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【ネタバレ無】東京03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館 感想

ずっとこの日を待っていました。終わった後の余韻が凄い。

3月4, 5日に、「東京03 FROLIC A HORIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館 なんと括っていいか、まだ分からない」が日本武道館にて行われました。東京03 FROLIC A HORICは、東京03と構成作家のオークラさんが、単独公演のようなカッチリとしたものではなく伸び伸びと自由にふざける公演として立ち上がった、コントだけに囚われないエンターテイメントショーです。今回、FROLIC A HOLICで演出、脚本を務めるオークラさんが、Creepy Nutsのライブを見て感銘を受け、東京03と一緒にコントライブがやりたい!と思い、その旨をニッポン放送のラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」で打ち明けたところ、ニッポン放送のイベントプロデューサーの石井玄が企画化し、このイベントが始動しました。

FROLIC A HOLICでは毎回ジャズバンドのGENTLE FOREST JAZZ BANDが参加しており、音楽的要素も欠かせないものとなっていますが、今回はCreepy Nutsが参加するとあってよりその部分が大きくなっています。サブタイトルの「なんと括っていいか、まだ分からない」の通り、コントライブとも音楽ライブともいえない、様々な要素が混在したエンターテイメントショーです。

出演者は東京03、Creepy Nuts、GENTLE FOREST JAZZ BANDの他に、女性ピン芸人の吉住、テレビプロデューサーで最近はラジオパーソナリティとしても人気の佐久間宣行、人気声優の佐倉綾音(3/4のみ)、ももいろクローバーZの百田夏菜子(3/5のみ)、言わずと知れた人気漫才師・オードリーの若林正恭(3/4のみ)、春日俊彰(3/5のみ)と非常に豪華です。特にオードリーは僕も大好きで非常に人気のあるコンビですが、オードリーの出演が発表される前にチケットが売り切れるような公演であることは強調しておきたいです。僕もオードリー目当てでチケットを買ったわけではないです。もちろん出ると決まったときは嬉しかったです。


前置きが長くなりましたが、僕は3月4日の公演を見に行きました。

率直な感想としては、凄すぎて終演後しばらく言葉が出ませんでした。ボーッとしてしまいました。スーパーエンターテインメントでした。各分野のプロフェッショナルが集まっていて、それぞれが複雑に絡み合いながら、邪魔せず、1つのものを作り上げていく様子は圧巻としか言いようがなかったです。


東京03さんが超面白いのは言うまでもないのですが、個人的には吉住さんが全てのコントでフルスロットルで凄かったです。憑依力が凄すぎて、オークラさんの台本に常に200%の回答を出していて、面白さを通り越して恐怖を覚えました。唯一無二で、絶対に吉住さんじゃなきゃ出来ない役で、完璧でした。もし自分がお笑い芸人を目指していたとしたら、今日の吉住さんを見て、確実に芸人の道を諦めていたと思います。吉住さんの単独ライブがあれば今年チケット取って見に行きたいと思いました。

全体を通してR-指定さんの負担がめちゃめちゃデカい構成でした。ラップスキルを音楽パートだけでなくコントパートでも存分に活かしながら、演技力もしっかりあるのでフル回転でした。完全にこの公演の主人公でした。Creepy Nutsさんの持ち曲もバチバチに披露していて最高でした。若林さんが公演後ラジオで言っていたように、なんでこれだけできて遅刻するんでしょうね。いや、遅刻するくらいじゃないと人間としてバランス取れないんですかね。多分。

GENTLE FOREST JAZZ BANDも素晴らしかったです。R-指定さんのラップとの親和性があって迫力がありました。無茶ぶりにも完璧に対応していて、プロの技だと思いました。佐倉綾音さんも「声優の本気」を見ることが出来て、これまた良かったです。声の通りが1人ずば抜けていました。

大好きな佐久間宣行さんを生で見れたのが嬉しかったです。佐久間さんのドリエングッズ、事前物販で1人だけ長蛇の列が出来ていてびっくり。あのラジオはカルト的な人気。僕ももちろん大好きです。佐久間さんの役どころは03とCreepyとの関わりがあって、人気もあってアドリブトークができる佐久間さんにうってつけでした。

オードリーの若林さんは本編後のブロックで主に出演されていましたが、完璧に構成されていた本編をぶっ壊すような展開とアドリブの応酬で最高でした。どことなくオードリーのオールナイトの無茶振りのノリのような雰囲気を感じつつ、これは欽ちゃんイズムなのかなとも思いつつ、これに振り回されている大人たちを見てゲラゲラ笑いました。オードリーのネタライブがプレミアチケット化してしまっているので、生で若林さんを見れるのは貴重な機会でした。


本編最後のコントで画面に飯塚さんが顔がアップになったときに放った言葉、本当に鳥肌が立ちました。03のライブで伏線拾うのは慣れているので伏線を軽く拾ったときは拾ったなあくらいしか感じないんですけど、あまりにもアツすぎる場面で凄まじい拾い方されたらもう堪らないです。ゾクゾクしました。ちょっと泣きそうになりました。飯塚さんの心からの言葉だと思います。

「なんと括っていいか、まだ分からない」というサブタイトル、単純にジャンルレスなエンターテインメントショーというだけでなく、しっかり演者に合ったメッセージが込められていて良かったです。人気者だからこそ抱える悩みだと思うのですが、普遍的なものでもあると思います。だからこそ、飯塚さん、角田さんが放つ言葉のパワーが大きい。ここに持って行くまでの過程も素晴らしいです。


これだけバラバラでプロフェッショナルな人たちを完璧にまとめ上げるオークラさんの構成と脚本は信じられないくらい凄いです。オークラさんがCreepy Nutsの武道館公演を観たときにやりたいと思っていたエンターテインメントはこれだったんだなと実感しました。これだけのものを書いて実現したら燃え尽き症候群にでもなりそうですが、公演前にCreepy NutsとのFROLIC A HOLICの第2弾を考えるくらいまだまだやる気がありそうで驚きです。

センターステージのライブは初めてで、セットもほとんど無いのにどうするんだろうと思っていましたが、エキストラと音を活用して状況を想起させるよう工夫されていました。チケットも即完で360度武道館を埋め尽くしていて凄かったです。14000人くらい入っていたらしい。客層はけっこう若かったかな?Creepy Nutsのファンがアリーナに多かったような気がします。ライブのノリ方がファン層によって全然違って興味深かったです。

FROLIC A HOLICは前述した通り東京03が伸び伸びとふざける公演というコンセプトで立ち上がったものですが、この公演は細かいディテールまで配慮されたカッチカチの公演でした。伸び伸びふざける部分は形骸化していて、他ジャンルの人と一緒にエンターテインメントを作るという部分が強調されているように感じました。伸び伸びふざけられる場は03さんにとって欲しいものだとは思うのですが、03さん(特に飯塚さん)が手を抜けない性格だからこうなったのかなと思います。

だからこそ、最後の若林さんのブロックも含めてFROLIC A HOLICなのだと感じます。前回のザキヤマさん然り。



一生に一度見れるかどうかくらいのクオリティのライブだったと思います。今後これ以上の鑑賞体験ができるかどうか不安になるくらい面白かったです。こんな凄い3時間20分のライブをB席で7800円は安すぎます。もう少しグッズ買えば良かったかしら。しばらくはライブ後の余韻に浸っています。余韻が抜けてもまた余韻に浸れるように、是非とも円盤化してほしいです。そして、オークラさん、また豪華なキャストを集めてまたやって下さい。絶対見に行きます。



終わってから気づいたんですけど、のぶこって本名なんですね。知らなかった。それだけ。


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