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ADFEST 2019 ヤングロータスレポート 後編ータイ本選ー

気づいたら前編から1年以上経ってました…現地フェスティバルが再開した時のために、概要記しておきます。

当日のスケジュール

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まず、事前に渡されるスケジュール表がこのプリントです。
17日〜23日まで結構時間ある!遊べる!とか思ってました。しかし、後に送られたスケジュールはこちらです

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ざっくりいうと、

・18日ー終日ワークショップ
・19日ーブリーフ
・20日ー12:30 企画書提出、その後16:30まで各チームプレゼン
                 17:30-18:00 予選通過結果発表
・23日ーAM 最終選抜チームプレゼン 18:00結果発表

です。
なので、17日と23日以外ほぼ、遊ぶ時間がないということをこの時点で知ります。せいぜい、飲みに行ったり(毎日パーティーがあって胃がもたれるほど)展示回ったり、エステ行ったり、プール行ったり、海行ったりするくらいしかできません。(充分か)


渡航準備

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渡航前に準備する必要があることがいくつかありました。現地で様々なトラップがあるので注意してください。

・Wi-Fi確保と、会場から近い滞在先を予約するー
現地のWifiが必ずしも安定してるとは限らないので、Wifiが確実に通ってる宿泊先を確保するか、Wifiルーターを用意することをお勧めします。
また、この時は、提出がUSBだったため、12:30までに会場に行って提出せねばならず、ADFEST側が用意してくれた滞在先に宿泊した場合、会場行きバスの時刻まで計算しないといけません。
なので、自分達は自腹でAirBnBでWifiが確実に通っていて、比較的会場に近い宿泊先に課題中宿泊し、TAXIで提出することにしました。
ADFEST側が用意してくださった宿泊先でも、wifiは通ってましたが、やや弱かったように思います。宿は毎年変わるかもしれないので、ルーターだけ用意するか、宿ごと変えてしまうか、チームで事前に検討し、全広連に相談してみてください。

課題中、ずっと缶詰で作業することになるので、プール付きなどにすると気分転換できて良いです。ジャグジーのお風呂もありましたが、お湯が最初茶色でびっくりしました。しかし、この宿、もうアクセスできなくなっていた。コロナで潰れたんですかね…


・ポータブル印刷機と白紙ー画面上だけで企画書を組んでると、全体を俯瞰で話しづらいため、印刷機を持っていくことを勧めます。白紙ですが、現地で案外すぐ手に入らなかったり、探す時間が無駄なので、アイデアをたくさん描ける白紙、付箋、貼るテープを持っていくことを勧めます。

・審査員と主催のリサーチー大体、ワークショップの主催のAgencyや審査員が事前にADFESTのサイトなどで、インタビューなど掲載してたりするので、そちらは事前にチェックしておくことお勧めします。ブリーフの方向性や、ワークショップの趣旨などが示されているためです。

・前回の優勝者に連絡ー全広連の方にお願いして、事前に質問をまとめて、前回のヤングロータスの本戦で優勝した日本人の方にコンタクト取ってもらい、質問に回答していただきました。単純に課題以外に、現地のナマモノ要注意とか、フィジカルなアドバイスもいただけました。

・PCについてー現地で支給されないので、自前の持っていくことになります。

・ADやデザイナーの準備ー持って行けるのはノートPCなので、いつも大きい画面でガシガシやってるタイプは、ノートパソコン作業に慣れておいた方がいいと思います。うわ!小さ!ペンタブ変な感じ!トラックパッドやりづら!みたいな違和感のまま、24時間勝負に挑むのは危険です。

・デック(企画書)制作はGoogle SlideかTeamsのパワポでー
企画書複数人同時にいじれるツールで進めた方が作業早いです。

渡航

渡航前に準備が多く、あっという間に渡航です。
タイは3月暑いですが、建物の中は冷房ガンガンです。

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1泊めはADFEST側が用意してくださったホテルに宿泊し、Dinnerが出てきます。ここで海外チームと親睦が深められます。みんな英語です。日本語話せる人は日本語で話しかけてくれます。お酒乾杯する時、Cheerって言うかと思いきや、「カンパーイ!」って言う人もいて、カンパイって世界共通語なのかと知りました。ルーフトッププール、誰か酔っ払って飛び込むかなと思いましたが、誰もやりませんでした。

