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手話言語条例に想う

ついに3月に入った。3月というのはお別れ、旅立ちという風潮であるわけだかもう一つ忘れたはならないのがこの手話言語条例が制定する新しいスタートの月でもあるということをみなさんに知っていただけたらと思ったわけである。しかし、ここで紹介しきれなかった部分がある。

 最終的に目指すのは、「手話言語法」の制定・施行であると何度も声上げているわけであるが、この言語法制定を政府に求める意見書を実は、北海道議会として再採決する取り組みを行ったことを紹介する。(※「日本聴力障害新聞」2020年11月号より引用)

この取り組みは、一歩前進なのだ。北海道議員の理解が進んでいることが伺えるわけだか、日本全体として舵とる国会議員の働き掛けをもっと高めなければ、総理大臣の判断にはまだまだ遠いところでもある。まだ北海道全体として条例施行の取り組みをもっと活発的に事例を積み重ねなければ、実績重視での先例にとった判断の材料が情報不足しているので国としても言語法の必要性をピッと感じないわけであろうと私は考える。

 以下、北海道議会で提出され採決した意見書(2020年10月2日本会議にて再採択したことは全国でも初めてである。)を引用する。この意見書を出せば良いというわけではなく、取り組みの中でも実績をアピールすることが大事なのにまだ北海道としてのアピールのような取り組みはまだまだ少ないのだ。口添えで進めていく現状では、道民への浸透が低いのも当然である。意見書を出していく必要というのは、法制プロセスとしての話として難しい真面目な話であるが、豆知識として知っておかないと言語法が作れないのかという背景がわからない私たちが主張するのは限界だ。だからどういう流れで進めているのかを触れていきたい。

実は、法律は案をつくるところから始まる。この際に「どこが法律をつくるか?」ということでプロセスが少し変わるのだ。その『どこが』という主体者には2通り。国会議員が法案をつくる「議員立法案」と、内閣が法案をつくる「内閣提出法案(閣法)」である。

■内閣提出法案(閣法)
内閣が提出する法律案の原案の作成は、それを所管する各省庁において行われます。まず、各省庁は所管行政の施策目標を実現するために、必要に応じて新たな法律の制定又は既存の法律の改正若しくは廃止の方針を決めて、法律案の第一次案を作成します。この第一次案を基に関係する省庁との意見調整等が行われます。更に、審議会に対する諮問又は公聴会における意見聴取等を必要とする場合もあります。そして、法律案提出の見通しがつくと、提出用の原案を作成します。                      この原案に、内閣法制局による予備審査が行われ、現行法との整合性や立法内容に妥当性があるか等をチェックし、内閣官房を通じて閣議決定されることで国会に提出がされます。ちなみに日本においては、大多数がこの内閣提出法案で、その成立率も2009年~2018年では、約81.5%(808法案中659法案が可決)と非常に高いものとなります。
■議員立法
議員立法は、衆議院では20名以上、参議院では10名以上の賛成がないと提案することができないこととされています。また、予算を伴う場合はそれぞれ50名、20名以上の賛成が必要となります(国会法56条)。
※衆議院においては、議員の所属する会派の機関承認がない場合、法案の発議は受理していない。

この2つの違いがあって、私たちが求める「手話言語法」は議員立法で法を提出する。つまりは、議員の賛同を増やすことから努力しなければならないという方法をとっているわけであり、意見書は都道府県の声として重要なステップになるわけである。意見書を受け取った国会議員がさらに動きを拡大することによってそこから、国会で審議が始まるのだ。現在、参議院と衆議院それぞれその声が届いているので審議が始まっている動きがあるようですが、まだ少ないそうです。(参議院:令和元年度第200回国会にて「手話言語法案」を提出する)

 このように法制プロセスを簡単に伝えたが、これを知ることで改めて言語法の制定には時間が必要ではなく、私たち一人一人の働きがけ(理解・認識度)がどれだけ多くしていくのかという社会参加が大事になるのだ。では、言語法の必要性としてわかりやすい実績とはなんだろうか。教育面で見たことを取り扱ってみた。次は生活面での情報を整理した上で、新しく動画を作る予定である。まずは、教育面の現状を知っていただくためにぜひ視聴してもらえるといい。これが第10回「手話言語条例制定4周年を迎える」であるので、ぜひ視聴してもらえば嬉しい限りである。