四年ほどで原稿用紙1000枚分書いてみたことなど書きます
【Readme】
この記事はドカス・闇アドベントカレンダー2021用の記事です。
荒々しい言葉遣いが出ますし、頑張って偉そうにしてます。
それら含めて記事の風味であることを理解した上で読んでください。
というのをしようとした没稿です。もったいないから出します。
あいさつ
このようなアンケートを採りました。
前回のクソの役にも立たねえ創作論がよりにもよって役に立ったという話を聞き、今年はより役に立たないことを書くと決意した次第です。
よって、同票でより役に立たないと思われる自身の小説の話、ひいてはそれを記して思ったことについて記していこうと思います。
去年と同じくおおざっぱに行きます。
前回、見に来てくださったあなたがたを作風により「お前」と表現しましたが、今年は後半ドカスの分際で真剣な話をしているので、きちんと書きます。
今年もよろしくな。対戦よろしくお願いします。
この記事には銅の月シリーズの五章までのネタバレについて書かれていますが、そんなこと気にする人間はここにはいないと思うので注意書きはここまでです。
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銅の月シリーズについて
『アンドロイドのドウツキは、目覚めた時すべての記憶を失っていた』。
そんな雰囲気から始まる小説を、かれこれ4年ほど書き続けている。潮流に合わぬそれは、世の中に対して当たり前のように小さなPVと反応の数を示すだけだ。
私はドウツキの行き着くオチといくつかのチェックポイントを決めた上で、ぐるりと物語の大陸を時計回りするよう書いている。現在五章を書き終え、六章を執筆中だ。彼の冒険は折り返しに来たところである。
画面右、機械部分が露出している方が主人公のドウツキだ。
『できることは考えることと少しのかけっこ』。
(イラストは山下和真氏に頼んでいます。いつもありがとうございます)
ドウツキは制作者である博士と、その助手であるアンドロイドの双方の特徴を併せ持つ。よって、彼の五感はセンサーであれど、感覚や感情は限りなく人間に近い。人間とアンドロイドが半々の存在だ。
そして、生まれ持ったハンディキャップとして、文字を書くこと(読みは可)と物理的な発話をすることができない。彼の会話はすべて通信で行われる。通信端末を持つものか、それに対応する魔法を使える者でなければ、彼と意思疎通をすることはできない。
彼は話を聞く意思がない相手には、ジェスチャーでばたつくことしかできない非力な存在だ。そう、彼は主人公だが火力デフレ真っ只中の非力キャラなのである。
彼の旅の道連れや旅の先々で会う人はみんな何かを抱えている。それを必ずしも、ドウツキが直接的に解決するわけではない。ただ、そこにいて、一個人として思うこと、ドウツキはそれを考えて、まっすぐ伝える。
それでほんのちょっとよくなることもあるし、どうにもならない時もある。
聞く気のある人間と相対して、初めて届く通信。それが彼の軸になっている。彼はアンドロイドとして、また想いを背負うものとして、時に残酷な世界を駆け抜けていく。
彼は非力ではあるが、無力ではない。
世界観
基本的には剣と魔法、異種族入り混じるファンタジーだが、アンドロイドがいるようにSF要素が入っている。夜は『魔物』が発生する。魔物の殺意はだいぶ高い。すごく高い。素材も手に入らない。
ここでは人間はあくまで宇宙を漂流し、流れ着いた『地球移民』だ。他の原生種やナチュラルボーンディストピアンである『機械種』をはじめとした立場の同じ移民と、押し合いへし合いして主導権を確保した経歴があり、今は二派閥に分かれている。
他の種族と融和して暮らしていこう派と、いやここで俺たちのファンタジーを展開しようぜ派である。
原生種が追いやられ、地球移民と機械種がほぼほぼ支配権を得るまでのことを『大改訂』と呼び、今作ではそれが一つのキーワードとなっている。
宇宙を漕ぐ船で流れ着いた異世界。
人間はそこを『この世界(ディスワールド)』と呼んだ。
なんで主人公人間じゃないの? 共感しにくい!
