ブースタードラフトをやってみましょう!【リミテッド】
時代が変われば当たり前の風景も変わるもので…
現在、MTGを多人数でやる代表的な遊び方は統率者で、イベントがあれば多くの人が参加しています。
毎週のように店舗大会も行われ、全フォーマットの中でもトップクラスに人が集まっている印象を受けます。
多人数でMTGを遊んでいる当たり前の風景ですね。
はるか昔のこと…
毎週のように店舗大会が開かれ、多人数でわいわい遊んでいたのはブースタードラフトという遊び方でした。
現在でも店舗大会で定期的にやっているお店もありますが、ずいぶん減っちゃった印象を受けます。
みんなでパックをむいて、色々と雑談しながらカードを選んでいく風景は、今ではなかなか見ないものになっちゃいましたね…
…さて!!
昔を懐かしんでしんみりしても意味がないので、現在でもブースタードラフトは面白いよ!新パックを堪能するうえでもやってみようよ!という話です。
基本的にはMTGやってるけどブースタードラフトやったことないよ、って人に向けた内容なのでご了承ください。
ブースタードラフトって何?
そもそもMTGは大きく分けて2つの遊び方があります。
1、自分のデッキを持ち込んで遊ぶ「構築」
スタンダード・パイオニア・統率者などは全部構築ですね。
2、パックを開けてその場でデッキを組む「リミテッド」
ブースタードラフト・シールドなどはこっちに該当します。
有名なリミテッドのイベントはプレリリースでしょうか。
新パックが発売する1週間前に開かれるイベントで、その場でプレリリースキットを開けて、出てきたカードでデッキを組んで対戦します。
新パックのカードでいち早く遊べるので現在でも人気がありますよね。
ただこの方法だとプレリリースキットを開けて「強いカードが入っていた人が強いデッキを作りやすい」という状況になりやすく、パックの内容の運が勝敗に直結しちゃいます。
この運ゲーの要素をもう少し下げて、技術の要素を上げたリミテッドがブースタードラフトです。
ではブースタードラフトがどんな遊びか。
簡単に手順を説明するとこんな感じになります。
①参加者はそれぞれブースターパックを3つ用意して着席。
昔は「ドラフトブースター」という名称のパックで、現在では「プレイブースター」という名称です。
これを3つ用意してください。
あとはゲームを遊ぶ際にスリーブはほぼ必須なので、予備も考えてスリーブを40~60枚くらい用意しましょう。
それぞれパックを用意したら、参加者は1つのテーブルを囲むように座ります。
なお座る場所は、不公平にならないようランダムに選ぶといいでしょう。
このあとカードを選ぶ際に重要になるので。
基本的に人数は8人でやることが多いので、ここで挙げる例では8人にしておきます。
やろうと思えば3、4人くらいでもやれますし、10人以上でもできるのであまり気にしないでください。
②カードを選んでいきましょう。
参加者全員の用意が出来たら、自分の持っている3パックのうち1パックを開きましょう。
MTGの場合は、どのブースターパックでもだいたい15枚程度のカードが入っています。
ここでは1パック15枚として話を進めますね。
ブースターパックの中には基本土地とゲームカード以外のトークン・広告カード・アートカードが入っている場合があるのでこれを取り除いてください。
この中から自分が欲しいカードを1枚選びます。
選んだカードは他の参加者に公開せず、裏向きに伏せて手元に置いてください。
そして全参加者が1枚選んだら次に進みます。
参加者全員が一斉に、自分が選ばなかった残りのすべてのカードを隣の参加者に渡してください。
あとはこの手順をカードがすべてなくなるまで繰り返します。
15枚のカードが入っているパックなら、15回これを繰り返したら1パック目は終了です。
1パック目が終わったら、全員で2パック目を開けましょう。
やることは1パック目と同じですが、今度カードを回す方向は逆回りになります。
基本的に1パック目は時計回り、2パック目は反時計回り、3パック目は再び時計回りで回すのが一般的です。
こうして2パック目が終わったら、3パック目でも同じことを繰り返して終了です。
手元には自分の選んだ45枚のカードがありますね。
この45枚と基本土地を使って遊んでいきましょう。
③デッキを組みましょう。
さて、リミテッドのデッキは40枚以上で組むことになっており、基本土地は無制限に使用することができます。
40枚でデッキを組む場合は
ドラフトで選んだカード21~23枚+基本土地17~19枚くらいで組むといいと思います。
つまり選んだ45枚のうち、半分くらいのカードを使用することになりますね。
また、リミテッドのルールとして同名カードの枚数制限はありません。
統率者なら同名カードは1枚、スタンダードなら同名カードは4枚という制限がありますが、リミテッドでは気にしないで大丈夫です。
極端な話ですが、仮に同名カードを10枚ピックしていた場合、それらをすべてデッキに入れてもOKということですね。
なお、構築する際に使わなかったカードはすべてサイドボードとして使用することができます。
さて、デッキが完成したらあとは対戦相手と遊ぶだけ!
