ひとりぼっちのヒヨドリ その21
前のお話 ➡ ひとりぼっちのヒヨドリ その20
(このシリーズは、別ブログで書いた記事を編集したものです)
2日後
猛暑の日の午後
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突然やって来た猛暑にグッタリして、
自分の部屋でお昼寝。
ちょっとウトウトし始めた時に
ピーーッ! ピーーッ!
と、すぐそばでヒヨドリの大きな声。
ハッ! と目が覚めて
カーテンとガラス戸をそっと開けてみると、
網戸越しに
ひよちゃんがすぐ目の前のコブシの木の枝に 止まって、
廊下の方を見ているのが見えた。
あ、私を呼んでるんだ。
部屋の中から
「ひよちゃん! どうしたの?
” なんかちょうだい “ って?」
と、声をかけてみたら
こっちに向き直って
ピーーッ! ピーーッ! と
また大きな声で鳴いた。
私に何か言ってるのだ。
きっと「なんかちょうだい!」と言ってるのに違いない。
「そこにブルーベリーが黒くなってるから食べてって」
と言ってみた。
意味なんて解るはずは無いけど
きっと偶然そのタイミングで黒い実を見付けたのだろう。
ひよちゃんは サーーッとブルーベリーの木に飛び移った。
向こう側なのでひよちゃんの姿は見えないけれど、
ブルーベリーの木がユサユサしているのが見える。
あいにく黒く実ったのが数個しかないので
すぐ飛んで行ってしまったけれど、
"もしかしたら 気持ちは通じたのかな " と、
勝手に想像してちょっと嬉しい。
明日もまた黒いのができてるでしょうから
食べにおいでよね!
あ? そう言えばなんだかひと回り大きくなったかも !
そうそう、
羽根もきれいにツヤがあったねえ。
すっかりひよちゃんに心奪われている自分が
少し可笑しくもある。
その翌日
夕方になって野菜を採ろうと畑に出たら
少し遠くからヒヨドリの声。
顔を上げて声の聞こえた方を見ると、
50~60m程離れた所の電線にメスヒヨドリが止まって
こっちを向いている。
あ! ひよちゃんでしょ?
こっちにおいで。
ブルーベリー食べにおいでよ!
ご近所さんでもそこいらに居たら恥ずかしいので、
心の中で叫んだ。
たしかにあれはひよちゃんだ。
けれど、それきりヒヨドリは飛び去ってしまった。
ちょっとガッカリして
野菜を採って家に戻る途中、
ブルーベリーの木を見たら
黒くなった実が1個も付いていない。
あ、そうかーあ、
もうさっき食べちゃってから電線に止まってたのね。
私が出てきたの見て挨拶してくれたの ?
(*^。^*)
なんでもいいから無事が確認できて良かった。
明日はちょっともう食べられる実は無さそうだから、
ブルーベリーの木にお皿をセットして
トマトとキウイでも切って入れとこうかな
だけど・・・・・
ひよちゃんが会話する相手って
《ヒヨ語》のわからない私だけなの ?
きっとそうなんだ。
(; ´Д`)
いつまでも「ひとりぼっちのヒヨドリ」じゃなくて
なんか別のタイトルに変えられたらいいのに。
もしカレシができたら
「ヒヨドリの夫婦」とか・・・・・
「幸せなヒヨドリ」とか?
・・・なんか陳腐だなあ。
もうちょっと気の利いたタイトル考えておかなくちゃ。
つ づ く
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