なにも得ることはない読書

ここ数ヶ月、転職活動の情報集めのためにネットを徘徊しては苛立つというのを繰り返している。
現役大学職員が語る!複数の大学から内定を得たボクが教えます!◯◯は面接不合格のフラグ!?就活エージェント、こういう転職はダメ、30歳で非正規はヤバい!
無責任な情報が溢れかえる。事実かもしれないしそうじゃないかもしれない。
こちらも必死だからなんとか役に立つ情報が欲しいのに、明らかに転職エージェントの広告だったり情報が矛盾していたり、ひたすら人の不安をあおるものだったり。
お役に立ちますよ!って顔で無責任な自慢、営業。嫌になる。
そんなバカなサイトを作っている見ず知らずの人間にも、その記事に落ち込んでばかりの自分にも。
大学という場所はやっぱり好きだ。
でも、フラれ続けてばかりいる。
ネットには大学職員は楽で高給で最高!と宣う大学職員が溢れていて、自分はそれよりも劣っているという事実に余計苦しくなる。

インターネットは欲しい情報がぱぱっと手に入るのが最大の利点のはずなのに、肥大化しすぎて嫌な情報ばかり目に入るようになってしまった。
最近、そんな嫌な現実から逃れるように本を読んだり映画を観たりしている。
本や映画、それも就活情報系のものではない、純粋なエンタメ系ばかり読んでいる。
小説や映画は、直接的に有益な情報をもたらさないから良い。
もたらしてくれることもあるけれど、例えば「迷路館の殺人」を読んでも翌日の大学職員採用試験には特に役に立たない。
それでいい。それがいい。
役立つことばかり追い求めるから、私はこんなに疲れるのではないか。
役に立たないことに時間を割く、というのはこの上ない贅沢だ。インターネットのお役立ちサイトは与えてくれない時間を与えてくれる。
明日は面接、のために休みを取っていたけど、もろもろの事情により辞退した。
本来なら勉強するべきだろうが、小説を読んだり映画館で映画を観たりしたいと思う自分がいる。
どうしようかな。
いいかげん、転職活動は嫌になってきた。だって、茶番に付き合わされた挙げ句、紙きれ一枚、メール一本で見捨てられるわけだから。
自分を削って準備し、面接を受け、否定される。ふりだしにもどる。
自分で自分が嫌いになる。
自分を大切にしたい。そのために、時間の無駄遣いをしたいな、と思う。
逃げ出したいなあ。でも、逃げちゃったら仕事、いよいよ見つからないだろうし。
逃げなくても見つからないんだけど……。
私、笑って退職できるのかな。みじめな思いをしながら退職の挨拶、なんて嫌だなあと思っている。
非正規で無職寸前で、どれだけ必死になってもテンプレ貴意に沿いかねるメール、紙きればかりもらってじゅうぶんみじめだけど。
今、結果待ちの採用試験、奇跡的に合格していないかな、なんて期待しちゃう。
そんな期待したら、ダメだったとき余計にみじめな思いをするというのに……。

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