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キャリー・ブラッドショーになりたい

「AND JUST LIKE THAT…」のシーズン2の配信が始まった。昨年末からSATCにどハマりし、6シーズンと映画2本を完走した僕。ど新規のファンだけど、新章となる今シリーズも、キャリーたちの加齢や時代、環境に伴う変化をとても楽しみながら観ている。

今シリーズでは、サマンサが登場しないこともあり(シーズン2ではワンシーンだけ出演とのことらしいが)、「サマンサのいないSATCなんてもはや別物」との意見も多かった。これは、あながち間違っておらず、僕はSATCオリジナルシリーズとはまた違った見方で楽しんでいる。セックスコメディとして、ドタバタ要素の強かった前作から、今作では社会や時代の変化に翻弄されつつも、なんとか自分らしさとアップデートしていく部分の折り合いをつけようとしていくキャリーたちの姿が描かれているのが、非常に面白いし、勇気づけられる。

とはいえ、シーズン1はなかなか気が沈んでしまうような展開も多かった。一応ネタバレは避けるが、大きな別れや時の流れを感じさせる決別も真正面から描かれており、リアルだなぁと感じたし、自立したカッコいい女のイメージが僕の中であったミランダの惑いっぷりは、なんだか見ていて痛々しいとも思ってしまった。

しかし、このドラマの凄いところは、キャラクターたちを我々のイメージに縛り付けることなく、常に変化し続けるキャラクターとして、生身の人物としか思えない描き方をしていることだ。先程僕は、ミランダが痛々しくみえたと言ってしまったが、もとから彼女は旧来の価値観や今までの自分に縛られないキャラクターだったし、どんどん変わり続ける彼女はらしいともいえる。シャーロットもいくつになってもお嬢様というか、奥様気質は変わらないが、ひとつ大きなブレない軸はあれど、家族や友人のためなら苦労も惜しまず、考え方もどんどんアップデートしている。

でも僕が1番変化を感じたのはキャリーだ。SATCシリーズのキャリーは主人公ながら、言動と行動があっていなかったり、あまりにも身勝手な行動で視聴者をヤキモキ&イライラさせるキャラクターだった。だけど、今作では良くも悪くも彼女は登場人物たちの中で、最も大人だと思う。自分らしさは常に失わないけれど、他者の生き方を否定することなく、常に自分をアップデートさせながら生きている。本当にカッコいい。

なんというか、こう長きに渡りキャラクターたちの成長を描いてくれるドラマがあるということは、年を取るということに対する希望になりうるなぁと感じる。僕も彼女たちのように、次々と起こる人生のイベントに対して軽やかに立ち向かいたいし、どんどん自分をアップデートしていきたい。若さで享受できるものは沢山あるが、年を取る事が楽しみに思わせてくれるドラマがあるというのは、素敵だなあと思う。

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