アイロニーフィクション④

② 博士号のない教授が9割問題

これはもう言葉の通りである。他の大学の平均は知らないが、
当時、私の通っていた大学で博士号を持っていたのは先生と経営学を教えていた関西弁の若い先生とあと二人くらいだった。
大学の教員になるのに教員免許の制度はないから問題ない。そう言ってしまえばその通りであるが、やはり専門的な知識や研究とはなんぞや。という部分をしっかりおさえた高度教育ができるのはきっと自分の専門分野を突き詰めて論文として世間的に認められた実力者の証である博士号をもっている人間なのだろうな。と思う。

なぜなら、博士号をお持ちでなく、実務経験での実績を買われ雇われた教員に複数の問題児がいたからだ。
①    パーサー
この人は有名な航空会社のパーサーとして活躍していたらしい。
ゼミの売りは年に一度、航空会社でCA研修ができる。以上だった。
1年の24回のゼミのうち他に何をやっていたのか。誰も知らない。

②    超落単
この人は旅行業界出身だった。
教材を読むだけの授業で世界遺産検定3級をとればA以上は確定と思っていい。
日本全国の温泉地の読み方をマスターできるようにはなる。

③    ホスピタリティビジネスレディ
この人は有名企業の商品開発出身の女性で、起業したばかりで、小さいお子さんがいた。まさに女性としても、母としてもどちらの成功も得たいタイプの人だった。
この人が一番厄介だった。本まで出版している。となると、
漠然と社会的に成功した人に見える。故に、単純な学生はホイホイと群がるわけである。
しかしながら、この教授。自分のゼミを体調不良を理由に何度も何度も飛ばしていた。(SNSでの発信から推測するに他の仕事を優先させていたとの疑惑があったが、訴追まではできなかった。)
ゼミ生が何も言わないのをいいことに、大学サイドもこの事実を知らなかった。
(まぁ、学生たちは合法でさぼれてよかったではないか。と言われてしまえばそれで終わりであるが。)
私の友人2人がこの教授のゼミ生であったことで発覚したことである。
ちなみに、2人とも1年でそのゼミを辞めた。

この3人がいるだけでも軋轢をうむであろうことは容易に想像できる。
実際はこの3人以外の教員たちも皆、毎日を消化試合的に生きている人ばかりだったのだから実際の会議はもっと悲惨なものだったのだろうと推測する。

そう悲惨だったんだ。
先生の心が病むくらいには。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?