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教員3112人不足~全教の10月調査

全教は12月25日、教組共闘連絡会とともに調査した、「教育に穴があく(教職員未配置)」(10月)実態調査結果を発表しました。32都道府県・12政令市からの集約で3112人の未配置が起きていることが明らかになりました。また、初めて病休代替の欠員者数が産育休代替の欠員者数を上回りました。

今年度5月の実態調査にも回答を寄せてくれた22都道府県4政令市を抜き出して比較してみると、5月の未配置総数は1666人だったのに対し、10月は2396人と、わずか5か月で1.44倍になっていることがわかりました。特別支援学校だけで見ると2.23倍に増えていることもわかりました。

前年度10月の実態調査にも回答を寄せてくれた22道府県5政令市で比較すると、総数は1698人から2344人と1.38倍になっており、途中退職者による欠員は1.72倍に増加していることが明らかになりました。
 調査により、未配置による現場教職員へのしわ寄せにより、長時間過密労働に拍車のかかる実態や、追い詰められる現場教職員の実態、ハラスメントの温床になる懸念などを指摘しました。

全教HPよりhttps://www.zenkyo.jp/news/10488/

現場の声から

けい先生は、様々な学校の先生方(高等学校)と日常的に交流しています。よく見られるケースは、

産・育・病休の代員がいないケースです。

富山県ではとくに、「国語」と「家庭科」の教員が不足しています。もちろんこれらの教科に限りません。臨時的任用教員や、非常勤講師、そして、同じ教科の教員が協力して穴を埋めていますが、現場からは「苦しい」という声が上がっています。

出産、育児をされる先生方、病気になってしまった先生方には、安心して休んでいただきたい。しかし現状は、感じる必要のない後ろめたさを抱えながら、休暇を取られているのが現状です。

この発表をした全教(全日本教職員組合※日教組とは別系統の教職員組合)はこの現状を踏まえていくつかの提言をしています。

  • 国に対し、教育予算の増額を要望。

  • 教員定数の改善(教職員定数を定める「標準法」の改正)など

学校に対しての「すぐにできる職場環境改善」の提言もあります。

  • 3学期の授業実施や来年度の教育課程編成に当たり、年間の標準授業時数を過度に上回らないようにする。

  • これにより教員1人当たり担当授業時数を抑制する。

学校は「あれもこれも」取り入れて、自ら多忙を生み出す傾向があります。「子どもたちのため」は、ある意味「呪い」の言葉でもあると思います。

学校は、現状が深刻であることを直視し、各学校の現状に合わせて早急に教員の負担軽減に乗り出す必要があります。そして、教育委員会は各学校のとりくみを尊重し、業務の見直しを応援していただきたい。

教委が学校に負担をかけている場合もたくさんあります。それらの見直しも効果的と思われます。学校訪問や各種調査、教委主催イベントなどの思い切った削減を検討することも必要でしょう。

大切なのは、現状が「まったなし」の状況であるという認識を誰もが持つことです。緊急に動くべきときです。


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