたりしない真面目な人間で、

家にはお金も入れて、暇もない。



家事に追われ、仕事に追われ、

普段はテレビをじっとみるのが休憩、

ただ、寝るのがもったいなくて仕事前だというのに3時ごろまで起きてしまうことがあるところだけ自分を許せないが、

基本的には自分だけは信頼できた。


父と母は25歳の静香が、自立して、

しっかり仕事でも成果を出していることに安心しきって、


心配の連絡をいれてくれることも滅多にない。



なんだかゆず希が気に入らない。


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