人間そっくりに作られたがゆえに苦悩するアンドロイドという概念が好きだからですね……。ただ、この配置の場合、人間だと逆にフラットな視線にならないなと感じたのはマジ。
彼は記憶喪失であるがゆえに、そして清く正しく人間に近い存在である(が、人間ではない)ゆえに、良くも悪くもピュアでいられるのだろう。
Mid_Bird型について
Mid_Bird型は今回の物語に頻出するアンドロイドのタイプ名だ。彼らは人に極めて近く作られた存在であり、機械でありながら人間に酷似した対応を取ることがある。機械と人間、両方の特性に縛られた立場だ。
また、彼らを表現するにあたって芸術品・調度品という言葉が用いられることがある。彼らはその精緻さが売りの機械人形で、決して軍備品であったりするわけではない。
そのように調整しない限り、彼らのステータスは頑張っても一般人(一般地球移民)の域を出ない。
旅の目的
この世界は創造主『かみさま』が明確に存在する。が、先の大改訂で大火傷を負って別の空間で療養している。特にケンカとかしたわけではなく、完全なとばっちりである。かわいそう。
でも無から有を生む創造主である。エネルギーとして使えるかもとか、かみさまならなんとかしてくれる!とか、そういう願望が世界には渦巻いている。
ドウツキは、そうした他のいかなる陣営よりも早く『かみさま』に会って、亡き前身が貰っていた招待状を突っ返さねばならないのだ。
第二の改訂はすでに始まっている。これは地球移民が持ち込んだ空想(ファンタジー)や夢を見ない機械種の現実が、そこにあったありのままの幻想を再起不能なまでにぶっ壊すか否か。そういう瀬戸際の物語なのである。
五章までで一段落ではあるが、今まで触れてきたドウツキの旅の道連れはこんな感じだ。
何か抱えてるひとびと~ミッドバード編~
イラストの一番上、黒髪に死んだ青い目をしたアンドロイドがミッドバードだ。正確には「Mid_Bird-prototype」。限りなく人間に近く作られ、芸術品や調度品として扱われたミッドバード型のプロトタイプ。いわばミッドバード家の長男であり、責任者である。ゆえに、彼のみが型番を名として名乗ることが許されている。逆に言えば型番と共に与えられる名前がない。彼がミッドバードで、ミッドバードとは彼だ。
ドウツキにとっては助言者であり、また、少し過保護な兄である。
彼の家の地下には隠し部屋があって、破損して二度と機能しない弟たちの死体安置所になっている。この点からも分かるように、ミッドは同型機の弟たちを、とても大切にしている。
そして、彼はある人間からの愛と欲望に、深く傷ついてしまった来歴がある。人間にも『人間みたい』と言われることに辟易した彼は、礼服に身を包み、どこか死に場所を探すように放浪を続ける。物語開始時では弟たちの遺体と共に、大陸中央部である機械の街に住んでいる。
暗い。ミッドは機械でありながら人間の寵愛を拒む自分に苦悩している。
けれど、同時にいつかどこかで必ず向き合わねばならないことも分かっている。彼はドウツキに言われて、初めて己の痛みを癒やす一歩を踏み出すのだ。
何か抱えてるひとびと~クローディア編~
中央左がそんなミッドの妹であるクローディアだ。ぱっちりとした金の瞳、最新の人工皮膚を黒いレザーの衣服で包んだお姉さんだ。おしゃれやアクセサリーを好み、人とのスキンシップも好んでいる。
ミッドバード型は全て無性別で、中性的であるが比較的男性に近く作られる(これは制作者が男性だったり、製作コストだったり、そういう話である)。
けれど、彼らは人間に酷似している。AIの成長は必ずしも外殻と同じになるとは限らない。クローディアは元はといえばMid_Bird-001"Craudio(クローディオ)"であり、葛藤の末に男性型から女性型に換装した過去を持つ。
未だアイデンティティに悶え苦しむ兄貴より一歩脱却している。
彼女は理解者のもとで働いているため、実はそんなに困っていない。日々、自分の好きな躯体で好きな生活を謳歌している。
ただし、彼女はドウツキに身分を隠している。彼女の正体は大改訂で切り捨てられたものたちが住まう『棄民城(きみんじょう)』の諜報員だ。
クローディアは主の密命を受け、兄と弟を守りに来たのである。
