【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立ってみよう⑭【人生初ステージ4】~」
「S、なんでひとり?」
「精神統一?イメトレって感じすかね…」
「おまえ、緊張しないのか?」
「あんまりしませんかね?」
「他人事か?さっきビデオカメラでパーティ会場を撮影しながらで調子づいてたよな。余裕あるんだなと思ったよ」
「コグレさんはこういうとき緊張するんすか?」
「うん。昔卓球部の試合でも緊張して実力を出せない感じありさ。重圧に強くはないかな」
「おれ、運動部入ったことないんでわかんないす」
「何部?」
「ママとフラメンコギターやったり、ボランティア活動とか…帰宅部ですけどね」
「ママ?…ぷ」
ツボにはいった。
「何に対してバカにしてますか?」
「え…く、くるしい~」
「ママをバカにしてますか?」
「ママってよんでんの?ははははは」
「いいじゃないすか」
「ママンはギター?」
「ママンじゃなくてママです。ギターじゃなくてフラメンコです」
しばらく笑いをおさえられず悶絶した。
そこへFとDが勢いよくやってきてこう言った。
「コグレさん、バンドタイムの予定早めてそろそろ始めますよ!」
体が急な緊張で吐きそうになった。
いよいよ人生初ステージ…逃げ出したい。
正直ユキオはびびった。