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リッチドール哀歌 2023.04.18

5年くらい前、港カヲルさんのライブでレイザーラモンRGさんが曲終わりに「大阪で一番有名な風俗店はリッチドール!」と放ってはけた。みんな大笑いしたけど、あーこれでこの曲はDVDやライブ盤には入らないだろうなぁって思った。まぁその後しっかり商品化されてたけど(笑)

確かにリッチドールは大阪では一番有名な風俗店だったのかもしれない。ぼくも徹夜麻雀明けに「このままだと寝ちゃって大学行けないから、リッチドール寄って帰ろうぜ!」みたいな感じで利用したものだ。ある意味ぼくらのセーシュンを振り返る時には欠かせない存在でもあった。

日の出から営業というスタイル。なので早朝に行くと明らかに家族には「ちょっとジョギングしてくる」って家を出てきたオッサンがいて、その姿にいつも笑ってたっけ。何店舗かあってどうやら最終的に経営者が分かれたような感じだったけれど、コンビニエンスに性を吐き出せる気軽さから人気を保っていた。とにもかくにも安かったのだ。

そんなリッチドールの中でも一番身近だった阿倍野店がなくなっていた。

あべの周辺をカメラ持って散歩している時に、もう何十年もそこにあった電飾看板が消えていた。慌ててその場でスマホ検索したら、去年閉店したらしいと分かった。

マジかよって少し脱力した。もう何年も訪れたこともなかったけれど、ずっとそこにあり続けると思っていた存在がなくなった事実は、少なからずショックだった。リッチドールもまた、よどみに浮ぶうたかただったのだ。

色んなものが消えていく。気が付けば「そういえばなくなったな」と思うものが多すぎる。それはきっとぼくがオッサンになった証拠なのだろう。頭では理解しているけれど、見慣れたものがなくなる現実は、少し切ない。だからこそ、些細な景色を撮り続けないとダメなんだろう。

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