だが、弟は助からなかった。少なくとも、ドウツキと名乗る前の弟は。彼女は真実を黙したまま、彼を自らの主と引き合わせるよう画策する。
何か抱えてるひとびと~ファニング家編~
右のピンク髪と緑髪は、それぞれ別の原生種の血を半分引く青年たちである。ピンクがロステルで、緑がグリンツだ。
桃の髪は大改訂の折に姿を消したわすれがたみの、緑の髪はその友達として草から編まれたとされるヨルヨリの証。どちらも『かみさま』が作った、この世界本来の住人である。人間とアンドロイドほどではないが、明確に種族間の差があり、ヨルヨリは大改訂によって、無二の友を失った形になる。
二人は岸壁の港町を取り仕切る、ファニング商会の長男と次男だ。だが、二人とも正妻の子ではない。ロステルは正妻の子より先に生まれたせいで跡取り戦争に巻き込まれ、メンタルをぼこぼこにやられている。
オレのせいで家が戦争になってしまったと絶望した彼は、機械種の武器が山盛り詰まった魔法のブローチに魅入られて失踪してしまった。
ドウツキに発見された時、彼は意識をブローチにほぼほぼ奪われ、意義を果たすべく魔物をド火力で破壊するだけの破壊兵器と化している。
こいつの方がよっぽどアンドロイドじゃないか?(※)
(※そういうのは機械種の定めたアンドロイドハラスメントに抵触します)
一方のグリンツは家の諜報員として訓練を受けるという母の対応で、跡取り戦争からは逃れられたものの、兄にロステルにとんでもないコンプレックスを抱えたままだった。何でもできる兄にクソデカ感情をこじらせた弟である。大好きで憧れるあまり、壊れゆく兄を直視できなくなった弟である。
これはグリンツにとっては、適切な距離を得るまでの物語だ。彼はドウツキの旅に同行しない。単身、原生生物にまたがり彼を追う立場にある。
このように家庭内治安おしまいのファニング家であるが、現当主のヴァン・ファニング氏は家庭事情以外はうまくやっている。
六人の兄弟と四人の母。そしてそれぞれについた使用人の泥沼戦争は、それぞれに傷を残した。ドウツキはその傷跡をなぞって、痛みに思いを馳せ、やはり通信にまっすぐ気持ちを乗せる。
結果として、約定はあれどロステルは心と誇りを取り戻す決意をしたし、グリンツは自ら兄に飛びつくのをやめるよう努力している。
弟たちは、わずかな言葉を背に受けて、自ら少しずつ自由に向けて踏み出した形だ。ドウツキはあくまでも、助力者なのだ。
何か抱えてるひとびと~アマナ編~
親の仇絶対殺すガール。それが左下の人外少女アマナである。割と常識は持っている方で、人に対してはおおむね友好的に接し、荒事も率先して解決してくれようとする。思い悩みがちなドウツキにとっては、良いアドバイザーである。なんせ暗くない。毎日楽しそう。
西の人間の拠点、『工業都市』に失敗作としてポイされていたところを育ての親に拾われ、平和に暮らしていたのも束の間。育ての親は配達された呪物で殺されてしまう。
アマナというのは彼女の呼称であるが、他にもアマナは存在する。彼女たちは栄養を摂取し、背中の蔦に木の実を実らせて単一生殖を成す。育ての親の形見の斧を持っているのが現時点で最も強い発言力を持つ個体で、これがドウツキに同行している。
彼女たちは姉妹(?)で結託して親の仇を探している。そして絶対に殺す。これだけは、ドウツキも説得しようがない。和睦はないのだ。
ドウツキは、分かり合えない部分を折り合って、彼女と接している。
なお、五章現在、仇を見つけたのでどうにかして殺そうとしているが、仇もクソ強いので難航している。すでに二敗である。後がない。
何か抱えてるひとびと~ニエルル編~
五章では気の毒なことに、ついに一般人が巻き込まれる事態となる。東に位置する岸壁の港町とは反対側、俺たちのファンタジーを作ろうぜ派の『工業都市(研究都市含めて双子の都市とも)』に住んでいた一般エルフ娘、ニエルルである。
この世界のエルフは森の精霊ではない。『地球移民が持ち込んだ想像上の生命体を人間をベースとして作ったもの』。いわば人工種族である。ドワーフも然り。彼らは総じて魔法生物と呼ばれている。
だが、彼女は自分の根っこが人間であることを強く感じてしまっている。森に暮らし、誇り高く、他者を拒む賢き精霊――そんな種族として設定されたアイデンティティを持てないエルフなのである。
