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 ひとりぼっちのヒヨドリ  その6

     前のお話 ➡ ひとりぼっちのヒヨドリ その5


ヒヨドリたちの姿が見えなくなってそろそろ2カ月 ?

時折 カラになった巣を見ては

  これが自然界の掟なんだから。

  そうよ、
  カラスだってヘビだって必死で生きてるんだから・・・

と自分をなだめたりしていた。


  だけど、カラスとかヘビって
   あんまり必死感無いよねー  (@。@ ;)



その巣も、どうしたのかいつの間にか無くなって
あの悲劇のこともあまり思い出さなくなっていた秋のある日。


近くのスーパーでの買い物帰り。
千曲川に掛かる橋を過ぎて
自宅近くの道路をゆっくり走って来ると、
1羽のハシブトガラスが
キャベツ畑の横の道端で夢中で何かをつついている。


すぐそばまで車が近づいても逃げる様子も無い 。
「何か美味しいエサでもみつけたのかな」と思った瞬間 !!

1羽のヒヨドリが
ヒューッ!!と猛スピードで飛んできて

カラスの背中に
グサッと鋭くクチバシの一撃を加えたのだ。     

    (◎о◎;) 



そして、ビックリ逃げ出したカラスを追って、
どこまでもどこまでも、
見えなくなるまで追いかけて行った !!

     
  「え!?ヒヨドリってカラスをいじめるの?」

と思った直後に気が付いた。

  あれはひょっとしたら、
  ヒナを盗られた親鳥の 執念のカタキ討ち?

     ? ? ? ? ?



  ヒヨドリがカラスにヒナを盗られることはよくあるって話だけど
  まさか我が家のコブシの木に巣を作った
  あのヒヨドリじゃないでしょ?

  あれからもう2カ月近くも経っているんだもの。
  いくらヒヨドリが賢いからとて、
  いくらわが子のにっくきカタキとて、
  その加害者のカラスを
  個体識別して記憶できるとも思えないし、

  「カラスならどんなやつでもわが子のカタキ」と
   カラスを片っ端から襲ってる
   なんて事も有りそうもない。

     ・・・・・・・

      ・・・・・・・・
   
   いや いや、
   ヒヨドリって記憶力が高いっていうじゃん!
   「人の顔もちゃんと識別できる」って
   ネット記事があったっけ!


   ひょっとしたら
   あの我が家の庭に営巣した夫婦のどっちかが
   偶然我が子を襲ったカラスを見かけて、
   ちゃんと「我が子のかたき」と認識して?
  
   そうかも!

   きっとそうなんだね!
       


そう思い至って
スッキリしてる自分に気付いたのだった。

      つ ・ づ ・ く


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