WORK SHOP

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・WORK SHOPの前提

2泊めは、ワークショップが会場で行われます。
Work Shopの内容ですが、スケジュール見た時に、おそらくほとんど、広告についてのInputではないなと気づきました。
出てきてる言葉が、innovation、How to use Date as a Catalystとか、Evolving the Strategicとか、普段広告業界で頻出しているワードではなかったためです。国内選のブリーフ(課題)では、Idea、Promote、Advertising、Campaignとか、そういう言葉が多く散りばめられてます。
あと、講師(審査員)の肩書きも、Copy WriterとかCreative Directorが一人もいません。Strategy Director、Date Science&Analyticsなどが審査員です。

つまり、事前のWork Shopが広告的ではないなら、今回のBriefも広告的な内容ではないなとこの時点で確信しました。
実は、事前に審査員のインタビューとかも読んでいる段階で、相方がおそらくGoogle Homeとか、そこらへんのものが出るのではないか、と予測は立てていました。

なので今回は、国内選のブリーフと、本番のブリーフが、だいぶ毛色が違った訳です。いわゆる通常の、ADとコピーライターのタッグだとかなり不利だったと思います。プランナーやストラテジスト、アナリストの方が、優位な内容でした。ただ、そのストラテジーをキャッチーにしたり、わかりやすく組み立てる、伝える、という意味では、クリエイティブに分があるやも…といったところでした。

WORK SHOPの内容

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Work Shopが始まる前に、上記のことに諸々気づき、「なんか堅苦しいのかな〜」「小難しい話されるのかなぁ〜」と思いましたが、案外そうでもなかったレクチャーもありました。レクチャー全体の趣旨としては、次世代育成が目的で、データ、テクノロジー、クリエイティブを横断して作品に反映していくには、どうしたらいいかみたいな内容です。
個人的に、シンプルで面白かったレクチャーをPick Upします。

・Hard Skill / Soft Skillについて

Hard Skillは、専門知識、技術や資格のことを示し、Soft Skillは、コミュニケーション能力やクリエイティビティ、センス、タイムマネジメントや、リーダーシップ性など、その人自身の特性や性格に基づく能力のことを言います。今後はこの2面性が必要になってくるので、(というか今でもそうだと思うんだが…)自分のハードとソフトを理解して、能力を上げていってください。また、Projectの進行の仕方も、人単位のつながりになっていき、国や組織に囚われない形が増えていきますよ、みたいな内容だった気がします。

・Brands are meaningful choices whose stories become part of ours.
What will your business card say in 2025.(ブランドとは、意味のある言葉の選択であって、それは私たちの一部となっていきます。あなたの2025の名刺には、何が書かれていると思いますか?)

これは、未来の自分がどんな肩書きになっていると思います?というワークショップでした。あまり現実的すぎず、みんな自由に考えてた気がします。
2025ってもうそんなに未来じゃないですが笑、まず未来の肩書きを考えることが、自分のキャリアのストーリー作りになっていくみたいなことが趣旨だったんじゃないでしょうか。
みんながなんて答えていたかというメモまで残ってませんでしたが、自分についてはDevelopment of visualizationとメモに書いてありました。
いずれDesignerとかArt Directorというのは、「すでにあるものをより良く見せる人、編集する人」ではなく「見えないもの、まだ存在しないものを視覚化」していくような、視覚の開発みたいな職業になっていくのではないかと思いました。それは、お金や本など、かつてはフィジカルに存在していたものが、技術の進化とともに、実体がなくなっていき、また日夜新しいサービスやシステム、データ、プロダクトが生まれているため、「見えないもの、存在しないものを視覚化」する仕事が増えるのではないかと思ったためです。未来のプランナーとか、コピーライターとかもどうなるんですかね?考えてみると色々と気づくことがあるかもしれません。

・課題を始める前に、「課題中、こうなったら最悪だ」を互いに書き出してください
これが一番いいレクチャーでした。大体、「どうやったら成功するか」ということについてはみんな必死に考えるんですが、「こうなったら最悪だ」ということについては意外と考えません、というか、言いづらいのかもしれません。途中で「これは最悪だ」となると、時間もないし、喧嘩したくないしとなって言い出せないまま最悪で終わる可能性も結構あるので、事前にお互いの「最悪」の認識をすり合わせておきましょう。私たちは確か「正直に意見を言い合わなくなる」「つまらなくなっていく」「手堅く考えすぎてしまう」みたいなことを書き出して、課題中、ずっと部屋に貼っていた記憶です。人生にも通づるレクチャーでした。

WORK SHOPの一部は概ねこういう感じでした。
長くなってしまったので、本番と終わりは次回描きます。

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