これがブースタードラフトの基本的な遊び方です。
最後に。
ここでは省きましたがパックによって細かいルールが設定されている場合もあるので、はじめる前に確認してみるといいかもしれません。
両面カードが入っているパックや、基本土地の枠に別のカードが入っているパックなど、例外がありますので。
④遊び終わった後に。
最後に、遊び終わったあと出てきたカードをどうするのかまとめます。
これらのカードをどうするかは最初に決めておかないと絶対にもめるので遊ぶ前に必ず確認しましょう。
基本的にブースタードラフトで出てきたカードをどうするかは2種類の方法があります。
1、取りきり
自分が選んだカードをそのまま自分のものとして持ち帰ることができる方法です。
2、順位取り
パックから出たカードすべてを一か所に集めて、ゲームで戦績が良かった人から順番に1枚ずつ取っていく方法です。
どちらの方法もメリット・デメリットがあるのでまとめておきましょう。
・ゲーム中のカードの扱いに気を使うかどうか
順位取りの場合は自分が遊んだカードが誰かのものになります。
なのでスリーブを使わないで遊ぶなど乱雑に扱って、カードの状態を悪くしてしまった場合はトラブルの原因になりますのでご注意を。
遊んでいるカードをいつも以上に丁寧に扱う必要があります。
取りきりだと、絶対に自分のものになるのでそこまで気を使う必要はありません。
つまり
順位取り→遊んでいるカードは他人から借りているもの
取りきり→遊んでいるカードは自分のもの
と考えてください。
・途中棄権が可能かどうか
やむを得ない事情により途中で棄権して帰らなければならない時ってありますよね。
そんな時に取りきりであればそのままカードを持って帰ればOKです。
ところが順位取りの場合はそうはいきません。
だってゲーム終了後に全員分のカードを集めなきゃいけませんからね。
つまり順位取りだと、イベントの途中棄権がとてもめんどくさいことになります。
このようなトラブルへの対処法はイベントによって違うと思うので、詳しくは主催者に聞いてください。
なので店舗でのドラフトイベントは取りきりで行われることが多い印象です。
・ゲームの空気感が違う
取りきりの場合はゲームの空気感がちょっとゆるい印象、反対に順位取りの場合は真剣勝負を楽しむ空気感な印象です。
順位取りだと戦績によって最後にいいカードが手に入りますのでそりゃそうですよね。
取りきりだと戦績がどうであれ自分の手元に残るカードは変わらないので、のんびり遊ぼうってなることが多いです。
基本的に店舗のイベントだと、取りきりだけど戦績によって追加の賞品があるというケースが多いですかね。
ざっくり特徴をまとめるとこんな感じです。
以上、ブースタードラフトの概要でした。
長くなりましたが、わいわい雑談しながらカードを選ぶ瞬間は統率者とはまた違ったパーティーゲーム感が味わえるので面白いですよ。
カードを選ぶ時は何から取るべき?
さて。
簡単に概要は伝えましたが、いざブースタードラフトをはじめると何から取っていいかわからないってことがあると思います。
別に私も上手いわけではないので偉そうなことは言えませんが、何となくこれを優先して取った方がいいよって内容をまとめますね。
パックによって状況も変わりますが、どのパックでもだいたい共通している基礎的な部分だけを書いていきます。
あくまで初心者に向けた内容ですから。
優先順位1 金額
はい。金額です。
高額カードが出た場合は、リミテッドで強いかどうか関係なく迷わず取りましょう。
もちろん取りきりの場合のみですけど。
これについては批判する人もいますが、私は全然ありだと考えています。
そもそも初心者がブースタードラフトをやるメリットは、①遊びながら、②MTGの練習にもなって、③自分の欲しいカードを手に入れることができる。
この3点だと思っています。
自分が欲しいカードを入手することや、高額カードを入手することは恥ずかしいことではありません。
MTGをはじめたばかりの人などはカード資産も少ないでしょうから積極的に取っていきましょう!
