見出し画像

「二笑亭奇譚」の古い方の復刻版を読んだ

「二笑亭」そのものに関しての情報は、専門資料が既に沢山ありそうなので
そちらに譲りまして。
ここに残したいのは、情報の伝わり方の違和感。


最初にこの建物の事を知ったのは、この本。良い本です。
ただ、これが書かれた時はまだ上記の本が出ていなかったんでしょうね。

紹介そのものに問題は無いのです。ただし、後で振り返ると
 ・奥行きの無い、使えない押し入れが作られている
と言うのが妙に引っ掛かっておりまして。
「パソコン〜」には写真が無かったので、
「二笑亭〜」を見てみると確かに。こぶし1つ分ほどの奥行きの押し入れ。
これを意図的に作ると怖い。


「二笑亭奇譚」は式場 隆三郎氏が書かれた本で、これは100ページ程度。
更に「50年目の再訪記」は、その後の再調査が加筆されています。
そこに価値を求めるかどうかは人によって違うでしょうが、
その結果、生存されていた息子さんの取材から以下の事が判明しています。
 ・奥行きの無い押し入れは、最初は奥行きが存在していた。
  隣地にはみ出した違法建築だと判明し、復興局に削られた。
  (関東大震災直後の事なので、こういうのがあったらしいです)
 ・天井が潰されて使えない土蔵の梯子は、昔は天井が無かったので
  行き来ができた。
その他の謎建築については勿論意味が分からないままなのですが、
なるほどやはり当事者から聞いてみないと分からない事もあるものだ、と。


例えば、今、最新の復刻版はこれです。
底本通りのページ数なので、追加情報は載ってない筈です。
私がこっちを買っていると、「恐怖感」は増幅したままだったでしょう。


他の方のレビューによると、これは追加情報が載ってるそうですが
文庫サイズなので小さくて見えにくいそうです。それは当たり前ですね。


日頃、大切にしていることがあります。
 「両方の意見を聞かないと、判断はできない」
うーん、当たり前なんですが難しい!
(立花隆さん)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?