「あのマンガ、もう一回だけ読ましてくれ…」5〈アングラやふしぎマンガ編② ~「いちばん強烈なつげ義春作品は何?」「ヨシボーの犯罪とかの時期の諸作品に夢日記とか、シュールなリトグラフとかね、いまのような三次元が続くなら世界的な作家として残るかもね」~ほか〉
模話1「アングラマンガ②だね」
模話2「アングラマンガだけ追いかけたわけじゃないよね?」
模話1「うん。幕の内バイキング志向ですんでね」
模話2「ガロ的な世界の道案内の知人はいたんでしょ?他人軸だし(笑)」
模話1「なんだよ、そうだけどさ(笑)。結局、マンガの好みは音楽も似てしまうというかね、類は友を呼ぶ法則だね」
模話2「奇をてらうといわれたこともあるんじゃない(笑)」
模話1「そのとおり。はったりって言い方もできる(笑)」
模話2「ひねくれた卑屈な感じは否めないな(笑)」
模話1「そうだね。泉谷さんじゃないけどね、バカヤローじゃなくて素直に好きだって言えばよかったことはおおし(笑)」
模話2「まあ、みんなそういう時期は通過するんじゃないの?話戻すと道案内の知人から何がもたらされたか教えてよ」
模話1「おう。Jくんはすごいマンガコレクターでさ、勉強部屋全部がマンガの本棚だったのよ」
模話2「確か2冊買う人でしょ?」
模話1「うん。大友克洋とかの貴重なコレクションはガラスケース入ってたかな?それで保存用に普段読むのと2冊あるわけさ」
模話2「お金かかるよね」
模話1「吾妻ひでおさんの同人かなんかを高校時代にやってて、すごいやつだったのよ」
模話2「音楽も話が合ったの?」
模話1「いやあ、彼のうち遊びにいくとMTV見られるし、洋楽もたくさんあったけど同レベルだったから、そこまで影響はなかったね。マンガはよく知ってたから、いろいろ学んだよ彼から。大友克洋さんの初期短編とか丸尾末廣さんとか川崎ゆきおさんとか…。あと難しい菅野修さんとかの系統も。飯田耕一郎さんみたいなコム系?もあったね」
模話2「他の道案内の人は?」
模話1「一年上の先輩ね。主に音楽の影響受けた先輩だけど、マンガでも泉昌之さんとか蛭子さんとかガロ的な世界を教えられたよ。ひさうちみちおさんとか平口さん根本さん、安西水丸さん、ねこぢるさんのだんなさんとかさ、名前出てこない(笑)」
模話2「その後にリアルタイムガロ系にまではまるわけね?」
模話1「まあね。友沢さんとか逆柱さんとかね。でも並行して山松ゆうきちさんとかかわぐちかいじさんとか…これは近代麻雀オリジナルとかの竹書房の麻雀劇画の影響もあったけどね。さらに古い劇画で面白いのもあったから。かわぐちかいじさんが大ブレイクの要因のひとつには麻雀劇画での大成功があったと信じてるよ(笑)」
模話2「アングラマンガと並行して正当派のモーニングにスピリッツという最先端のマンガ周辺も好きだったんだよね?」
模話1「うん。日本のマンガ史をリードしたよね」
模話2「ガロ的な世界はどうとらえたの?」
模話1「投じられた一石」
模話2「どういう意味?」
模話1「一石ってのは偉大な功績で、勇気がいるし、天才的な偉業だよね。むしろ一石のほうがたいへんだし、真似はできないってことだよ。ビートルズもバートヤンシュもその偉大さを比較はできないじゃん?ある意味別ジャンルだよね。ガロもモーニングも日本マンガ歴史の金字塔だってことだよ」
模話2「結局、マンガ好きなんだね(笑)」
模話1「だね。支えられました。今でも諸星大二郎先生は捨てられましぇん(笑)。今回触れてないけど数多くのマンガ家さんを読んできたよ。いがらしみきおさん、吉田戦車さん、とがしやすたかさん、山上先生みなさまがた」
模話2「つげ義春さんは読まなくなったのはなぜ?」
模話1「う~ん、ジミヘンやストーンズを聴かなくなった理由に近いかな?」
模話2「影響力強いってことね?」
模話1「いわば本物ってことね」
模話2「つげ義春さんのすごさって何?」
模話1「ロックと同様に、悪夢を心地よく感じてしまうんだよ。その悪夢を何度も読み返したくなる。中毒性、麻痺性の強さかな。あの見たことないような世界は実際に○○アストラルにあるんだと思うよ。逆柱さんとか同様に。○○アストラル系西洋絵画作品レベルで強烈だから」
模話2「覚悟が必要ってことか(笑)」
模話1「好きな人間は覚悟してはまってるだろうから(笑)、まあがんばればいいよね(笑)」
模話2「いちばん強烈なつげ義春作品は何?」
模話1「ヨシボーの犯罪とかの時期の諸作品に夢日記とか、シュールなリトグラフとかね、いまのような三次元が続くなら世界的な作家として残るかもね」
模話2「けっこうしゃべっちゃったね(笑)。また違う角度でやろうね」