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【WildRift】大会環境考察【パッチ2.2A】

 以前の考察→【WildRift】フルパ環境考察【パッチ2.0A】

 比較していただくとよりわかりやすいかと思います。

昨日の大会の感想

 昨日のMadPlay杯に衝撃を受けた方は多かったのではないでしょうか。海外メタを取り入れたMonkey Businessの戦略に、プロチームですら対応に苦心している様子でした。

 海外大会を見ていると、この頃の相次ぐパッチ適用にともなって様々な戦術・戦略が生まれ、お互いに相手を出し抜こうと工夫している印象があります。昨日のMonkey Businessにしても、spソラカのpickはあまり前例がなく、彼らが温めてきた戦略と思います。

前提 参考にした大会など

 日本ではプロによるリーグが始まっておらず、データがあまりにも少ないため、海外公式リーグ(Icon Series)を主に参考にしています。個人的な見立てとして、フィリピン・台湾が①トップチームのレベルが高い②メタを重視したピックが多い、という2点で信頼性が高いと考えているため、そちらをより重視して考察しています。

 ※例えばベトナムは、自分達が時間をかけて用意して練習してきた構成を貫くチームが多く、どのパッチでもjgムンドを使うチームがあったり、Midの第二候補をアニーで固定していると思われるチームがあったり…それはそれで面白いですが笑

戦略

 これまでのパッチで、武器の調整、征服者ルーンの弱体化、AS仕様の変更などがあり、全体的にADC(マークスマン)が試合に与える影響力が下がりました。反対に、タンク装備の増強が入り、ファイターの影響力が上がったように見受けられます。

 以前は試合中盤以降のADCの影響力があまりにも強かったために、duoレーンに絶対的な価値があり、duoレーンを勝たせるためのEUスタイルやドラゴン重視の動きが大原則でした。しかし、今はより柔軟に、jgクリープやリフトスカトルの奪い合いなども含めて試合全体で有利を積み重ねる必要が生まれてきました。

 そこで生み出され、このごろ流行しつつあるのが、MidにSPを置く1-2-1の構成です。Midの枚数を増やすことで、序盤の小規模戦で人数有利を生み出す意図と思います。MidにはADCとSPが置かれ、本来のduoレーンには長射程のメイジ(ジグス、オリアナ等)かソロレーン適正のあるファイターが置かれることが多いです。※登場当初はファイター系のピックが多かったですが、チーム全体の火力をADC一人が担うことは難しいため、メイジピックの方が主流です。

 また、以前猛威を奮っていたスワップ戦法については、序盤のタワー強化の調整が相次いで入ったため、下火となっています。そのほか注目すべき動きとして、ADCの代わりにジグス・オリアナ等を採用する2APC構成を、フィリピンのTeamSecretが採用し始めており、追随する動きが出る可能性があります。

ビルド、ルーン

 ビルドについては、GA・仮面・霊剣・イージスなどの環境を制圧したビルドが逐次弱体化されたため、かなりバランスがとれて落ち着いた印象です。強いて言えば、マナ系の調整によりマナムネの評価が再上昇していることが注目点でしょうか。

 ブーツエンチャントについては、ロケットとリディームを複数積みする意味が薄れたため、ビルドと同じくバランスがとれました。メイジspのピックが増えたため、シャドウの評価がやや上がっています。

 ルーンについては、征服者環境が終わりました。こちらもかなりバランスがとれたと言えます。ねこばばはあってないようなものですが。

ソロレーン

 以前は、duoレーンを勝たせるために集団戦の影響力重視のピックでしたが、今は1vs1で有利をとって小規模戦に寄る需要があるため、ファイター系のピックが主流です。

 アカリ・カミールがOPピックで、Banも非常に多くされています。アカリは「試合を壊す」印象が強いチャンピオンでもあり、とりあえずBanというところもあると思います。カミールはできる仕事が非常に多いのが優秀なピックです。

 次点もファイター系のチャンピオン達が多く、フィオラ・オラフ・グラガス・ダリウスあたりが採用されています。

ジャングル

 ヴァイ、リーシンの採用が依然として多いです。序盤から積極的に動けることが人気の理由でしょう。反対に、ultを覚えるまでの時間帯にやや難のあるウーコンの評価は下がりました。

 ウーコンを含めた3番手以降の序列は難しく、マスターイーとトリンダメアを除いた様々なjgチャンピオンが試行されています。前パッチではムンドはS Tierと言ってもいいレベルでしたが、自身のナーフとイージスのナーフが重なったため、少し使いづらいでしょう。

