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宅建受験を決意した孤独死現場

実は私佐々木久史は宅建士資格を保有しています。令和3年試験の合格でチャレンジ1回目でした。どうして宅建試験に挑むことになったのか、その経緯をお伝えするとともに50歳を回ったおっさんが初受験でどんな勉強をして合格したのかもお伝えできればと思います。


孤独死が起きた部屋で原状回復トラブルが発生

東京都内のあるパートで孤独死が起き、死後1ヶ月以上経過してるという部屋の特殊清掃と遺品整理の依頼をご遺族から受けました。作業自体は粛々と進みおよそ2週間で完全消臭となり、いよいよ大家さんへ部屋を引渡と言う段でトラブルが起きたのです。

大家である高齢のお婆さんが多額の賠償を求めてきたのです、リフォームの部分でトラブルが起きることは良くありますが、この大家さんはアパートごと建替えろ!無理なら同等の金銭を払え!とご遺族に迫ったのです。

もちろんそんな要求は通るはずもないのですが、とうとう裁判にまでなったのです。その流れの中で意見書や作業報告書を資料として提出する中で、特殊清掃業者はご遺族と大家さんの中に入ってキチンと橋渡しをしなければいけないと感じたのです。もちろん経験則で進言することは今までもありましたが、やはりその手の問題に精通した専門家であると認められなければ説得力がありません。

この考えが宅建受験に向かうことになったのです、宅建士は不動産取引では必要な資格ですが、特殊清掃現場で必要な物ではないですが、一応の法的知識を持つ有資格者というタイトルは信用に値すると考えたのでした。

宅建受験準備を始める

宅建を受けると決めたのがちょうど今ぐらいの時期であったと記憶しています、受験について調べ始めた頃にその年の試験があったので令和2年の10月だったと思います。

準備をするといっても1年先のことですからテキストも最新版がまだ出ていませんし、だいたい何から手を付けていいのかわからなかったので、本格的な試験勉強は年明けからやることにし、それまではYouTubeの先生方の講義を毎日聞くようにしました。中でも初学者の私でもわかりやすかったのはこの先生です。棚田行政書士の不動産大学 棚田先生のおかげで合格できたと言っても過言ではなく、合格から2年たった今でも毎日拝聴しています。

宅建試験合格後の変化

いきなり合格後のお話です(試験勉強と試験対策のことについては別記事を入れる予定です)正式に合格証が届いてすぐ一番早い登録講習を申込み1月下旬に新規登録講習を受け、修了書が届いてすぐ都庁に宅建士登録をし宅建士証が発行されたのです。

名刺には「宅地建物取引士」と入れメールの署名も宅建士であることを記載しました。特殊清掃業者に宅建士は当然必要ありませんが、その名刺を使いだして明らかな変化がありました。特殊清掃の依頼者はご遺族以外にも大家さんや不動産会社が多いのですが、宅建士の文字があるだけで興味を惹くのか今までより更に一歩突っ込んだ相談がされるようになりました。

敷金精算トラブルや特殊清掃を行うべき人とその範囲なども自信を持ってアドバイスできるようになりましたし、物件の売買なども相談されるようになったので会社として不動産取引が出来るよう「宅建取引業」の免許を受けることにし、免許申請をし、宅建業の免許を持つ特殊清掃業者として事業拡大をしたのです。

50歳を回っての合格で自分自身の自信になった

事業としてお客様の信頼を得ることができたのは大きな収穫ですが、何よりこの齢になっても、けっして簡単ではない試験に合格できたことは大きな自信に繋がりました。宅建試験は20代の受験生が一番多く、合格率も20代30代が多い資格です。

50歳代の合格率は10%を切るらしく、全体の合格率が15%前後と考えるとなかなか大変な試験です。本当に何十年ぶりかに真剣に勉強し、半年以上勉強漬けの日々を過ごしたのは今となっては良い思い出です。

次回記事では受験生時代のお話を投稿しようと思います。