エルフらしく森の警備をしていた彼女は、ちょっとしたことから囚われの身となり、同じく囚われて脱走を試みるドウツキと遭遇する。
彼女はちょっとしたことで驚いたり、戸惑ったり、表情をころころ変える。ドウツキは初めて「同型機でもない」「運命や任務を背負ってもいない」「マジで巻き込まれただけの普通の人」に出会ったのである。
五章でやっと? そっかぁ。
しかし、ニエルルは芯の強い女性である。五章の過酷なラストで散り散りになる中、ロステルと共にドウツキを待ってくれていたのは彼女である。
そう、六章からは彼女も旅の道連れなのだ。六章はドウツキ、ロステル、ニエルルの半分人間三人組で進んで、今まで導いてくれた友人やきょうだいたちを取り返す物語となっていく。
何かを抱えてるひとびと~しかも死んでる~
ドウツキが出会うのは決して生きた者ばかりではない。むしろ、彼はよく『死者』と対面する。例えば、遺された手帳、中身のない墓、あるいは己の腕にきつくしばりつけた刺繍入りのネクタイ。それらに触れて、亡くなった誰かに思いを馳せるのだ。
死んだ者は生き返らない。けれど、誰かが誰かに託した証は残っている。これをパズルのように組み合わせて、彼は改訂された物語を紐解こうとする。
改訂前の世界には、まだたくさんの謎が残っていることにも気づき始めている。かみさまに会うためにも、彼はそれを知らねばならないのだ。
そういう話を1000枚ほど書いた
そんなわけで書いて書いて五十万文字強。1200枚ぐらい書いて折り返しまで来たので、その何の役にも立たない中間発表をあなたに話そうと思う。
この小説は自分を救ったり修行したりするために書いているので、PVや拍手の類いはちょっとあるだけだ。人気作品とは程遠い。単に売れたいならもっと売れる物語の属性とか研究してそれに沿った作品を作った方がいい。いや、ごめん。ちょっとPVとかも気にしてる時はある。そりゃそうよ。全てはほどほどにあった方が良いもの。
ただ、走り続けているうち「救われた」という感想を頂いたことがあって、私はそれで衝撃を受けた。私が私のために書いていた物語で、名も知らぬ誰かが救われたらしい。
まだエブリスタにいた頃だったか。それは読んでくれる人の気配と同じぐらいの力を持っている。希死念慮や絶望感と常に戦う私にとって「もうちょっと生きよう」と思えるだけの原動力になっている。中間発表の根幹、それを表現するならば「ここまで書いた。だから、もうちょっと生きようと思ってる」になるのだろう。
ここはドカスの巣窟のための記事なのであんまりお行儀よく書かないようにしているが、とりあえずこれは生きて藻掻いた証にはなっているのかなというところだ。よかったねって鼻で嗤っていいよ。ここドカスだもん。
四年のうちに体感したクソの役にも立たない創作論
1.負の感情からでも物語は作っていい
ゆるさん!!という感情から小説を作ろうが、よりよい明日を求めて小説を作ろうが、小説を作るという行為には変わりないので、こんな醜い感情で作ってるんだけど、どうしようって場合は安心するといい。
2.どうやったって嫌なメッセージは来る
作ったものに対しても、作者自身に対しても、心ないメッセージは届く。私にも届いた。私のような木っ端にも届くのだから、たぶんあなたにも届くだろう。あるときは徒党を組んで、またあるときは知り合いを扇動して、彼らはあなたを破壊しようとする。
彼らに対してブロックとかミュートとかをすることに罪悪感を抱く必要はないと、やっと思えた。彼らは我々を殺したいわけではない。彼らは殺せる相手を殺したいだけだ。ワンチャン私が死んだら「やった」って喜んでくれるかもしれないけど、その人たちはきっと三日後には、次の敵を探しているはずだ。彼らは攻撃している相手の持っている尊厳や感情を理解できない。相手にするのは止めたほうがいい。
3.自分の作品に向き合う時間を作る
作らないと作れなかった。マジで。何のためにフリーランスになったんだ。これするためだぞ。
4.創作論語りはよくない
なんか創作について語ると作品を作った気になるのでやめた方がいい。拠点にしようと思ってたとこがそういうとこになってて泣いた。
5.死ぬ