別に自分には不要なカードであったとしても、高額カードならとりあえず取っておいて、あとでお店で売ればお金になりますし、トレードの種にもなりますよね。
カルロフ邸の2色土地などは、ブースタードラフト的には初手にとるカードじゃないですが、金額的には絶対取るべきカードです。
優先順位2 いわゆるボムレアと呼ばれるもの
爆発的にアドバンテージがとれるカードや、盤面をひっくり返すカードで、よくボムレアと呼ばれることがあります。
どうしてもリミテッドはコモンアンコのクリーチャーでこつこつ殴り合うことが多いため1枚でそれらをひっくり返すカードは本当に強いです。
代表的なものだとクリーチャーを全破壊するカードなどですね。
これはどんな環境でも強い!
対戦相手が何枚もカードを使って築いた盤面が一瞬で崩壊します。
他にも大量にカードを引く効果や、トークンを異常な数出せるカード、飛行や絆魂などを持っているデカいクリーチャー、プレインズウォーカーといった、相手が対処できなければ即勝てるカードはオススメです。
優先順位3 クリーチャーの除去カード
リミテッドはクリーチャーで殴り合う環境です。
相手がどんな強力なクリーチャーを出しても除去できれば問題ないですよね。
場合にもよりますが、除去はボムレアに匹敵する可能性があります。
黒は破壊やマイナス修正、白は限定的な除去や追放、赤は火力、緑は格闘と各色に揃っています。
最近では青もタップしてアンタップできない、というような疑似的な除去が増えていますね。
こういった除去カードは優先してとるといいでしょう。
ただ、いくら除去が強いからって4マナとか5マナとかの除去をとりまくっても流石にコストが重すぎて使い物になりません。
なにごともバランスが重要です。
優先順位4 回避能力持ちのクリーチャー
飛行やブロックされないなどの能力を一般的に回避能力と呼びます。
リミテッドでは地上の生物がたくさん並んで硬直状態になることがとても多いです。
そんな中、空から攻撃できれば圧倒的に有利ですよね。
リミテッドでは構築以上に飛行持ちが強い
どんな環境でもこれを覚えておくといいでしょう。
地上をタフネスが高いクリーチャーや、接死を持っているクリーチャーで固めて、空から殴る…
これだけで相手に除去がなければ勝てたりします。
優先順位5 色に合ったわきを固めるカード
以上の優先順位2~4のカードを最初に取り、自分の組めそうな色を決めます。
ある程度この色でいけそうだぞ!が決まったらその色に合ったカードを選んでいきましょう。
例えば
1手目に強い白のボムレア
2手目に黒の除去
3手目に白の強い飛行クリーチャー
みたいな感じで取れた場合、私だったら白か黒の地味だけど堅実なカードを取っていきます。
具体的には色のあった2色土地や、2マナ2/2、3マナ2/4みたいな序盤を支えてくれるクリーチャーなどですね。
地味ながら大活躍します。
パックによってどんなクリーチャーが強いかは変わってくるので、絶対にこれがいいとは言えませんが、こんな感じで選んでいけば大失敗はしないと思いますよ。
最後に
以上、ブースタードラフトの概要と優先順位をまとめました。
普段遊んでいるときに私が何となく考えていることをまとめただけですので、より上手くなりたい方はもっと上手なプレイヤーの記事を読んでみるといいと思います。
発展的な話になるのでここでは書きませんでしたが、実はパックごとに「この色とこの色の組み合わせはこんな戦い方が有利だよ」ってものが設定されていたりします。
ぜひ確認してみてくださいね。
リミテッドはMTGの魅力の1つです。
リミテッドは、デッキ構築のバランスやクリーチャーの戦闘、MTGの基本的なルールなどを学ぶことができます。
リミテッドは、様々な事情でMTGを引退した人が「久々にMTGで遊びたいな」と思った時に手ぶらで遊べます。
リミテッドは、各セットのカードの大半を使用して遊びます。
仮に新セットが出ても、構築ではそのカードの1割も使用しないのではないでしょうか?
リミテッドをやらなければ、2マナ2/2のコモンカードなど見向きもしないでしょう。
ところがリミテッドをやるとこれが大活躍したりします。
各セットごとの魅力や愛着を深めることにもつながりますので、普段構築しかやらない人にもぜひリミテッドをやってもらいたいなと思っています。
長くなりましたが読んでくれてありがとうございました。
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