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『わにわに新聞Vol.2』では、ほぼ自分の考えていたものに近づいてきた

創刊号が平成元年の4月24日だったが、第2号は一週間後の5月1日付けで発行されている。割とすぐに発行されたのだと驚く。週刊にしようとしていたのか、今となってはその頃の気持は思い出せない。ちなみに当時のカレンダーを見てみると、4月24日も5月1日も月曜日である。

今回改めて読んでみると、僕が思い描いていた形に近くなってきているといえる。つまり、伝言ダイヤルの会報誌というスタイルの定期刊行物だ。

わにわに新聞平成元年5月1号

創刊号のところにも書いたのだが、僕は伝言ダイヤルの会報誌のようなものがつくりたかったのだ。声の伝言を聞くことで、そういう人物がいることはわかるのだけれど、その人のことをもっと知りたい。そのために伝言ダイヤルのサブメディアみたいなのがあればいいなと思ったのだ。
そこで、第2号は、宮さんに原稿をお願いした。宮さんはシャクハチダイヤルの大家さんだ。シャクハチダイヤルというのは1008トリプルという伝言ダイヤルにおける番号になる。ここでいう大家というのはその番号を維持、管理している人だ。伝言ダイヤルは語呂合わせで番号が作られることが多いのだが、1008がシャクハチだというのは、無理があるだろうとは思った(笑)
 伝言ダイヤルは誰でも知っているようなオープンダイヤルとごく限られた人しか知らないパーソナルダイヤルがあって、創刊号で紹介した1039トリプルや今回の1008トリプルは、どちらかというとパーソナルに近かった。なので、そこに出入りする人たちの顔ぶれは決まってくる。
そこで、宮さんにその人たちの紹介文を書いてもらったのだ。

今回、加工を入れさせていただきました!

最初に断っておかなくてはいけないのは、今回はボカシを入れさせていただいた。それはヤマさんから送られてきた写真で、自分のペニスと百円ライターを比べている写真だ。もちろん掲載時にはアートディレクターのグレコローマンさんがかなりのボカシを入れてくれたのだが、影のようになっていて、形は分かる感じだ。今回はここにさらに加工してわからなくした。すんません。
さて、宮さんにしてもらった自分自身の紹介文で誕生日が昭和33年6月26日となっている。僕とかなり近い。っていうか、同じ年じゃないか。で、ここに出てくるマスヤンというのは自分のことではないかと思う。
しかし、これを見ていると、なんとなくその後に登場するミクシィのコミニティのようでもある。

顔が浮かぶ人、浮かばない人

今回もA4の裏表になっている。表から裏にかけて、1008ダイヤルに伝言を入れている人たちを宮さんが紹介するというスタイルになっている。宮さんと2人の女性との写真が掲載されている。海水浴の写真だろうか。3人とも水着姿で、宮さんは一方の女性とキスしているように見える。なんか、モテモテの状態だ。昔の漫画雑誌に載っていた幸運を呼ぶネックレスの広告のようでもある。
で、この号をあらためて読み返してみても、僕自身、宮さんの顔が思い浮かばない。ひょとしたら、直接会ったことはないのかもしれない。
 そう思って、ひとりひとりの紹介文を読んでいくと、顔が思い浮かぶ人とそうでない人に分かれることに気がついた。たぶん、顔が思い浮かぶ人は直接会ったことのある人で、思い浮かばない人は会ったことがない人なんだろう。
 ちなみにこのイラスト人脈図のようなものは、アートディレクターのグレオローマン花田氏が描いたもので、僕はここに張り込まれている活字をプリントアウトした。
 紹介文は極めて内輪の話で、まあ、本来の目的からいえばそれでいいのかもしれないけれど、今読むとよくわかない部分も多い。
 だいたいの傾向としては、女性に関しては、すでに伝言を残していない人が多く、そういう人に対して、宮さんが、伝言を入れてとお願いしている。男性の紹介文を読めば、仲が良さそうなかんじで、たぶん男性同士では電話で話す関係で、女性は伝言ダイヤルでのみつながっているのではないかと思わせる。
 今回も読者一覧が掲載されているが、僕が知っている人もいれば、よくわからない人もいる。ちなみに『わにわに新聞』は郵送で送っていたと記憶している。
 

紹介文は裏面の三分の一まで続き、ベルメールくんのコラム編集後記などがある。編集後記に僕は写真で登場しているが、当たり前だが、いまよりずっと若い。
相変わらず、お便りの送り先として、僕の住所が掲載されている。
直接郵便でお便りを送って欲しいという思惑があったのだろう。
まだインターネットが普及する前の話だ。

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