112

「数学ってもはや可愛いわ」
「おー、バグったか」
「点Pさ、こっちがどんだけ言っても動いちゃうわけでしょ? 猫じゃん」
「猫ですか? 猫はもっと自由に動くが」
「お前に猫って単語を投げた俺がバカだった」
「他には何かあるのかよ」
「あるんだわ」
「聞かせて」
「三角錐はクリスマスパーティー感ある」
「それじゃない感。それじゃない感!」
「えっなんでよ」
「そういうのじゃなかったじゃんか。例えばあれよ。『証明問題ってわざわざ俺に分析させて心暴かせるいじらしさがある。かわいい』とかさ」
「あーらバグった俺に影響されてこじれちゃってる」
「ベクトルはあっち行きたかったりこっち行きたかったりわがままだなぁ。はは。そういうとこがいいよ」
「お前の言葉じゃないよね? なぁ?」
「公式ってやつは自分を使われるのが好きなんだよ。解かされたがりなんだよな」
「怖い怖い俺はそこまで行けてないしそこまで行くと可愛くない」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?