ミッドレーン

 ミッドレーンと言っていますが、サイドに流れてソロ運用する場合も含めて、本来ミッドレーンに置かれるはずだったチャンピオンを考察します。

 OPピックはジグスです。Banも多くされます。ADCが弱体化された分のチーム火力を補い、小規模戦にはultで強引に介入することができます。また、1-2-1の際、敵duo相手のレーン戦になっても、長射程により容易にさばくことができます。

 同様に長射程ということで、オリアナ、セラフィーンの起用も多いです。オリアナはナーフにより一瞬だけ姿を消しましたが、結局再評価されています。セラフィーンはspとのフレックスという意味もあり採用が増えています。前パッチではここにコーキも入っていましたが、パッシブのナーフがあったため、今後どのような評価になるか微妙なところです。

 ガリオはナーフ前はBan or Pickでしたが、ナーフされて落ち着いたようです。前述の長射程メイジを苦手としていることも気になります。ランク戦で猛威を奮うカタリナ・ダイアナも、大会環境での評価はイマイチ。チーム戦だと警戒され真っ先にフォーカスを受けるため、立ち回りが難しいということでしょうか。

デュオレーン(ADC)

 ミッドレーンと同様に、ADCがミッドに行く場合も含めます。ADCが一瞬ですべてを溶かせる環境ではなく、集団戦で長く生き残って最後まで火力を出す必要があるため、機動力の高いマークスマンが人気です。

 一番人気はカイサです。3スキルとultによって集団戦中に立ち位置を変えることができるので、活躍しやすいです。後半のスケーリングも申し分ないです。

 次点でエズリアルです。3スキルによる機動力+メイジspと相性が良いので環境に適合しています。オブジェクトに集結した敵にジグスやラックスと一緒にウルトを打ち込み開戦する動きも凶悪です。3番手以降はコーキ、ザヤ、ドレイブンなど。

デュオレーン(SP)

 ブラウムか、メイジspか。という環境です。以前と一番大きくメタが変わっているのがspだと思います。

 そもそもspは、アリスターが長らく環境の頂点に君臨していました。レオナ・ラカンなども同系統で、自分から敵に突っ込み、イニシエートするのが得意なタイプのspチャンピオンがトップメタでした。日本国内ではいまだにその傾向が強いと思います。

 しかし、海外大会では、これらのチャンピオンはほとんど姿を消しています。理由はなかなか難しいのですが、①レーン有利からの小規模戦への介入②若干の火力、が求められるようになったからだと考えられます。どちらも、ADCを守り育てるメタから、バランスのとれたメタに移行した影響で生まれたニーズです。

 さて、OPピックとして挙げられるのは、ブラウムです。Banもかなり多くされています。パッシブによるスタンが、序盤の小規模戦では無類の強さを発揮します。流行りの長射程メイジの攻撃も盾で防ぐことができます。

 次点以降はメイジspです。メイジspについても、以前とは考え方が変わっています。これまで環境上位に挙げられていたチャンピオンは、ルル・ジャンナなど、ADCを守ることが得意なspでした。しかし今の人気ピックは、チャンスメイクや、ファイターの支援に長じたチャンピオンです。

 現環境を象徴する存在が、ラックスです。1-2-1の採用と同時期に、急激に評価を上げてきた印象です。必殺と言っても差し支えない1スキルの長時間スネア、狭い場所での戦いに強い2,3スキル、そしてspとは思えない火力をたたき出すultと、非常に攻撃的なスキルセットを持っています。その分、運用難易度は高いので、プロシーン以外でどれだけ人気が出るかは不明です。

 セラフィーンの評価も高まっています。集団戦で強力なスキルを数多く持っており、ファイター同士の殴り合いのような展開になったときに生きてきます。ウェーブクリアが速いため、レーン運用とのフレックスピックにできることも追い風です。

 その他、ジャンナ、ソナ、ナミなどもピックされており、メタを追う上では、spは引き続き注目したいロールとなっています。

最後に

 私が考察しているのは、あくまでメタ=流行りの戦略であり、ゲームの正解ではありません。来週の国内プロ戦、日本のプロチームが海外メタを取り入れた戦略を見せてくれるのか、はたまた日本オリジナルの「回答」を見せてくれるのか、非常に楽しみなところです。

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