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#57 瑞松院脇の路傍のお地蔵さま@谷中

近くにある床屋の店長さんがバイク通勤を始めていた。以前までは地下鉄で通ってきていて、よく言問通りですれ違う時に挨拶をしていたが、最近会わないなと思っていたのだけれど、今朝、原付バイクに乗り、信号待ちをしているのを見かけた。ヘルメットをかぶり、マスクをしているので、すぐにはわからなかったけれど、目があって、お互い挨拶をすべきか躊躇しているうちに信号が変わり、原付バイクは通り過ぎて行った。あとから、あああれは店長さんではないかと思った。僕もマスクをしているし、以前は角刈りだったのだけれど、コロナの影響で床屋にはいかなくなったので、かなり髪の毛が長くなっている。
電車通勤をやめている人が増えているんかもしれない。

僕は家から徒歩で1時間程度なら必ず歩く。
もともと電車やバスに乗るのが億劫だからだ。
意外なことに歩いて1時間で行けるような場所だけれど、電車やバスを使うと30分はかかったりする。
ならば、30分余計にかかるけれど、お金はかからないから歩く。
そして、こうして歩けば、お地蔵さまとも出会う機会が多くなる。

谷中方面へ向かう場合、言問通りから不忍通りへショートカットする道があるのだけれど、ここには瑞松院さんの壁が続き、そこにお地蔵さまがいらっしゃる。いつも、手を合わせている。

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先日、逆方向から歩かれていた中年のご婦人が、しゃがんでお地蔵さまに手を合わせていらっしゃった。なので、僕は少し待つかんじで、距離を置いて、立ち止まったのだが、お参りを終え、立ち上がったご婦人は僕を求めて「とってもいいお顔のお地蔵さまなの」と僕に話しかけてきた。「そうなんですか」と返し、僕もお地蔵さまに手を合わせた。

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かなり時代が経過していて、その表情などはうかがいしれないが、顔は下を向いているように見えて、耳が大きく、目をつぶっていらっしゃる。
たしかに、ご婦人がおっしゃる通り、とてもいいお顔をしていらっしゃるように思える。

手を合わせながら、お地蔵さま、どうか新型コロナウィルスから人類をお守りくださいとお願いをした。
案外こんな路傍の何気ないお地蔵さまが願いをかなえてくれそうな気がする。

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僕はこういった路傍にいらっしゃる名もないお地蔵さまが大好きだ。お寺の境内などにあるお地蔵さまはなんだか守られているような気がするが、こういった路傍のお地蔵さまはいなくなってしまわれてはいないかといつも心配していて、いらっしゃるとホッとする。


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2018年に還暦を迎えたフリーライター。ビジネス系のライターからその後フェチ系の原稿を書く機会が多くなる。2003年、45歳のときに糖尿病と診断されたが、110kgあった体重を70kgに落としたら、数値も安定。本名の増田剛己でも著作がある。CS朝日の「ぶらぶら町中華」出演中。