死はいつだって突然に訪れる。銅の月を書いている間に、親しかった友人一人を亡くした。死んだ状況も知人から聞いた。人は死ぬと決めたら、死んでしまうのだ。本当に。
祖母も亡くなった。去年の十二月がどうだったか、忙しすぎてあまり覚えていない。ただ、提出する資料作りに必要なワードソフトやプリンターはあった方がいい。
それと、死に対面した時は休んだ方がいい。思ったよりダメージを受けていることがある。鏡を見たら隈のついた怖い顔があったなんてことのないように。
6.寝ろ
よく寝ろ。
あなたの世界を守るために
余談となるが、これだけ大真面目かつ臆病な応対をしていても『お前は私の盗作をした』『お前の正体は別にあるに違いない』『殺してやる』といった意図を持つメッセージを受け取ることがある。
敵を作らないような話し方などを勉強した時期もあったけれど、それはエンカウントを0パーセントに限りなく近付けるだけであって、0にはしてくれない。
だが、作品を世に出すならそういう目に遭うことを覚悟せねばならないという警戒やおそれは不要だ。それより大事なのは、ネットにおける護身術――つまりは、通報の仕方や、自分が辛いと思うラインを知ること。
もし、あなたがそういった残酷なメッセージで怯えたり、怖い思いをしたというのなら、その場合は警察などに電話をして、場合によっては警察そのものだとか法テラスへ行き、きちんと相談をすること。
間違っていたら嫌だな。思い違いであったら恥ずかしい。そう思うかもしれない。だが、あなたの命は一つきりだ。なので、警察への相談は勘違いであってもいいのだ。勘違いを見過ごして死ぬよりはよほどいい。
まず、手元のスマホで、県やお近くの交番のサイバー課みたいなのを調べてみる。で、『前もって電話で相談し、警察に行く場合は良い日にちなども聞いてみる』。セッションとかでやったことあるやつだ。
実際に行く日には、『こういう被害にあったのだ』『どうしてそう思ったのか』『相手をどうしたいのか』を説明できるメモ、『スクリーンショットを印刷したもの』なんかがあると、相手も状況が分かるかもしれない。
結果として動いてくれなくても、少なくとも彼らには『助けを求めにきた人の記録を残す』仕事がある。それはあなたの苦悩を、あなた以外が証明する術になるだろう。それはもしかしたら感情論やなぐさめより、あなたを救うかもしれない。
あなたが物書きを名乗り、あるいは絵描きを名乗って、何らかの創作に手をつけているのなら、あなたはあなたの命を守った方がいい。せめてそれが終わるまでは。
あなたが死ぬと、あなたの世界は誰も守れなくなる。あなたが死んだその瞬間、あなたの世界の時間は止まる。
いつか終わりを望んで、飢えてしまう人がそこにいる。そして私もまた、その一人になってしまった。
だからこのように、あなたに伝えようと思う。
あなたと私の作品に価値があるかなど分からない。あなたの作品に価値があるとして、それがあなたを救うかも分からない。それでも、一度でも想像したならば、あなたの中に世界は在り続ける。
あなたが私のように四六時中絶望していて、あなたを愛せないというのなら、時折でいいから、あなたの世界に目をやってほしい。あなたの世界に息づく人を、片隅にある屋台や、朽ちた庭園に咲く名も知らぬ花を思い描いてほしい。あるいは、その世界の誰かがやってしまった無慈悲な行いや、おそるべき企みを想ってほしい。
私が慈しむと言っているのはそういうことだ。今まで何かしら物語を形にした者にとっては、特別な行為じゃない。あなたの世界は、あなたが目を向けた時、そこに在るのだ。
私は、この記事を読んだあなたが、あなたの世界と向き合えることを祈っている。
そろそろこのクソ記事も終わりである。最後に私の大好きなRPG『イストワール』から、この言葉をもってあなたを見送ろうと思う。
『あなたの物語に、たまには、帰ってきてあげてください』
後半分。頑張ろうか、アンドロイド。
そろそろ私も彼の物語を再開しようと思う。
あなたも良い物語作りができますように。ばいばい。GG。
このクソ記事を書いた人のサイト→mahiportal
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